食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

FDAは加工食品のトランス脂肪をさらに削減するために対応

FDA takes step to further reduce trans fats in processed foods
Nov. 7, 2013
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm373939.htm
トランス脂肪摂取量を減らすことで数千人の心臓発作や死亡を予防できる
FDAは部分水素添加油(PHO)が食品に使用できるGRASではないとする予備的決定を発表した。追加データの収集と食品企業が製品の仕様を変更するのに必要な時間についての情報を得るために60日間のパブリックコメントを募集する。
FDA のMargaret A. Hamburg長官は、「有害な可能性のある人工のトランス脂肪酸の米国の摂取量はここ20年間で減ってきたが、現在の摂取量でもまだ公衆衛生上の懸念がある」と述べた。「この対応はアメリカ人をさらに守るための重要なステップである」
近年多くの食品製造業者が自主的にトランス脂肪の含量を減らしてきた。これによりアメリカ人のトランス脂肪摂取量は2003年の1日4.6gから2012年の約1gまで減少した。
官報
Tentative Determination Regarding Partially Hydrogenated Oils; Request for Comments and for Scientific Data and Information
78 FR 67169
https://www.federalregister.gov/articles/2013/11/08/2013-26854/tentative-determination-regarding-partially-hydrogenated-oils-request-for-comments-and-for

  • 消費者向け情報

FDAは加工食品のトランス脂肪を標的とする
FDA Targets Trans Fat in Processed Foods
11/07/2013
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm372915.htm
10年以上前からアメリカ人の食生活は消費者がトランス脂肪を避け企業が製品のトランス脂肪含量を削減することで変化し始めた。これはFDAが1999年に初めて栄養成分表示にトランス脂肪を表示するよう提案したことから始まった。この表示は2006年から発効した。
しかしながら加工食品の主要トランス脂肪摂取源である部分水素添加油(PHO)を使った食品はまだ多い。トランス脂肪は、動脈の内側に心臓発作の原因となる可能性のあるプラークができる冠動脈心疾患のリスク増加と関連する。CDCは食品中トランス脂肪のさらなる削減が毎年7000人の心疾患による死亡と20000件の心臓発作を予防できると推定している。
FDAの仕事のひとつはアメリカに供給されている食品が安全であることを確保することである。そのためPHOを摂取することに関連するリスクについてFDAはPHOはもはやGRAS(一般的に安全だと認識される)ではないという予備的決定を官報で通知した。この予備的決定が最終化された場合には、PHOはFDAの事前認可が必要な食品添加物となる。未承認添加物を含む食品は、米国の法により異物混入されたものとみなされるので、合法的に販売することはできない。
もしFDAがPHOをGRASではないと決定した場合には、合成の、工業トランス脂肪を食品に使用することはできなくなることを意味する、とFDA食品添加物部門の長であるDennis M. Keefe博士は述べる。FDAはこれにより中小企業にどのような影響があるか、最終決定された場合にはどうすればスムーズな移行ができるかについて意見を募集している。Keefe博士は、天然に肉や乳製品に含まれるため、トランス脂肪が完全になくなるわけではないことに注意する。また製造工程で生じるのは避けられないため完全水素添加油にも極微量存在する。
トランス脂肪とPHOについて
PHOはベーカリーや冷凍食品などのよくある多くの食品に使われている。1950年代から長持ちと風味の安定性向上のため広く使われるようになった。しかしやがて心疾患との関連を示す研究が発表され2002年のNASのIOM報告書ではトランス脂肪の摂取量とLDLコレステロールの増加に直接的関連を見いだした。2006年に食品にトランス脂肪を表示することが義務化されたが消費者はそれより早くFDAが最終規則を発表した2003年からトランス脂肪を含む食品を避け始めた。消費者に導かれる形で多くの食品製造業者は自主的にトランス脂肪を減らしたり除いたりしてきた。
しかしながらFDAの消費者安全担当官Mical E. Honigfortによると、トランス脂肪はまだクラッカーやクッキー、冷凍パイ、ベーカリー製品、電子レンジポップコーンのようなスナック、冷凍ピザ、スティックマーガリン、植物性ショートニング、コーヒークリーム、冷凍生地、すぐ使えるフロスティング(ケーキなどの飾り)などに含まれる。
GRASについて
連邦食品医薬品化粧品法の409条により、意図的に食品に添加されるあらゆる物質は食品添加物でありFDAによる市販前承認とレビューが必要であるがいくつか例外がある。この例外に「一般的に安全と認められるGRAS」物質があり、それらは意図される使用条件で資格のある専門家により一般的に安全と認められる。これまで最も広く使用されてきたPHOは食品企業により長くGRASとみなされてきた。企業はある成分の使用をGRASと判断した場合自主的にFDAに通知することはあるが市販前にGRAS通知を提出する法的義務はない。FDAが最終的にPHOをGRASでないと決定すれば、食品企業は食品にPHOを使用する前にFDAに認可されなければならない。
FDAは成分がGRASでないと判断すれば対応することができる。そしてこれが現在FDAが部分水素添加油について予備的に決定したことである。2013年11月7日に官報で告知し、60日間のパブリックコメントを受け付ける。
最終的にPHOがGRASでないと決定されれば、FDAと企業は最終的にPHOの使用を取りやめるための方法を探ることになる。これを適切に行うために、官報では食品企業がPHOの使用を段階的に中止するためにどのくらい時間がかかるかについての意見を求めている。
消費者がすべきことは?
それまでの間、平均的消費者は食品の栄養成分表を見て購入すべきである。飽和脂肪とコレステロールとトランス脂肪の量を検討するのが最良である。これらの全ての合計が少ないものを選ぼう。もし食品に「トランス脂肪ゼロ」と書いてあっても、成分表を見た方がよいだろう。現在の規制では一食あたり0.5g以下ならばトランス脂肪ゼロと表示できる。しかし原料に部分水素添加油が表示してあれば、微量のトランス脂肪は含まれるだろう。

トランス脂肪:次の重要な段階に踏み出す
Trans Fat: Taking the Next Important Step
By: Michael R. Taylor
http://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2013/11/trans-fat-taking-the-next-important-step/
食品安全近代化法の履行のために、FDAは公衆衛生保護のために効果的対応を執らなければならない。
我々の重要な役割のひとつは食品に添加される物質も含めて食品の安全を確保することである。もし既に食品に使用されているものが安全でないという根拠があれば、我々は公衆衛生保護のために対策する。これが現在人工トランス脂肪の主要摂取源である部分水素添加油について行っていることである。
(以下同じことなので略)