- ヨーロッパ17コホートにおける大気汚染と肺がん頻度：ESCAPE前向き解析
Air pollution and lung cancer incidence in 17 European cohorts: prospective analyses from the European Study of Cohorts for Air Pollution Effects (ESCAPE)
Ole Raaschou-Nielsen et al.,
The Lancet Oncology, Volume 14, Issue 9, Pages 813 - 822, August 2013
312 944人の4 013 131人年のデータで、平均12.8年のフォローアップ期間に肺がんは2095例、肺がんとPM10に統計学的に有意な関連があった(ハザード比 [HR] 1•22 [95% CI 1•03—1•45] per 10 μg/m3).。PM2.5についてはHR は 1•18 (0•96—1•46) per 5 μg/m3
エディトリアル
我々の汚染された空をきれいにしよう
Cleaning our polluted skies
The Lancet Oncology, Volume 14, Issue 9, Page 787, August 2013
ESCAPE研究ではこれまで安全とみなされていた粒子状物質濃度以下でも肺がんリスクが増加することが示された。さらなる努力が必要である。
コメント
大気汚染：もう一つの肺がんの原因
Air pollution: another cause of lung cancer
Takashi Yorifuji, Saori Kashima
The Lancet Oncology, Volume 14, Issue 9, Pages 788 - 789, August 2013
（基本的に「ものを燃やす」ことが汚染源。タバコはいわずもがな、火山や自然発火から発電、ゴミ消却、自動車排ガス、暖房や調理、お香など全てにリスクがある）
- 乳児の授乳と3、7才時点での子どもの認知機能 母乳のみを与える期間の影響
Infant Feeding and Childhood Cognition at Ages 3 and 7 Years
Effects of Breastfeeding Duration and Exclusivity
Mandy B. Belfort, et al.,
JAMA Pediatr. 2013;():-.
http://archpedi.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1720224
1999年から始まったアメリカでの前向き研究(Project Viva)。社会的地位や母親の知能、環境を補正した後、母乳を与える期間が長いことと3、7才時点での子どもの知能の高さに関連がある。
エディトリアル
Breastfeeding and Cognition
Can IQ Tip the Scale?
Dimitri A. Christakis
http://archpedi.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1720223
計算上1年間母乳で育てた場合、全く与えない場合に比べてIQ 4ポイント分差がつくことになる。これは個人レベルではほとんど意味がないが社会全体としては意味がある。逆にいうと母乳を全く与えないことのデメリットは血中鉛濃度の10 microg/dLの上昇に相当する。鉛の削減には多くのお金と努力が払われていることを考えると、母乳で育てやすい環境を作ることにもそれなりの対策をすべき。
