食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

消費者向け情報 新しい計画で二枚貝の収穫が再開

Novel Program Restarts Clam Harvest
Page Last Updated: 10/21/2013
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm368533.htm
二枚貝の世界最大の漁場の一つが1990年に恐ろしいマリントキシン汚染により食べると死ぬことすらあるため閉鎖された。しかし今年、この地域のうちの大部分を占めるGeorges Bankとよばれるニューイングランド沿岸62マイル地域で、FDAがこのリスクを管理する新しいアプローチを採用したことにより漁が再開された。大きな要素の一つはFDAの科学者が漁師に海の二枚貝を、しばしば厳しい条件下で、洗練された科学的検査ができるように訓練したことである。
この計画により市販されるホンビノスガイの数は約二倍になりバカ貝(surf clams)は40%増えた。FDAの協力がなかったら、この数十億の資源は無駄になっていただろう。これは漁師にとっても消費者にとっても経済にとっても良いことだ、とシーフード産業コンサルタントDavid Wallaceは言う。
これは漁師と業界関係者と州の公務員と連邦政府の多くの関係者が協力して貝の収穫を可能にする新しい計画を作った話である。
この話の始まりは貝毒が検出されてGeorges Bankが一時的に閉鎖された1980年代後半に遡る。1990年代初めに短期間再開されたが貝による酷い病気の例が発生してまた閉鎖された。診断はAlexandrium algaeが作る毒素による麻痺性貝毒で、この有毒藻類は赤潮として知られてきた。食品の安全性確保を担当するFDAは、遠い海の上の全ての船に科学者を派遣することはできないし、貝を捕ってから港で検査するのは経済的に見合わない。1990年のGeorges Bank閉鎖は二枚貝業界にとって大きな打撃だった。2005年にはさらに赤潮の被害が広い地域に拡大した。二枚貝業界は解決のための時間とお金を使うことを決意し、州や連邦当局と協力しはじめた。何年もの研究と調査により2013年にFDAの新しい方法のもとで再開できた。この計画の中には、漁師が海の上で適切な検査を行うことも含まれる。
漁師が政府の若い科学者の講義を何日も受けられるだろうか、実験室で科学者が行うのさえ難しい検査を正確にできるのだろうか、などの多くの疑問があった。しかし信じられないくらいうまくいった。漁師は船で検査して正確で素晴らしいデータを出すことにプライドをもっている。
(検査は2009年にInterstate Shellfish Sanitation Conference (ISSC)に認可されたAbraxisキットを用いる。写真がある)