食品安全情報blog過去記事

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オメガ3の脳へのメリットに疑問

Doubt cast on the benefits of omega-3 for the brain
Thursday September 26 2013
http://www.nhs.uk/news/2013/09September/Pages/doubt-cast-on-the-benefits-of-omega-3-for-the-brain.aspx
Mail Onlineが「偉大なるスーパーフードに逆風」と主張し、「結局のところサーモンやナッツを食べても脳のパワーは保持されない」ことを科学者が示したことを示唆した。このニュースは2000人以上の高齢女性の研究に基づくもので、研究者らは血中オメガ3脂肪酸濃度と思考や記憶検査の成績について調べた。これらの検査は毎年数年間繰り返された。
その結果血中これら脂肪酸濃度の高い女性と低い女性に試験開始時に認知スキルに差はなく、思考のスピードの変化にも差はなかった。この研究には多くの問題がありその一つは血中オメガ3脂肪酸濃度は試験開始時の一回しか計っていないことである。時間とともに食生活やサプリメント血中濃度は変わる可能性がある。
オメガ3脂肪酸が認知機能を高めたり認知症などの予防になるというしっかりした根拠はほとんどない。オメガ3脂肪酸についての最も良いエビデンスは脳ではなく心臓についてのものである。Mailの主張はもともとコンセンサスがあったかのように受け取られるので誤解を招くものである。オメガ3が加齢による認知機能低下予防に役立つことが証明されたことはない。