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ミツバチの多様なストレス要因の統一環境リスク評価に向けて:欧州での研究プロジェクトレビュー、不足している知識と助言

Towards an integrated environmental risk assessment of multiple stressors on bees: review of research projects in Europe, knowledge gaps and recommendations
EFSA Journal 2014;12(3):3594 [102 pp.]. 13 March 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3594.htm
これはEFSA・加盟国(MSs)・欧州委員会(EC)が行った再調査したミツバチの健康に関する最新の研究をレビューした報告書である。データと知識に不足している部分を確認し、ミツバチの多様なストレス要因の統合環境リスク評価に向けた移行を促進するための研究助言を提供する。この報告書は6つの異なる科学ユニットの代表者を含むEFSAのミツバチ特別委員会(TF)が作成し、新興リスクに関する科学委員会(SCER)がまとめた。特別委員会は加盟国の専門家とECハチ運営サービスグループに助言を求めた。2013年5月、ミツバチの健康に関する科学会議を通してSCERが専門家の科学的意見交換を進展させた。レビューではEUレベル(EFSA, 19; MSs, 181; EC, 20)でミツバチの健康に関する合計220の研究プロジェクトと、ミツバチ問題の研究以外に焦点を当てた一般的側面を扱う他の国際的組織からの33のプロジェクトを確認した。得られたプロジェクトの量的評価により、ミツバチの多様なストレス要因に関する研究プロジェクトとミツバチ以外のハナバチに関する、特にモニタリングと検査に関する研究プロジェクトが無いことが明らかになった。EFSAのプロジェクトは主にミツバチの農薬リスク評価分野だった。ECレベルで資金を供給されたハチの巣の処置とミツバチの化学物質暴露に関する研究プロジェクトは少なく、保護目的に焦点を当てた加盟国レベルのハチの多様性と受粉などについての研究も同様である。得られたプロジェクトの量的評価はリスク評価のそれぞれの段階での不足している知見を明らかにし、これからのEFSAの科学的作業についてと2020年Horizonの枠組みで取り組まれるべき研究についての助言を導き出した。加盟国とECでの研究協力、計画、知識共有のためにさらなる助言が与えられた。EFSAレベルでミツバチの健康に関するさらなるコミュニケーション・内部の協調・訓練が示唆された。