食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 科学者はゴールデンライスの野外試験破壊を非難

ScienceInsider
Scientists Condemn Destruction of Golden Rice Field Trial
2013-08
http://news.sciencemag.org/plants-animals/2013/08/scientists-condemn-destruction-golden-rice-field-trial
先週のフィリピンでの野外試験の活動家による破壊行為を非難するオンライン署名に数日で2000ほどの署名が集まった。5000を超えたら政策決定者に声明を送るとしている。
Change.orgで署名募集中
http://www.change.org/petitions/global-scientific-community-condemns-the-recent-destruction-of-field-trials-of-golden-rice-in-the-philippines
(現時点で2000は超えている)

  • AHAとキャンベルが「心臓に優しい」認証で消費者を騙したと訴えられる

Food Product design
AHA, Campbell Soup Accused of Duping Consumers with Heart Certification
http://www.foodproductdesign.com/news/2013/08/aha-campbell-soup-accused-of-duping-consumers-wit.aspx
米国心臓協会(AHA)によるキャンベルスープの認証は、消費者にこの製品を栄養ガイドラインに沿ったものだと間違って信じさせる詐欺だという集団訴訟ニュージャージーの裁判所でおこされた。
AHAのハートチェックマークがついたキャンベルのスープを1缶たべると、実際にAHAが認めている量のナトリウムの7倍摂ることになるとしている
(AHAのハートチェックマークは1食あたりのナトリウムが480mg(食塩で1.2g程度)以下の場合につけられる。一方でAHAでは「低ナトリウム」という言葉の定義を1食あたり140 mg以下ともしている。キャンベルのスープは1缶で2食分で、ナトリウムは820 mgとのこと。なおAHAは1日のナトリウム摂取量は1500 mg(食塩で3.8 g程度)以下を推奨)

  • 雑誌ELLEの不手際なGMO報道についての論争が深まる

Forbes
Elle Magazine's Bungled GMO Reporting Controversy Deepens
Jon Entine, 8/14/2013
http://www.forbes.com/sites/jonentine/2013/08/14/elle-magazines-bungled-gmo-controversy-deepens/
New York Timesには編集の間違いを正すためのフルタイムパブリックエディターという独自のポストがある。例えば2年前、Ian Urbinaが科学について間違った提示をして特定の立場を支持する記事を書いたとき、パブリックエディターは1ヶ月の間に2度もIan Urbinaと編集者を叱り、その後多くの議論を経て記事は修正されUrbinaは配置換えされた。
しかし問題のライターがフリーで編集者が間違いの指摘を無視したら?それがELLEのGMOについての記事でおこっていることである。先週Slateに書いた記事(http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20130813#p5)に1800以上のコメントがつき、フェイスブックツイッターで6400回以上引用された。多くはJon Entine を支持するものだったが、ELLEの編集者が無記名で反応し、この記事は著者の見解を述べたものであると記事を擁護した。

Ginkgo Biloba: A Cancer Link?
by Berkeley Wellness | August 15, 2013
http://www.berkeleywellness.com/supplements/herbal-supplements/article/ginkgo-biloba-cancer-link
人気のある漢方薬イチョウは循環器系疾患や認知機能の問題、認知症予防用と宣伝されている。利益があるというしっかりした根拠がないにも関わらず、脳や記憶用という無数のサプリメントイチョウ抽出物が使われている。
血液凝固抑制剤を使用しているヒトにとっては問題となる出血リスク以外は重大な副作用は無いようだった。しかし新しい政府の毒性研究でイチョウ抽出物は齧歯類にがんを作るという「一貫した」根拠がみつかった。実験動物に大量に投与した場合の影響がヒトでおこるとは限らないが、そのような毒性試験はがんリスクを評価する場合の根幹であり、少なくとも警告信号である。
イチョウの効果を調べる研究でがっかりする結果しか得られていないこととあわせて、イチョウを含むサプリメントは避けるのが賢明であろう。

  • 湿疹に月見草とボラージオイル?

Evening Primrose & Borage Oils For Eczema?
by Berkeley Wellness | August 15, 2013
http://www.berkeleywellness.com/supplements/herbal-supplements/article/evening-primrose-borage-oils-eczema
月見草とボラージオイルは、通常カプセルで、根拠がないにもかかわらず、がんや関節炎、閉経期のホットフラッシュや糖尿病など何にでも効くと宣伝されている。特に湿疹などの皮膚症状用に宣伝されている。どちらの油もガンマリノレン酸が多い。
最近のコクランレビューでは1600人の27研究を評価しプラセボと同じ程度でありさらなる研究は「正当化し難い」と結論した。また月見草オイルには血液凝固阻害作用がある可能性があり出血リスクを高くするかもしれない。