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パントテン酸の食事摂取基準についての科学的意見

Scientific Opinion on Dietary Reference Values for pantothenic acid
EFSA Journal 2014;12(2):3581 [25 pp.]. 24 February 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3581.htm
欧州委員会からの要請を受けて、食品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA)はパントテン酸の食事摂取基準(DRVs)を導出した。パントテン酸コエンザイムA(CoA)とアシルキャリアタンパク質の成分であ水溶性のビタミンである。パントテン酸は至る所に存在し、欠乏はまれである。パントテン酸の必要量を導出するのに使用できる適切なバイオマーカーはない。パントテン酸摂取と健康影響について入手できるデータは極めて限定的で、パントテン酸のDRVs導出に使用できない。平均必要量と集団基準摂取量を導出するために入手できる証拠が不十分なので、適正摂取量(AI)が提案された。EUでは欠乏の兆候は全くなく現在の摂取量が適切だと考えられるので、いろいろな食事で観察されているパントテン酸摂取に基づいてAIを設定した。成人のAIは5 mg /日とした。妊婦にも適用される。授乳中の女性には、母乳からのパントテン酸損失を補うために7 mg/日のAIが提案された。6か月以上の乳児には、エネルギー代謝におけるパントテン酸の役割を考慮して相対成長率を使用し、各年齢集団の体重を参照して0-6か月の母乳だけで育てられた乳児のパントテン酸摂取から外挿し、3 mg /日のAIを提案した。EUで観察された摂取量に基づき、子供と青年のAIsはそれぞれ4 mg /日と5 mg /日に設定した。