食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 砂糖入り飲料摂取と青少年の心メタボリックリスク要因の前向き関連

Prospective associations between sugar-sweetened beverage intakes and cardiometabolic risk factors in adolescents
Gina Leslie Ambrosini, et al.,
Am J Clin Nutr August 2013 vol. 98 no. 2 327-334
http://ajcn.nutrition.org/content/98/2/327.full
オープンアクセス
西オーストラリア妊娠コホート研究の1433人の青少年データを用いた。14才と17才で砂糖入り飲料の摂取量やBMI、血圧、血中脂質、グルコースインスリンなどを調べた。砂糖入り飲料の平均摂取量は335g/dまたは1.3回/dであった。14才から17才の間に摂取量が増えた少女はBMIが増加し心メタボリックリスク要因が大きくなった

  • レストランで提供される砂糖入り飲料の上限サイズを473-mLに設定することのカロリー効果

Caloric effect of a 16-ounce (473-mL) portion-size cap on sugar-sweetened beverages served in restaurants
Y Claire Wang and
Seanna M Vine
Am J Clin Nutr August 2013 vol. 98 no. 2 430-435
NHANES 2007–2010の食事記録を解析し、制限が影響する子どもは全体の7.2%、制限によって減るであろうカロリー摂取量は2-19才で57.6 kcal。

Berkeley wellness
Be Well: A Caffeine & Stroke Link?
by Keng Lam | August 12, 2013
http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/be-well-caffeine-and-stroke-link
最近韓国の研究者が雑誌Strokeに、カフェイン含有医薬品と脳卒中の関連を発見したという研究を発表した。しかしコーヒーカップを下ろす前にこの研究について吟味してみよう。
これは合計2820人の症例対照研究である。940人の非外傷性脳出血患者、940人の他の病気による入院患者、940人の入院していない人に風邪薬や鎮痛剤などのカフェイン含有医薬品の使用歴を尋ねた。その結果脳卒中患者は他の2つのグループに比べて入院前にカフェイン入り医薬品を2倍以上使用していた。この研究の強みは数の多さと脳出血をCTとMRIで確認していることである。弱点はこの種の研究に内在する思い出しバイアスなどがある。特に脳出血の症状の一つが頭痛であるため、脳出血前に薬を飲んだとこたえた人が実際は脳出血が起こってから薬を飲んでいる可能性がある。おもしろいことに毎日コーヒーを飲んでいる人の方があまり飲まない人より脳卒中リスクが低かった。
他の多くのカフェイン関連研究同様、この研究は得られた答えより多くの疑問を生じさせた。さらなるデータが出るまで、適量のお茶やコーヒーから摂るカフェインについては心配する必要はないだろう。
Caffeine-Containing Medicines Increase the Risk of Hemorrhagic Stroke.
Lee SM et al.,
Stroke. 2013 Aug;44(8):2139-2143. Epub 2013 Jun 6.

  • ノー、GMOトウモロコシを恐れる必要はない

Slate
No, You Shouldn’t Fear GMO Corn
By Jon Entine|Posted Wednesday, Aug. 7, 2013
http://www.slate.com/articles/health_and_science/science/2013/08/can_gmo_corn_cause_allergies_don_t_believe_elle_s_scary_story.single.html
いかにしてElleはGM食品についての話をしくじったのか
New York Timesの尊敬すべき科学ジャーナリストAmy Harmonが数週間前にGMO議論に参加し、フロリダのオレンジの危機とバイオテクノロジーの可能性を論じた素晴らしい記事を書いた。ただこれでGMO食品への見方が変わるとも思えない。世界中の主要科学規制機関がGM食品は通常の食品やオーガニック食品と変わらないと結論していても一般の人々は疑っている。新聞の調査では37%がGMOを心配だと回答している。
このような恐怖の見解はポピュラー雑誌やウェブで繰り返される。雑誌Elleは「悪い種子:遺伝子組換えトウモロコシの健康リスク」という長い記事を掲載した。この話の主人公Caitlin Shetterlyは何年もの間頭痛や疲労、手のこわばり等に苦しんでいて医者を転々としていた。そしてParis MansmannのところでGMトウモロコシを食べたことが原因の好酸球増加症と結論された。これは普通でない診断なので私(Jon Entine)はMansmann医師の自宅とオフィスに問い合わせをしたが回答は得られなかった。Shetterlyによると医師は全てのトウモロコシを食べるなと指示し、数ヶ月で彼女の症状は静まった。感動した彼女はこの話を広めようと決心した。Shetterlyは多くの科学者にインタビューし彼女の主張を支持する科学者の名前もあげているが、私が直接連絡をとるとShetterlyは彼らの言ったことを間違ったふうに使っているとのことだった。
(以下長い詳細な追跡)調査結果をShetterly やElleの編集部に伝えたが返事はない