食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • コルクの匂いのするワインはあなたの鼻に栓をする

ScienceNOW
Corked Wine Plugs Up Your Nose
2013-09-16
http://news.sciencemag.org/chemistry/2013/09/corked-wine-plugs-your-nose
コルク臭の主要因である2,4,6-トリクロロアニソール(TCA)について、日本の研究者らがTCAを直接嗅いでいるのではなくTCAが嗅覚をブロックしているため、と結論した。PNASに発表。
TCAは極めて微量でコルク臭を生じる。大阪大学Hiroko Takeuchiらが脊椎動物で最も大きな臭細胞(ORCs)をもつサンショウウオからORCを単離し、細胞膜のカルシウム流入による電流を測定することでTCAは細胞膜のカルシウム透過性を刺激せず、逆に環状ヌクレオチド依存性(CNG)チャンネルを介して阻害することを見いだした。TCAは他の臭覚阻害剤の1000倍効果的にCNGチャンネルを阻害する。さらに20人のボランティアで二重盲検テイスティングを行い、TCAによるコルク臭は10 pptでも認識できることを確認した。
しかし何故微量のTCAが有効なのかは不明である。典型的ORCにはCNGチャンネルは約10万個あるが投与されたTCAの最小用量は細胞一個当たりたった600個である。
(安全性には問題ないのにやたら高感度なので結構やっかい。本当に桁違い。http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/kanshi/index-kanshi.html

  • ブタ堆肥はヒトMRSA感染と関連

Natureニュース
Pig-manure fertilizer linked to human MRSA infections
Sarah Zhang  16 September 2013
http://www.nature.com/news/pig-manure-fertilizer-linked-to-human-mrsa-infections-1.13752
畜産農場や堆肥を使っている畑の近くに住むことが抗生物質耐性感染率の高さと関連する
JAMA Internal Medicineに発表されたペンシルベニアでの研究。

  • 患者が他の患者に、ウェブの検証されていない治療法の危険性について警告

Sense about science
Patients warn other patients about the danger of untested cures on the web –
16 September 2013
http://www.senseaboutscience.org/news.php/343/patients-warn-other-patients-about-the-danger-of-untested-cures-on-the-web
患者たちが医療慈善団体とSense about scienceと協力して、ウェブや広告の「魔法の治療法」の宣伝を判断する助けとなるガイドを発表する。
「先駆的がん治療法」、新しい食事法、根拠のない幹細胞治療法などの大量の宣伝に曝されて、患者たちは「偽りの希望を追いかけ回し」続け、お金と心をすり減らし、健康への重大な有害影響のリスクを負っている。
ガイドについては以下
I've got nothing to lose by trying it
http://www.senseaboutscience.org/pages/ive-got-nothing-to-lose.html
ガイドのコピーは以下(PDF)
http://www.senseaboutscience.org/data/files/resources/136/Ive-got-nothing-to-lose_web.pdf
オンラインに溢れる宣伝、ニュースの誇大な見出し。
注意すべき項目としては
・誰かの体験談
・普通の医師が提供していない治療法
ナチュラルと宣伝
お金の被害だけでなく、感情の被害として、自分が騙されたと認めることが大きな損害になることを指摘。(「やってみて損はない」というのは嘘。サンクコスト。)
臨床試験の仕組み、信頼できる情報源も記載(当然英国の)

Gluten-Free Food Fad Gaining Momentum Among Marketers
By: E.J. Schultz Published: September 16, 2013
http://adage.com/article/news/gluten-free-food-fad-gaining-momentum-marketers/244174/
グルテンに真に過敏な人は僅かだが良いという評判につけ込む製品が多数
今年の販売額は42億ドル以上。
グルテンを避ける必要のあるセリアック病患者は300万人ほどの比較的小さい市場であるが、グルテンが体重増加から関節炎まであらゆる病気の原因だとみなす人々がたくさんいる。FDAグルテンフリー表示の定義を定めたこともあり、Packaged Facts は2017年には66億ドルに至るだろうと予想する。しかし食品産業アナリストのPhil Lempertはバブルは2年以内にはじけるだろうと予想する。グルテンフリー製品は高価なの(ブラウニーミックスではグルテンフリー製品が1オンスあたり38セント、通常のもの16セント)で、消費者が何のメリットもないことに気がついたらやめるだろう。グルテンフリーを購入している人たちのうちセリアック病患者はたった2%だけ。

  • 十代のラグビースターがオンラインダイエット錠剤に殺される

The Telegraph
Teenage rugby star killed by online diet pills
15 Sep 2013
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/law-and-order/10310834/Teenage-rugby-star-killed-by-online-diet-pills.html
将来を期待されたラグビーのスターがどうやって「脂肪燃焼」錠剤を手に入れたのか警察が捜査中
英国のトップ私立学校のAレベル学生、Chris Mapletoft 18才が、オンラインで広く販売されている簡単に痩せる有害化合物による最も若い犠牲者となった。2,4-DNPはヒト摂取用としての使用が禁止されているがインターネットでは広く販売されている。
彼は6月18日に病気になって同日死亡したが最初は髄膜炎だとみなされた。最初の死後解剖ではよくわからず、先週西ロンドン検視法廷で死因が2,4-DNP中毒であることがわかった。
2,4-DNPは1933年に痩身助剤として発売され5年後に副作用のため禁止された。この致死的薬物はインターネットで200 mg 2.20ポンドで購入可能で昨年3人の英国人が死亡している。