- エディトリアル
もうたくさんだ：ビタミンやミネラルサプリメントにお金を無駄遣いするのはやめよう
Enough Is Enough: Stop Wasting Money on Vitamin and Mineral Supplements
17 December 2013
Eliseo Guallar et al., Ann Intern Med. 2013;159(12):850-851-851
http://annals.org/article.aspx?articleid=1789253
今号の3つの論文は慢性疾患の発症や進行に対するビタミンやミネラルサプリメントの役割について扱っている。他のレビューやガイドラインでも慢性疾患の一次予防あるいは二次予防のためのビタミンやミネラルサプリメントについては効果がないあるいは有害影響の可能性があるという結果になっている。サプリメントにはメリットはない、あるいは有害影響があるかもしれない、という根拠にも関わらず、米国人のサプリメント使用は増加している。ベータカロテン、ビタミンE、そして多分高用量ビタミンAサプリメントは有害である。他の抗酸化物質、葉酸、ビタミンB類、マルチビタミンやミネラルサプリメントは慢性疾患予防には効果がない
Oral High-Dose Multivitamins and Minerals After Myocardial Infarction: A Randomized Trial
17 December 2013
Gervasio A. Lamas et al., Ann Intern Med. 2013;159(12):797-805-805.
http://annals.org/article.aspx?articleid=1789248
二重盲検、プラセボ対照、2 x 2 要因、マルチセンター、無作為化試験(ClinicalTrials.gov: NCT00044213)
過去6週間に心筋梗塞を経験した50才以上の1708人を、経口28成分高用量マルチビタミンマルチミネラルまたはプラセボに割り付け、総死亡や心筋梗塞の再発、脳卒中などの時間を主要エンドポイントとした。年齢のメジアンは65才、18%が女性。フォローアップの中央値は55ヶ月、ビタミンの投与機関は31ヶ月。有意差無し。
Long-Term Multivitamin Supplementation and Cognitive Function in Men: A Randomized Trial
17 December 2013
Francine Grodstein et al., Ann Intern Med. 2013;159(12):806-814-814.
http://annals.org/article.aspx?articleid=1789250
二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験(ClinicalTrials.gov: NCT00270647)
65才以上の5947人の男性医師。12年以上の長期にわたるマルチビタミンは認知機能にメリットはない。
Vitamin and Mineral Supplements in the Primary Prevention of Cardiovascular Disease and Cancer: An Updated Systematic Evidence Review for the U.S. Preventive Services Task Force
Stephen P. Fortmann et al., Ann Intern Med. 2013;159(12):824-834-834
http://annals.org/article.aspx?articleid=1767855
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20131113#p1の件
- マルチビタミンにはほとんど利益はない
The Wall Street Journal
Multivitamins Found to Have Little Benefit
By Jeanne Whalen Dec. 16, 2013
http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304173704579262693876479358
医学雑誌が新たに2つの臨床試験の結果と同時に掲載したエディトリアルで、マルチビタミンには慢性疾患予防のメリットはなく、「避けるべきである」と、述べた。
世界のビタミン産業は巨大である。昨年の販売は2011年の3%増で少なくとも234億ドル。マルチビタミンについては142億ドル。2003-2006年の間にアメリカ人の約40%がマルチビタミンやミネラルを使用したことがある。
ビタミン業界はこのエディトリアルを批判して、昨年の、専門家が異常値だと考えるがんリスクが僅かに減った研究結果を指摘している。
例えば妊娠女性の葉酸や、アフリカの栄養不良地域でのマルチビタミンなどは利益がある。
他主要紙が報道している
