食品安全情報blog過去記事

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コーヒーが肥満や糖尿病の原因だと証明されたわけではない

Behind the Headlines
No proof coffee causes obesity and diabetes
Wednesday May 29 2013
http://www.nhs.uk/news/2013/05May/Pages/No-proof-coffee-causes-obesity-and-diabetes.aspx
Mail Onlineは「あなたを太らせるのはカフェイン入り飲料か?」と問いかけ、「1日に5杯のコーヒーを飲むと肥満になる」という研究を紹介している。しかし問題の研究はマウスでのもので、調べたのはコーヒーそのものではなくコーヒーに含まれる化合物である。
この研究はクロロゲン酸という物質の影響をしらべたもので、ネズミにクロロゲン酸を与えて体重やグルコース制御を調べた。高脂肪食にクロロゲン酸を加えたマウスでは高脂肪食のみのマウスよりグルコースの制御が悪いように見え、このことがクロロゲン酸をとりすぎるのは健康に良くないことを示唆する。「1日に5杯のコーヒーで肥満になる」という見出しはこの研究からかけ離れている。この研究では高脂肪食が肥満になることを示しただけで、クロロゲン酸で肥満になることは証明していない。
この研究だけでコーヒーが肥満の原因だという説は支持できない。しかし1日5杯以上のコーヒーは不眠やいらいらなどの症状を誘発する可能性はある。