食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

オーストラリアにおけるミツバチの健康とネオニコチノイドの使用に関する概要報告書

Overview report on bee health and the use of neonicotinoids in Australia
February 2014
http://www.apvma.gov.au/news_media/chemicals/bee_and_neonicotinoids.php
APVMAはオーストラリアにおけるミツバチの健康に関する問題について、特にネオニコチノイド殺虫剤の使用について、広範なレビューを完了した。この報告書の作成にあたり、我々は幅広い関係者に意見を求めた。
助言と研究提案
この概要報告書はいくつかの提案を行っている。
次のステップ
この報告書ではAPVMAがとるだろう次のステップの概要についても述べている。
APVMAは現在の殺虫剤の試験法がミツバチやその他の授粉媒介者についての僅かな影響への懸念に適切に対応しているかどうかを調査する。また殺虫剤製品のミツバチ警告が一貫しているか適切であるかも調査する。
規制関係部署(特に環境省)と相談し詳細科学評価を実施中で、授粉媒介者への農薬によるリスクを減らすためのいくつかの規制の選択肢がある。選択肢の中にはネオニコチノイドの公式レビューや使用方法やミツバチ警告強化のラベルの見直しなどが含まれる
報告書本文
OVERVIEW REPORT - NEONICOTINOIDS AND THE HEALTH OF HONEY BEES IN AUSTRALIA
http://www.apvma.gov.au/news_media/docs/neonicotinoids_overview_report_february_2014.pdf
オーストラリアではミツバチは減少していない。そして殺虫剤は正しく使われなければ当然ミツバチに有害であるが特に問題になっていない。オーストラリアでは野生のミツバチコロニーが多く、授粉媒介における管理されているミツバチの役割はあまり重要ではない。
オーストラリアの養蜂業はハチミツ生産から授粉媒介に大きくシフトしてきている。ネオニコチノイドはもちろんミツバチにとって有害であるがそれは他の殺虫剤でも同じである。ネオニコチノイドはヒトに対する毒性が低いことなど多くのメリットがある。全体としてはネオニコチノイドの導入は農業環境リスクを減らすことになった。オーストラリアでは1990年代半ばからネオニコチノイドの使用は増加してきたがミツバチは減っていない。ただしミツバチの重要性は認識しているので研究状況の監視は続ける