食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 2型糖尿病における強力なライフスタイル介入の心血管系影響

Cardiovascular Effects of Intensive Lifestyle Intervention in Type 2 Diabetes
The Look AHEAD Research Group
June 24, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1212914
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1212914?query=featured_home
2型糖尿病をもつ肥満または過体重のアメリカ人5145人に、体重を減らすためのカロリー制限や運動などの強力なライフスタイル介入を行った。フォローアップ期間は中央値で9.6年。介入群での体重減少は有意に大きかった(1年で8.6% vs. 0.7%; 研究終了時に6.0% vs. 3.5%).。主要アウトカムである心血管系疾患及び心血管系疾患による死亡は、介入群で403、対照群で418(1.83 および 1.92 イベント /100 人年、ハザード比 0.95; 95% 信頼区間, 0.83〜 1.09; P=0.51).だった。つまり減量を主目的にした介入は2型糖尿病の過体重または肥満の成人において心血管系イベントを減らさない。
エディトリアル:ライフスタイルの変更は糖尿病の重大なアウトカムを減らすか?
Do Lifestyle Changes Reduce Serious Outcomes in Diabetes?
Hertzel C. Gerstein, M.D.
June 24, 2013DOI: 10.1056/NEJMe1306987
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe1306987
糖尿病のケアには古代から運動と食事制限が薦められてきた。現代では「ライフスタイルの変更」が公式に薦められている。この助言は生理学的研究、臨床経験、観察試験、血糖値や血圧や脂質などの減少を調べた無作為対照化試験などで支持されてきた。しかし多くの研究は比較的短期間で、糖尿病の重大な合併症に対するライフスタイル介入の長期前向き試験はなかった。
大規模無作為対照長期影響を調べたLook AHEAD研究の主要結果が報告された。介入により体重を減らすことには成功したが心血管系アウトカムには影響がなかった。中間解析でこれ以上続けても違う結果が出る可能性はなさそうだと判断され試験は中断された。
介入群の方が全てのリスク要因などで好ましい数値を示したが有意ではなかった。
(体重減少や運動が、最初の1年は差が大きいのにだんだん差が無くなっていって、終わりの頃は94kgと97kgくらい。これでは差がつかないだろう)

  • 8つの有害食品:ほんのすこしの化学教育

Eight Toxic Foods: A Little Chemical Education
June 21, 2013
Derek Lowe
http://pipeline.corante.com/archives/2013/06/21/eight_toxic_foods_a_little_chemical_education.php
「Rich Food Poor Food」(著者らは統合医療関連団体の資格を持っている人たち)という本がネタ元になっているらしい「8つの有害食品」というBuzzFeedの記事にDerek Loweが反論している記事。
(日本だと「買ってはいけない」を取り上げる投稿型ニュースサイトの記事に化学ブロガーが間違いを指摘している、という感じ)
合成色素は石油から作られていて脳腫瘍や神経細胞の破壊や多動の原因となる、というような主張に反論

その後
Eight Toxic Foods: The Aftermath
June 24, 2013
http://pipeline.corante.com/archives/2013/06/24/eight_toxic_foods_the_aftermath.php
記事が注目されてページビューが急増
コメントがたくさんついている
どこも同じ

  • 風力や太陽光発電の利益は立地により阻害されている可能性がある

Natureニュース
Location may stymie wind and solar power benefits
24 June 2013
http://www.nature.com/news/location-may-stymie-wind-and-solar-power-benefits-1.13258
グリーンエネルギーの健康や気候へのメリットは、最も風が強いあるいは日当たりの良い地域ではしばしば最も低い
PNASには票された研究によると、風力や太陽光発電などの再生可能エネルギー施設が作られている地域は米国では主に最も風が強いあるいは日当たりの良い地域であるが、そこは必ずしも社会的・環境的にメリットのある地域ではない。石炭火力発電を置き換える場合には二酸化炭素や大気汚染物質の排出を抑制する効果があるが、より環境によいガス発電を置き換える場合にはメリットが小さい。