食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 単純によく食べよう−2億5000万ポンドのジムサプリメント業界は働いていない

The Conversation
Just eat well – the £250m gym supplements industry isn’t working out
23 April 2014, Stuart Gray
http://theconversation.com/just-eat-well-the-250m-gym-supplements-industry-isnt-working-out-24748
私はジムやスポーツセンターで販売されているいろいろなスポーツ栄養製品にいつも驚かされる。いつ何時でも、ジムでトレーニングしている人たちが栄養ドリンクを飲んでいる。英国ではここ数年でスポーツ栄養市場が急拡大し、2012年には2億6000万ポンドになった。全ての製品に回復が早くなる、筋量が増える、脂肪を燃やす、健康を増進するといったような健康宣伝がされている。あまりにも多くのメッセージがあって人々は見分けがつかない。スポーツサイエンティストとして私はしばしばどれがいいのかと聞かれる。私の意見は一般的にサプリメントは必要なく、必要な栄養は適切な食事から摂るべきだというものである。
しかしこの答えは決して満足してもらえないので、以下にいくつかのよくあるサプリメントのデータについて示そう。プロのボディビルダー向けではなく、週に何回かトレーニングをするような人向けである。
プロテイン
プロテインを摂る最大の理由は筋量を増やすことである。しかし問題はどのくらいの量を、どの種類を、どのタイミングで摂るかである。最も良さそうなのは乳清タンパク質でカゼイン大豆プロテインサプリメントより70%以上早く吸収される。タイミングについては運動直後数分という主張がなされることがあるが大げさで、運動後24-48時間のようだ。量については最近の研究では80-85kgの若い男性は20gの乳清タンパク質で最適の結果になるようだ。それ以上は必要ない。
クレアチン
クレアチンは天然に赤身肉や卵や魚に含まれ、筋量増加や回復に役立つという科学的根拠はたくさんある。しかしクレアチンが運動パフォーマンスに効果があるという根拠はそれほどしっかりしたものではない。クレアチンは人体の水の貯蔵を増やし、体重を増やす。体重が重要なスポーツの場合筋肉へのメリットと相反し、全体としてはメリットはなさそうである。
ビタミン類
ビタミンは健康によいとみなされている。それは事実だが摂りすぎは健康にも運動にも逆効果になる。特に抗酸化物質として作用するビタミンCとEは運動への人体の適応を阻害することが示されている。最近の2つの研究で大量のビタミンC (1000mg/day)とE (267mg/day)を摂った人ではエアロビックフィットネスや運動機能が向上しなかった。この量は推奨摂取量の250倍と80倍であるが市販のサプリメントはこのくらいのものがある。大量のビタミンは運動によるメリットを減らしてしまう。
カフェイン
カフェインは普通トレーニング効果を出すためではなく運動時の成績を上げるために使われる。カフェインサプリメントは運動時の耐久性を高めるかもしれないがコーヒーでも同じ。
エネルギードリンク
炭水化物を含む飲料はエネルギーや水の摂取源として長く使われてきた。しかし近年短期の運動パフォーマンスを改善するかどうかには疑問が提示されている。2時間以上の強い運動時に使うのは役にたつだろうが短時間ではそれほどメリットはないだろう。さらに小さい子どもがほんの少し運動しただけでエネルギードリンクを飲むことに懸念がある。カフェインは小さい子どもには勧められない
その他サプリメント
現在の根拠からはメリットはない
サプリメントの汚染物質
最近の研究ではしらべたサプリメントの10%に禁止薬物が入っている。競技会なら薬物検査で失格になる懸念はもちろん、あなたの町のスーパーマーケットで販売されているサプリメントにも入っている可能性がある。
このことが我々を出発点に引き戻させる。栄養製品にはトレーニングに役にたつものもあるかもしれないがあまりにも多くの間違った情報があり、お金の無駄や運動への悪影響にすらなる。
もし質問が「トレーニングのためにどのサプリメントを摂るべき?」なら答えは簡単で「何も摂らない。運動と、バランスのとれた食事を楽しもう」。

  • UVネイルランプの使用に関連する皮膚がんリスクのさらなる調査

Further Investigation Into the Risk of Skin Cancer Associated With the Use of UV Nail Lamps
Lyndsay R. Shipp et al.,
JAMA Dermatol. Published online April 30, 2014. doi:10.1001/jamadermatol.2013.8740
http://archderm.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1862050
マニキュアの乾燥やキュアリングに使うUVランプの皮膚がんリスクについて

  • Natureのエディトリアルが日本の科学における不正行為について

Agency for change
30 April 2014
http://www.nature.com/news/agency-for-change-1.15120
考古学のゴッドハンド問題、東京大学Serkan Anilir教授問題、過去最高の論文取り下げ数を記録した麻酔科医、そしてSTAP細胞
(並べられると確かにひどい)