食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他ニュース等

  • 風味の後に

ニュースフォーカス
Following the Flavor
Kai Kupferschmidt
Science 17 May 2013: Vol. 340 no. 6134 pp. 808-809
科学者が、なぜ一部の人はある食品が大好きで他の食品は大嫌いなのかを明らかにし始めた。かつて考えられていたより複雑である
デンマークの食品科学者Per Møllerは数年前米国にいたとき、米国で有名なチョコレートバーを食べたが「吐きそうになるくらいまずかった」。しかし彼の同僚のアメリカ人はそれに同意しなかった。Møllerはどうしてとても美味しいとされるものが他の人にとっては不味いのか、あるいはこの問題について人々がどうしてそんなに強く意見が対立するのかについて答えを探しているグループの一人である。遺伝学、心理学、生理学などの多様なアプローチから答えを探し、あらゆるところに疑問が見つかった。他の感覚に比べて味覚は長い間科学の対象ではなかった。たとえばグルタミン酸などのアミノ酸の味を感じるうまみ(umami)受容体が見つかったのは2000年代である。近年ある種の食品の感覚に影響すると思われる遺伝子変異が多数みつかっているが、DNAはこの分野のほんの一部でしかない。嗅覚も大きな影響を与え、色や期待、経験も影響する

  • 科学と美食の境界を探る水に浮かぶ実験室

A Floating Lab Explores the Fringes of Science and Gastronomy
Science 17 May 2013: Vol. 340 no. 6134. 809
Ben Reade とNordic Food Labは分子美食学として知られる運動の一環を担っている
Nordic Food Labは港の小さなボートにある有名レストランNomaの傍らで調理師や科学者が新しい調理方法を開発している。彼らの目的は科学的新発見ではなく「美食の追求」である
(着色料は意味がないから使うなといった主張に賛成できないし賛同者が増えないのはこういうことがあるから。色は大事でしょう?)

Natureニュースblog
Scientists join journal editors to fight impact-factor abuse
16 May 2013
http://blogs.nature.com/news/2013/05/scientists-join-journal-editors-to-fight-impact-factor-abuse.html
150人以上の科学者と75の科学団体が、研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)を発表した。いくつかの指標−特に悪名高い雑誌のインパクトファクター(JIF)−の使われ方について指摘したものである。研究資金を出す機関が、研究者の評価をその研究そのものの価値ではなくその研究が発表された雑誌のJIFで判断することに異議を申し立てている。その結果として科学者はより良い研究をするよりよりJIFの高い雑誌に発表することを目標とするようになった。Cell, Nature ,Scienceに論文が掲載されなければ仕事に就けないと科学者は考えている。インパクトファクターを発表しているThomson Reutersですらこの数字は個々の論文の質を計っているものではなく、雑誌のその分野における評判を示しているものだという助言を発表している。
(お金を出す評価者に、研究そのものを評価する能力がないからそうなるんだよね?)

  • 科学アートギャラリー

Art of Science 2013 Gallery
http://www.princeton.edu/artofscience/gallery2013/
科学が発見した予期せぬ美を集めたもの

  • ビタミンCは痛風患者の尿酸レベルを下げない

Vitamin C does not lower uric acid levels in gout patients
16-May-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-05/w-vcd051413.php
Arthritis & Rheumatismに発表された痛風患者40人での研究。ビタミンCは毎日500mg。ビタミンCにより血中ビタミンC濃度は増加したが尿酸レベルに臨床的に意味のある違いはなかった。