食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 緑茶を飲むと健康なヒトの血漿ナドロール濃度が大きく下がる

Green tea ingestion greatly reduces plasma concentrations of nadolol in healthy subjects
S Misaka, et al.,
Clinical Pharmacology & Therapeutics accepted article preview online 13 January 2014; doi:10.1038/clpt.2013.241
http://www.nature.com/clpt/journal/vaop/naam/pdf/clpt2013241a.pdf
ベータブロッカーのナドロール(降圧薬)30 mgに緑茶700 mL/日 14日間
Cmax とAUC0-48 が85.3%および 85.0%下がる (P <0.01)。腎クリアランスには変化なし。メカニズムとして小腸でのOATP(有機アニオン輸送ポリペプチド)1A2による取り込みを阻害している可能性(これはグレープフルーツジュースで知られている)
(お茶と降圧薬はGFJより併用する確率が高そう)

  • エディトリアル:神経性食欲不振症の治療

Treatment of anorexia nervosa
The Lancet Volume 383, Issue 9912, 11–17 January 2014, Pages 100
1888年にSir William GullがLancetに拒食症の少女の症例報告を発表し、「治療は3つの要素からなる−休息、あたたかさ、食べものを定期的に頻繁に食べること」と記述して120年以上たち、この病気の治療についての知識は進歩したがまだ疑問は残る。拒食症は精神疾患のなかで最も死亡率が高い。治療法の選択肢の一つに心理療法があるが、特定の心理療法に根拠のあるものはない。
今回Lancetに報告された二つの療法(focal psychodynamic therapy とenhanced cognitive behaviour therapy)の比較では、終了時のBMIについては差はなかった
コメント:神経性食欲不振症の治療における課題
The challenges of treating anorexia nervosa
Cynthia M Bulik
The Lancet Volume 383, Issue 9912, 11–17 January 2014, Pages 105–106

Focal psychodynamic therapy, cognitive behaviour therapy, and optimised treatment as usual in outpatients with anorexia nervosa (ANTOP study): randomised controlled trial
Stephan Zipfel, et al.,
The Lancet Volume 383, Issue 9912, 11–17 January 2014, Pages 127-137
(ちなみにこの試験の神経性食欲不振症患者の定義は18才以上女性BMI 15–18•5 kg/m2。
身長160cm・47 kgでここに当てはまるのだけれど、モデルになりたがる若い子にそれ以下を要求している。読者モデルブームなので親は要注意)