食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • EUの種子規制オーバーホールに抗議

Overhaul of E.U. Seed Regulations Triggers Protests
by Tania Rabesandratana on 8 May 2013
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2013/05/overhaul-of-eu-seed-regulations-.html?ref=hp
欧州委員会EUの食品安全向上のための植物と動物の健康規制を改定したことに関連して、環境団体が種子やその他の「植物再生材」規制にねらいを定めた。現在企業は種子を販売しようとする場合その国に登録しなければならないが、新しい法ではどこか一か国で登録すれば自動的に全EUで認められる。これが大企業による均一な品種の拡大につながり多様性が失われると環境団体は抗議している。

  • ニュースフォーカス 授粉媒介者へのリスクに関して農薬が非難されている

Pesticides Under Fire For Risks to Pollinators
Erik Stokstad
Science 10 May 2013: Vol. 340 no. 6133 pp. 674-676
EUが良く使われている農薬の禁止に動き、研究者らはこれらが実際どれだけミツバチやその他の授粉媒介者に危険なのかを評価するのに苦労している
ミツバチへの影響だけではなくそもそも種子の農薬処理がほんとうに収穫に影響するのかどうかについても議論がある。ネオニコチノイドよりピレスロイドの方が3倍有害だという報告が出るなど他の化合物も関与し、ミツバチへの薬物使用無しではダニ感染で死んでしまう。PNASに先月発表された論文ではミツバチの餌として与えられる糖液に、蜂蜜に含まれる成分p-クマリン酸が不足していて添加することで毒物を分解する能力が増えた。

  • ニュースフォーカス ネオニコチノイドは食糧安全保障においてどれだけ大きな役割を果たすべきか?

How Big a Role Should Neonicotinoids Play in Food Security?
Erik Stokstad
Science 10 May 2013: Vol. 340 no. 6133 pp. 675
種子のネオニコチノイド処理が農業にとってどれだけ重要か、について。

  • 米国政府はオープンアクセス出版社を商標侵害で批判

ScienceInsider
U.S. Government Accuses Open Access Publisher of Trademark Infringement
by Jocelyn Kaiser on 9 May 2013
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2013/05/government-accuses-open-access-p.html?ref=hp
新しいオープンアクセスジャーナルに論文を投稿するのはリスクの高い冒険である可能性がある−手数料をとってピアレビューも編集もなく論文を出す会社が林立している。ある雑誌がNIHの名前を誤解を招くやり方で使用し、職員を宣伝に使っていることに米国政府が警告した。
Johns Hopkins大学のHIV研究者Ken Witwerは昨年8月にOMICS Publishing Groupが開催した学会で発表して、騙された。Witwerがこの学会に参加したのはBruce Amesが話すとされていたからだが、彼は現れなかった。その後Amesから話すなんて言っていないということを聞いた。3月には知らないうちにエディターとして名前が掲載されていたため、NIHに法的措置を執るよう求めた。他にも多数の重要な懸念がありPubMed CentralはOMICS Publishing Groupの雑誌は受け入れないとしている。
(でもOMICS Publishing Groupの雑誌はGoogle Scholarではたくさん出てくるわけで。ネットにゴミが増えることはものすごく迷惑なんだけれど、ゴミをばらまくのが正義だと思ってるらしき人すらいる・・・)

  • リグリーはFDAの懸念を受けてカフェイン入りガムを引っ込める

Wrigley pulls caffeinated Alert Energy gum amid FDA concerns
Thursday, May 9, 2013,
http://www.nydailynews.com/life-style/health/wrigley-pulls-caffeinated-gum-fda-concerns-article-1.1339290#ixzz2SrSHLlPg
FDAと話し合った結果、米国の食品にカフェインが増加することへの懸念を尊重して販売を一時停止する。FDAはリグリーの公衆衛生のための決定を賞賛する。

  • シーフードの食事がロシアの島のホッキョクギツネを殺している

Natureニュース
Seafood diet killing Arctic foxes on Russian island
08 May 2013
http://www.nature.com/news/seafood-diet-killing-arctic-foxes-on-russian-island-1.12953
集団の激減に海洋性動物の水銀汚染が背景にある可能性
ベーリング海のMednyi島に住む海の動物しか食べないホッキョクギツネの亜種は、何千年も孤立してきた。かつては毛皮目的で狩られていたが1970年代に人が住まなくなってから1000以上いたのが100未満に減った。モスクワ大学の研究者らがドイツやアイスランドの共同研究者と協力して原因を調査した。いくつかの寄生虫を同定したがそれだけでは減少が説明できなかった。そこで食べものを調べたところ、狐の毛に平均10 mg/kgの水銀が含まれ、高いものは30 mg/kgだった。内陸の狐の毛では約3.5 mg/kgである。他のベーリング海の島やアイスランドの沿岸の狐も水銀濃度は高かったがそれらは減少していない。PLoS ONEに発表された。