食品安全情報blog過去記事

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主任科学者のデスクから 食品添加物

From the desk of the Chief Scientist
Food additives
February 2013
http://www.foodstandards.gov.au/scienceandeducation/scienceinfsanz/fromthedeskofthechiefscientist/
新聞や雑誌を広げたりTVを見たりソーシャルメディアをチェックしたりすると食品添加物についての記事に遭遇することがある。
食品添加物ほど注目されている食品成分は無いと言っていいだろう。食品添加物は食の安全に必須で食中毒を予防すると説明されている場合もあれば健康上懸念があるとされている場合もある。
FSAZには食品添加物について、何故使われるのか、安全なのか、どうして国によって認められていたりいなかったりするのかというような質問が定期的に寄せられる。
オーストラリアとニュージーランドでは食品への添加物は食品基準により許可されている。使用理由は多様で、食品がダメになるのを防いだり食中毒を予防するための保存料や、色、甘味料、pH調整などがある。しかしながら使用する前にFSANZに認められる必要があり、それは企業がその添加物の必要性を証明しなければならないということである。さらに重要なのは添加物は安全であることを証明しなければならない。認められる使用量は、最大許容量と呼ばれるが、添加物の機能を果たすのに必要な最小量に設定される。もしこれらの基準値を超過したら、それは一概に食品の安全上の懸念ではないが、法律違反となる。このような枠組みは世界の他の国でも同様である。
食品添加物が心配な人々によく言われることの一つが、何故ある添加物が他の国で認可されていないのに我が国で認められていることがあるのか?である。これにはいくつかの理由がある。異なる地域の国では食生活や環境や気候が異なり、食品の製造工程が異なる。食品の輸送距離が違うと必要な保存料が違ってくる。また消費者の好みや文化により違う色の色素を使うこともある。食品添加物が「禁止されている」と報道される事例の多くは、実際には認可申請していないだけだったりする。
さらに食生活が異なるために摂取量が異なり、安全上の理由から国による違いがある場合もある。
オーストラリアとニュージーランドは世界でも最も安全な食品が供給されている国の一つである。食品添加物の注意深いモニタリングもあってこのレベルの安全性が維持されていることに、消費者は安心して(rest assured)いい。