食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース等

  • 腸内細菌が肥満や糖尿病と闘うかもしれない

Natureニュース
Gut microbe may fight obesity and diabetes
Brian Owens 13 May 2013
http://www.nature.com/news/gut-microbe-may-fight-obesity-and-diabetes-1.12975
今週PNASに発表された論文で、粘液を消化し健康なほ乳類の腸内微生物の3-5%を占めるAkkermansia muciniphilaが、高脂肪食を与えたマウスでは正常の1/100に低下するが生きた細菌とその増殖を助けるプレバイオティクスを一緒に与えることで正常な数に回復させるとマウスの体重が減り代謝の指標も改善することを報告している。
オープンアクセス
Cross-talk between Akkermansia muciniphila and intestinal epithelium controls diet-induced obesity
http://www.pnas.org/content/early/2013/05/08/1219451110.abstract
(高脂肪食が60%脂肪というかなりなもの。菌は2.10^8 cfu/0.2 mLオリゴフルクトースは1日0.3g。人間だとマウスの体重の20倍くらいか

ScienceInsider
U.S. Supreme Court Upholds Monsanto Soybean Patents, Rejects Blame-the-Bean Defense
by Eliot Marshall, With reporting by David Malakoff on 13 May 2013
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2013/05/us-supreme-court-upholds-monsant.html?ref=hp
米国最高裁判所は満場一致でモンサントの大豆特許を支持した。判事はインディアナ州の農家Vernon Hugh Bowmanが、モンサントが特許を持っている遺伝子を含む表示されていない大豆を購入してその特許料支払いを拒否したことを同社の知的所有権を侵害したと結論した。裁判所はモンサントの特許はモンサントが直接販売したものに限らず、モンサントの遺伝子を含む環境中で循環している種子にもあてはまると判断した。
Bowmanは前の年にモンサントの種子を購入し特許料も払ったがそれを次の年には継続しなかった。Bowmanはモンサントの遺伝子を複製したのはマメであって自分ではないBlame-the-Beanと主張したが裁判所は却下した。
(コメント欄が荒れている。こういうことを避けるためにターミネーター技術があったはずなのだけれどそれにも反対して、結局何がしたいのかな)

  • 腎臓結石:7つの賢明なステップ

Kidney Stones: 7 Smart Steps
by Berkeley Wellness May 13, 2013
http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/kidney-stones-7-smart-steps
我々の15人に1人は一生の間に腎臓結石になる。男性は女性の約3倍なりやすく、最もなりやすいのは20-60才の白人男性である。痛みもなく尿管から排出される場合もあるが石が通過する時は激しい痛みを伴うことがある。石が1個ある時は別の石もできつつある可能性がある。腎臓結石には遺伝子が関与する。暑いこと、脱水も予想因子となる。痛風クローン病、メタボリック症候群、肥満、糖尿病なども関連する。
食生活と石の関連はよくわかっていない。かつて言われたカルシウムを減らす、などの助言は今は正しくないことがわかっている。根拠のある助言としては、水分を摂る、ナトリウム摂取量を減らす、乳製品からのカルシウム摂取はむしろ保護作用があるかもしれない、高用量ビタミンCは石を促進する、など。
昔言われたことで今は疑問があるものとしてはコーヒー、紅茶、ビール、ワイン、コーラなどを禁止、動物タンパク質を減らす、ほうれん草などシュウ酸の多い食品を減らす、など。これらにはよい根拠はない。