食品安全情報blog過去記事

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妊娠中の飲酒が赤ちゃんに役にたつという間違った主張

Behind the headlines
Misguided claims alcohol in pregnancy helps baby
Tuesday June 18 2013
http://www.nhs.uk/news/2013/06June/Pages/Misguided-claims-alcohol-in-pregnancy-helps-baby.aspx
「毎日グラス1杯のワインが赤ちゃん良いかも」という完全に間違った見出しが今日のDaily Telegraphに掲載された。他の新聞は妊娠中の飲酒は「悪影響がない」と報道したがこれも間違っている。このニュースは出産前のアルコール暴露と子どもの重要な発達指標であるバランス能力の関連について調べた新しい研究に基づく。これまでの研究では妊娠中の飲酒がいくつかの神経発達指標に悪影響を与えることがわかっていたが、バランスについてはよくわからなかった。研究者らは低から中程度の飲酒が子どものバランスに悪影響を与える根拠を見つけることはできなかった。また中程度飲酒が全く飲まない群に比べて良い影響があるように見えた。しかし研究者らは飲酒と社会的地位の高さの関連を完全に補正できていない可能性があると言っている。この研究は妊娠中の飲酒についての知見を増やすものであるが、妊娠中の飲酒の「安全量」についての不確実性は残る。このため、現在のガイドラインでは妊娠の最初の三ヶ月は禁酒を薦めている。この時期の後、飲むのであれば週に1-2回、1-2ユニット以内にすべきで、暴飲してはならない。メディア報道とは違って、この研究はこの助言を変えない。