食品安全情報blog過去記事

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明確で不明瞭ではない

Clear cut and ungarbled
Posted by Andrew Wadge on 19 June 2013
http://blogs.food.gov.uk/science/entry/clear_cut_and_ungarbled
このblogが食品の安全性における科学の役割について、「不明瞭なgarbled」メッセージを送っているという批判は一番受けたくないものである。だから‘garbler’という単語が実際にはポジティブな意味をもっていたことを知って少し驚いた。(中世後半の英語のgarbelenはスパイスからごみを取り除くこと、古代イタリア語ではgarbellareはふるいにかけること)
中世から1860年に最初の食品や飲料への異物混入に関する法ができるまで、食品には、焼き石膏から毒まで、あらゆる危険なものが入っているのが普通だった。ビクトリア朝中期までは、あなたが購入する店が正直でゴミを取り除く人‘garbler’がいればラッキーだった。彼らは胡椒などの製品に砂利や葉っぱ、埃や小枝が入っていないかどうかチェックしていた。しかしこの検査は視覚を頼ったもので、どんなに目が良くてもパンに入ったチョークや砂、ワインに加えられた鉛を検出することはできなかった。
それから我々ははるかに進歩し、今や科学が食品の安全の中心にある。例えば最近公的検査機関では食品の詐欺や誤表示を検出するために5つのDNA法(魚の種の同定、肉の種類、野生動物の肉、バスマティ米、オレンジジュースへのミカンジュースの混入)を採用した。特に魚の同定は成功していて詐欺を告発している。
あまり広く知られていないことは、公的検査機関のスタッフの多くが分子生物学者ではなく分析化学者だったため、DNAベースの検査の採用には、相当な知識移転が必要だったということである。FSAの食品真正性計画(現在はDefraが担当)が資金を提供した知識移転をレビューしたWoolfeとGurung と Walkerによる「分析化学者は分子生物学ができるか?英国の公的食品コントロールシステムのDNA食品真正性技術のスキルアップ調査」がFood Control, 33, 385-392に発表された。(Defraのウェブサイトにあるhttp://randd.defra.gov.uk/Default.aspx?Menu=Menu&Module=More&Location=None&ProjectID=17627&FromSearch=Y&Publisher=1&SearchText=FA0102&SortString=ProjectCode&SortOrder=Asc&Paging=10#Description)それによると知識移転により公的検査機関の分子生物学能力は22%から69%に増加した。この技術が最近のウマ肉問題でも活躍した。
160年前には最先端の食品詐欺はチョークや石膏を小麦粉に混ぜることだった。今は食品安全に関わる科学者がDefraやFSAで詐欺ではなく安全のために活躍している。
食品や飲料への異物混入に関する法は150周年を記念した小冊子に詳細がある
150 years of the APA
http://www.publicanalyst.com/about_us/publications/