食品安全情報blog過去記事

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EU機関はウマ肉に検出されたフェニルブタゾンの消費者への懸念は低いと考える;ウマのトレーサビリティと動物用医薬品の監視を改善することを薦める

EU agencies consider phenylbutazone detected in horsemeat of low concern for consumers; recommend improved horse traceability and monitoring of veterinary medicinal residues
15 April 2013
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/130415.htm
EFSAとEMAの共同評価は、ウマ肉のフェニルブタゾンの違法残留は、暴露される可能性が低いことと有害影響の可能性が低いことから消費者にとっての懸念は少ないと結論した。また、動物由来食品からのフェニルブタゾンの安全な量を設定することは不可能なので食品への使用禁止は継続されるべきであることを確認した。
この任務の一環として、EFSAとEMAはこの物質がフードチェーンに入るリスクをさらに減らすための、トレーサビリティ強化に関する一連の助言を行った。
フェニルブタゾンは1997年にEMAが動物由来食品のMRLを設定するための評価をしている。当時入手できたデータからは食品中の安全な量についての結論が出せず、MRLは設定されなかった。そのためフェニルブタゾン処理した動物は食品には使えない。今回の共同評価でEFSAとEMAは現在入手可能な全ての科学的根拠を用い、この結論を再確認した。

  • ウマ肉に残留フェニルブタゾンが存在することに関する、EFSAとEMAの共同声明

Joint Statement of EFSA and EMA on the presence of residues of phenylbutazone in horse meat
EFSA Journal 2013;11(4):3190 [45 pp.].
15 April 2013
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3190.htm
加盟国の検査により食用のウマ屠体にフェニルブタゾンが存在することが明らかになった。欧州委員会からの要請でEMAとEFSAは最近の偽装におけるウマ肉中残留フェニルブタゾンのリスク評価を行った。動物用医薬品委員会が1997年にフェニルブタゾンの消費者への安全性を評価し、主なリスクは特異体質による血液障害と遺伝毒性/発がん性の可能性であり、閾値が同定できないことからMRLは設定できないとした。従ってこの物質は食用動物へは使用できない。その後新しい情報がないためこの主要リスクは再確認された。19か国から提出された限られたモニタリングデータと保守的推定によりウマ肉として食べる場合あるいは牛肉製品に存在する場合のフェニルブタゾン暴露量を評価した。全国全年代で、1日1億人当たり最大144-36800人がフェニルブタゾンに暴露される可能性がある。ある特定の日に、再生不良性貧血になる感受性の高い消費者がフェニルブタゾンに暴露される可能性は約1兆分の2から1億分の1と推定される。フェニルブタゾン暴露によるヒトへの発がんリスクは入手できる実験データとウマ肉や偽装牛肉から検出されている頻度から、極めて小さいと考えられる。さらにリスクを削減するための対策としてフェニルブタゾンとその代謝物やその他の残留動物用医薬品の全EU協調モニタリングと報告およびウマパスポートシステムの強化などを提案する。

  • EMAのサイト(内容は同じ)

EU agencies consider phenylbutazone detected in horsemeat of low concern for consumers; recommend improved horse traceability and monitoring of veterinary medicinal residues
15/04/2013
http://www.ema.europa.eu/ema/index.jsp?curl=pages/news_and_events/news/2013/04/news_detail_001761.jsp&mid=WC0b01ac058004d5c1