- 妊娠女性はコーヒーを飲むな？
No Coffee for Pregnant Moms?
2013-08-07
http://news.sciencemag.org/2013/08/no-coffee-pregnant-moms
妊娠を告げられた女性がしばしば最初に質問することは「私はコーヒーやカフェイン入り炭酸飲料を飲んでもいい？」である。一般的に妊娠女性は、少量のカフェインが胎児に悪影響を与えることはないと結論した2010年のレビューにそって1日にコーヒーは1-2杯に留めておくように助言される。しかし新しいマウスの実験では大量のカフェインは記憶に障害を与え発作のリスクを増やす。著者らはこれはヒトでの実験ではないことを注記しているが、この研究は世界で最も良く使われている向精神薬にさらなる研究を促すかもしれない。
雌マウスの飲料水に妊娠する15週前からヒトが3-4杯のコーヒーを飲んだ場合と同じ程度の血中濃度になるようにカフェインをいれた。苦い味に慣れるのに1-2日かかるが、授乳中まで飲み続けた。生まれたマウスの脳のスライスを調べると生後6日の海馬のGNBAニューロンが41%少なかった。数ヶ月後には対照群と差がなかったことから、GABAニューロンの到着が遅いことが示唆される。Science Translational Medicineに発表された。
（ビスフェノールAとかで大騒ぎされているより明確な影響ではある。）
- 何故あなたはインターネットのコメントを信じるべきではないのか
Why You Shouldn’t Trust Internet Comments
2013-08-08
http://news.sciencemag.org/technology/2013/08/why-you-shouldn%E2%80%99t-trust-internet-comments
「みんなの知恵」はインターネットエイジの真言となっているが、新しい研究はオンラインでの点数は必ずしも最良の選択を導かないことを示唆する。ウェブユーザーの大規模試験でネットの評判は不合理な群衆行動に極めて影響されやすく、そしてその群の動きは操作できる。
- よく使われるハーブサプリメントががんと関連
Common Herbal Supplement Linked to Cancer
2013-08-08
http://news.sciencemag.org/health/2013/08/common-herbal-supplement-linked-cancer
多くの人が健康のためにハーブサプリメントを使っている。中国では漢方薬への信頼が強いため薬局で近代的医薬品と並べて未加工の生薬を販売している。しかしある種のサプリメントには喫煙と同じくらいの発がん性のある成分が含まれることを2つの新しい研究が発見した。
問題の成分はウマノスズクサAristolochiaに含まれるアリストロキア酸で、中国では漢方薬として何百年も使われてきた。今日ではサプリメントによく使われている。一つの研究では1997年から2003年の間に台湾人の1/3が漢方医からウマノスズクサを処方されていた。
このハーブについての警告は1990年代からあり、ベルギーで数十人の女性が意図せず使用してそのうち何人かが重症腎不全になったことがLancetに1993年に報告されている。その後まもなくドナウ川の地方で収穫の時にウマノスズクサの種子が混入して腎障害が発生することが報告されている。2001年にはFDAがアリストロキア酸含有サプリメントを使用しないよう警告している。2003年までには台湾を含む多くの国が使用を禁止している。IARCはアリストロキア酸をグループ1の発がん物質に分類している。
しかしそのようなサプリメントは今でも漢方医やインターネットで入手できる。
Science Translational Medicineに発表された論文ではウマノスズクサを使用していて上部尿路がんになった台湾人患者9人の組織の遺伝子配列を調べ、最大1500の変異遺伝子を見つけた。これは喫煙者の肺がんや紫外線による皮膚がんの組織でみつかったものより多い。このチームの科学者の一人は肝臓がんで極めてよく似た遺伝子指紋をみつけており、アリストロキア酸が肝臓がんにも関連する可能性を示唆した。
もう一つの論文では別のグループが同様の結論に達している。19人の台湾人がん患者の組織の遺伝子配列を調べて、ウマノスズクサを使用しないで上部尿路がんになった患者の変異パターンはアリストロキア酸使用者と同じではない。
・Genome-Wide Mutational Signatures of Aristolochic Acid and Its Application as a Screening Tool
Song Ling Poon et al.,
Sci Transl Med 7 August 2013: Vol. 5, Issue 197, p. 197ra101
・Mutational Signature of Aristolochic Acid Exposure as Revealed by Whole-Exome Sequencing
Margaret L. Hoang et al.,
Sci Transl Med 7 August 2013: Vol. 5, Issue 197, p. 197ra102
