食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 核の専門家−Robin Grimes教授とのQ & A

SMC
Nuclear expert – Q&A with Prof Robin Grimes
March 21st, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/03/21/nuclear-expert-qa-with-prof-robin-grimes/
福島から3年、放射能汚染の地域コミュニティやより広い環境への長期影響についてまだ質問される。原子力についての一般の人の態度やリスク認識は世界的に変化したが必ずしも同じ方向に、ではない。2011年の福島災害の時に公的助言を提供し、現在英国外務省主任科学アドバイザーである原子力専門家Robin Grimes教授が、気候変動の文脈で原子力について述べた。彼はウェリントンで開催される国立エネルギー研究所の年次エネルギー会議のスピーカーとしてニュージーランドを訪問している。
SMCは福島の教訓、原子力の将来、気候変動の文脈での原子力、ハザードとリスク、リスクについての人々の認識、廃棄物処理や技術革新、ニュージーランド原子力の関係などについてのジャーナリストの質問に答える非公式の懇談会を開催した。
(動画45分)

  • ニューヨーク市議会は新しいレストラン査察規則を開発し保健省は約25%罰金を減らす

NEW RESTAURANT INSPECTION RULES DEVELOPED BY NEW YORK CITY COUNCIL AND HEALTH DEPARTMENT WILL REDUCE FINES BY NEARLY 25 PERCENT
March 21, 2014
http://council.nyc.gov/html/pr/032114doh.shtml
新しいレストラン格付け規則に対して意見募集

  • 世界水の日

World Water Day
http://www.unwater.org/worldwaterday
3月22日。
3月21日に東京でキックオフ

  • 女性の水銀は減っている

Mercury in Women Dropping
Wellness Tip by Berkeley Wellness | March 20, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/mercury-women-dropping
EPAの新しい調査によると米国の出産年齢の女性の血中水銀濃度は2000年以降1/3低下した。これは水銀の少ない魚を食べるようにという助言に従う醸成が増えたためと考えられる。これは良い知らせである。魚の摂取量全体は減っていない。EPAFDAは出産年齢の女性にはサメ、メカジキ、キングマッケレル、アマダイを食べないように、ビンナガマグロも制限するよう助言している。

  • 昆虫食には大きなメリット

Bug Eating's Big Benefits
by Berkeley Wellness | March 20, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/bug-eatings-big-benefits
FAOの報告書によるとタンパク質の質に遜色はなく環境に良い。問題点は一部の昆虫は環境中有害物質を蓄積し、昆虫の採集や養殖、販売等には規制がない。

  • ヒトの鼻は1兆の臭いを検出できる

Natureニュース
Human nose can detect 1 trillion odours
20 March 2014
http://www.nature.com/news/human-nose-can-detect-1-trillion-odours-1.14904
鼻が知っていることは無限のようだ
Scienceに発表された研究によるとヒトは少なくとも1兆の臭いを区別できる。

ScienceNOW
Human Nose Can Detect a Trillion Smells
20 March 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/03/human-nose-can-detect-trillion-smells
(官能検査の必要性はなくならないわけで)

  • ハイリスク閉経後女性の乳がん予防のためのアナストロゾール(IBIS-II):国際、二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験

Anastrozole for prevention of breast cancer in high-risk postmenopausal women (IBIS-II): an international, double-blind, randomised placebo-controlled trial
Jack Cuzick et al.,
The Lancet, Volume 383, Issue 9922, 22–28 March 2014, Pages 1041-1048
乳がん化学予防:実際にはほとんど進歩していない?
Breast cancer chemoprevention: little progress in practice?
David A Cameron
Volume 383, Issue 9922, 22–28 March 2014, Pages 1018–1020
乳がんハイリスク女性3864人を対象に、非ステロイドアロマターゼ阻害剤アナストロゾールまたはプラセボを投与して5年の報告。乳がんの発症率は投与群1920人中40とプラセボ1944人中85とこれまでの類似研究同様であり、驚くべきことではないが乳がんあるいは全原因による死亡率には差がなかった。2002年のタモキシフェン化学予防試験で提示された課題がなにも解決していない。
(がん化学予防という考えはもう数十年の歴史があるのだけれど、ビタミンサプリメントの失敗を典型例として、これといった成果はみられていない。にも関わらず巷にはがん予防を謳った製品が溢れている)

  • ナチュラルヘルス製品モノグラフへの意見:伝統的中国医薬品成分

NHPD Monograph Consultation:Traditional Chinese Medicine Ingredients
Date: March 12 2014
http://www.badsciencewatch.ca/wp-content/uploads/2013/04/BSW-NHPCom-2014-Consultation-Submission-TCMI-March-12-20141.pdf
カナダの消費者保護団体Bad Science Watchナチュラルヘルス製品指令のもとでの“Traditional Chinese Medicine Ingredients (TCMI)”というタイトルのモノグラフについての意見募集に提出した意見
約400の成分がリストに含まれるが安全性や品質の根拠がばらばらでこれまで多く報告されている重大な異物混入や汚染リスクにも対応できていない

  • うんざりする伝言ゲーム:科学者、レポーター、評論家そして政治家

Scientific American blogs
A Tired Game of Telephone: Scientists, Reporters, Pundits and Politics
By Patrick Mustain | March 20, 2014
http://blogs.scientificamerican.com/food-matters/2014/03/20/a-tired-game-of-telephone-scientists-reporters-pundits-and-politicians/
2月にCDCがJAMAに2003-2004 と 2011- 2012の肥満の頻度についての研究を発表した。このなかで一部集団に統計学的に有意な変化が見られていた。60才以上の女性は肥満増加(31.5% から 38.1%)、2-5才の子どもは肥満が減少(13.9% から 8.4%)していた。この結果について著者らは「結果の解釈には注意が必要」としていた。しかし多分善意ではあるが間違った動機で、CDCの広報担当が著者らの注意を無視しでプレスリリースの見出しを「新しいCDCのデータは2-5才の肥満率に喜ばしい傾向を示す」とした。さらに最初のパラグラフでは43%も減少した(実際には39.5%)と書いた。これにメディアが飛びついた。Washington Post, Fox News,そして USA Todayが43%の数字を用い、New York Timesはさらに「小さいこどもの肥満率が10年で43%も減った」と書いた。疫学者Geoffrey Kabatが書いたForbesの記事だけが論文とプレスリリースが一致していないことを指摘した。
過剰な見出しの後に続く本文ではほとんどは著者による注意点の指摘はあった。ただ楽観的になる原因はあった。母子栄養計画では全脂肪乳を低脂肪に代えたりしていた。
しかしこれで終わりではなかった。Sharon Begleyが3月にReuterに書いた記事では肥満率にまったく改善の兆候はないとされている。2月のCDCの報道は改善の程度を過剰にしていたが全体的な傾向はポジティブであった。Begleyは何の変化もないとする。
43%も減ったということをミシェル・オバマ大統領夫人が引用し、大統領夫人がインチキ研究を引用したと批判されるという政治的問題にまでなっている。