食品安全情報blog過去記事

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論文等

MMR, measles, and the South Wales Evening Post
BMJ 2013;346:f2598
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f2598
最近のウェールズでのはしかの流行に、地元での15年前の反MMRメディアキャンペーンを批判する人たちがいるが関連についての根拠はあるか?Margaret McCartneyが報告する。
1997年からSouth Wales Evening PostがMMRワクチンに反対する「事実を求める保護者の戦い」というキャンペーンを行った。3か月以上にわたってこの新聞は1面の記事5報、意見3報、その他18報のMMRの安全性に疑問という記事を掲載した。新聞は決して保護者にワクチンを打つなとは言わなかった。記事にはいつも地元の保健当局による子どもにワクチンを接種するのは重要であるという短い文言を伴っていた。地元の公衆衛生医Brendan Masonと Peter Donnellyはこの影響を調べ、ウェールズにおけるワクチン接種率は全体ではキャンペーン前が89.2%、1年後は86.8%だったが新聞が入手できた地域では同時期に91%から77.4%と有意に下がっていたとJournal of Epidemiology and Community Healthに書いている。ただし観察研究なので因果関係を示したとは言えない。
他のウェールズ地方の新聞がMMRについてSouth Wales Evening Postと同じ報道をしたわけではない。
メディアによる怖い話の報道が人々の健康に関する行動変化と関連することは他の事例でも示されている。
BMJは当時のキャンペーンの責任者であるGeorge Edwardに取材することができなかった。しかし彼は最近BBCの番組で「時間を巻き戻したとしても、キャンペーンをしない理由は想像できない」と述べている。メディアによる報道が人々に与える影響について質の高い無作為対照試験を行うことは不可能である。しかし医学の見かけ上の不確実性が広く報道される場合のやりかたについての懸念は合理的である。2012 Leveson報告はこれを「間違ったバランスのとりかた」、つまり「科学コミュニティの中では極めて一部の科学者が意見が一致していないと主張していることを過剰に大きく報道する」事例として取り上げている。将来をよくするためにはこの「虚偽のバランス」対策が必要である。

Use of psychedelic drugs remains prevalent in the United States
23-Apr-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-04/fo1b-uop042313.php
ノルウェー科学技術大学の神経科学部Teri S Krebs と Pål-Ørjan Johansen は、2010 全国薬物使用と健康調査 (NSDUH)の対象となった57000人以上の無作為抽出サンプルデータを用いた研究で米国には3000万人以上の薬物使用者がいると推定。LSD、サイロシビン、メスカリンを使ったことのある人は約200万人と推定。

  • 全国調査:十代の処方薬誤用や濫用は2008年以降33%増加

National study: Teen misuse and abuse of prescription drugs up 33 percent since 2008
23-Apr-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-04/c-nst042213.php
新しい全国調査で、十代の4人に1人がこれまで少なくとも一度処方薬を誤用・濫用したことがある。さらに8人に1人が自分に処方されたわけではないリタリンやアデロールを使用したことがある。この増加に寄与しているのは保護者の甘さや信念で、保護者の1/3がリタリンやアデロールがADHD患者でなくても学校の成績を上げることができると信じているという。