食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

内分泌撹乱物質の同定と評価のための統一された科学的判断基準を求める

Appeal for harmonized scientific criteria for identification and assessment of endocrine disruptors
21.03.2013
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2013/08/appeal_for_harmonized_scientific_criteria_for_identification_and_assessment_of_endocrine_disruptors-133131.html
BfRと英国化学物質規制委員会(CRD)は内分泌撹乱物質のヒト健康リスク評価のための概念を提案
内分泌活性物質Endocrine active substancesは生体のホルモン系に影響する物質のことを言う。この相互作用が健康障害のような有害影響をもたらす場合に内分泌撹乱物質endocrine disruptorsと呼ばれる。EUでは異なる法律の範囲で内分泌撹乱物質に対する特別な規制が成立している。しかしながらそのような物質を同定・性質決定するための科学的根拠が定義されていない。このため欧州委員会は物質の内分泌撹乱性を決定するためのしっかりした透明な基準を提示するよう立法者から求められている。現時点では異なるアプローチが議論されている。BfRはある物質の内分泌撹乱性を評価する際には、「一つの物質につき一つの評価」の基本原則が適用されるべきだという意見である。ある物質が異なる法律の適用範囲で使用されている場合に、評価は同一であるべきでその物質の本質的な性質のみを基準にして行われるべきである。同じ物質なのにバイオサイドや農薬や化学物質の法律分野で異なる毒性学的規制値が使われるような状況は許容できない。BfRは2011年に既にCRDと協力して内分泌撹乱物質のヒト健康影響について構造化された段階的評価概念を開発している。
最初のステップはハザードの同定で、WHOによる定義に基づく。ホルモン系に影響する外来物質で、ホルモンへの影響により無傷の生体に有害影響をもたらすものかどうかが評価される。
次の段階はハザードの性質決定で、この段階では影響の特異性、重症度、可逆性、一貫性、そして強さが検討される。
三番目に規制上の決定が下される。