食品安全情報blog過去記事

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WiFiと脳腫瘍のリスク−専門家の反応

SMC
WiFi and brain cancer risk – experts respond
December 3rd, 2013.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2013/12/03/wifi-and-brain-cancer-risk-experts-respond/
ニュージーランドの圧力団体「安全なワイヤレス技術ニュージーランド協会」(別名電波塔をなくせ、SWTNZ)が政府にWiFiと関連するワイヤレス技術を使うことの健康影響について研究を行うことを求めている。この団体の代表である引退した心臓学者Dr Stuart Reubenは、現在ニュージーランドで認められている電磁波への暴露は脳腫瘍の原因となると主張している。記者会見でReuben博士は「もしこのまま子どもたちに電磁波暴露を続けさせたら多くの子どもたちが2-3年以内に白血病や脳腫瘍になるだろう」と言っている。彼らはInternational Journal of Oncologyに発表された携帯電話やコードレス電話の使用と脳腫瘍のリスクを調べた研究を引用している。この研究者は「この研究は携帯電話やコードレス電話の使用と脳腫瘍の関連についてのこれまでの結果を確認した。これらの知見はRF-EMFsが発がんのイニシエーションとプロモーションの両方に関与するという仮説を支持する」としている。この論文はWiFi装置については調べていない。
SMCは専門家の意見を集めた
国立放射線研究所の先のシニアアドバイザーでWHOのEMFプロジェクトへのニュージーランド代表で電磁場コンサルタントMartin Gledhill
問題は3つある
1) 携帯電話暴露とWiFi暴露は同じか?
2) 携帯電話の脳腫瘍の知見とSWTNZの主張する頭痛や吐き気は同じか?
3) 問題の論文と他の同様な研究の結果は?
プール解析では因果関係は支持されていない
他いろいろ反論
オークランド大学生物統計教授Thomas Lumley
International Journal of Oncologyの論文はラジオ派についてのものでWiFiについてではない。またテレビニュージーランドの「脳腫瘍」一般についての話は根拠が無く、この研究は非常に希で治療可能な良性の脳腫瘍の一種である聴神経腫についてのものである。携帯電話を使用する方の耳での聴神経腫のリスクが高いということは重要である。これがWiFiの脳腫瘍一般へのリスクを支持することにはならない。WiFi装置を耳に近づけて使うことはない。