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国家残留物管理計画2012年及び輸入管理計画2012年の結果に関する評価報告書

Assessment report on the findings of the National Residue Control Plan 2012
and the Import Control Plan 2012
23 January 2014
http://www.bfr.bund.de/cm/349/assessment-report-on-the-findings-of-the-national-residue-control-plan-2012-and-the-import-control-plan-2012.pdf
国家残留物管理計画(NRCP)は肉・牛乳・ハチミツなど動物由来食品の好ましくない残留物質を監視するための計画である。さらに、輸入管理計画(ICP)に基づき、EU以外の国からの動物由来食品を監視する。
重金属、ダイオキシンなどの薬理活性のある物質や環境汚染物質については、動物由来の食品に超えてはならない最大残留基準(MRLs)及び最大濃度が設定されている。NRCP 及び ICP の一部としての食品管理の目的は、MRLs及び最大濃度が遵守されていることを検査すること、物質(たとえば、禁止されたり許可されていない薬理活性物質)の不適切使用を見つけること、そして残留物質や汚染物質濃度の増加原因を調べることである。この工程では、サンプリングはリスクに基づいている。
ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)は2012年NRCPの一部として連邦政府の公的管理研究室が検査した58998サンプル、また2012年ICPの1338サンプルからの知見を提示した。NRCPサンプルの350 (0.59 %)で、残留物質及び汚染物質の違反があった。2011年の結果(0.73%)より割合は低かった。ICPの1338サンプルのうちの8では残留物質及び汚染物質の基準値を超過していた。しかし、EU外の国から輸入した動物由来食品の基準値超過割合はわずかに減少していた。
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は2012年の(NRCP, ICP)結果のヒト健康リスクを評価した。多様な集団の暴露濃度を見積もるために、国家食事調査?のデータが使用された。このデータはあまり頻繁には食べない食品の消費頻度に関する調査からデータを補った。BfRは2012年の (NRCP, ICP)モニタリングで違反のあった薬理活性物質と汚染物質を含む、一度あるいはたまの消費は消費者へのリスクにならないと結論した。BfRの意見では、超過のある総数は低い。たとえば、 抗菌剤のMRLsを超えた割合はNRCPの0.09 %とICPの0.33 %のみである。
BfRの見解では、内臓・脂肪組織・筋肉の重金属と他の汚染物質の検出濃度は追加の健康リスクとはならない。2012年に検査された食品(NRCP, ICP)の鉛・カドミウム・水銀は最大濃度が超過していても、ドイツの人々にとって典型的な食習慣からの健康リスクは予期されない。だが、全ての食品、つまり動物及び植物両方、からの鉛とカドミウムの総摂取量が高いことは強調しなければならない。それゆえ、内臓及び他の動物の組織中のカドミウムと鉛の最大濃度超過は容認できない。ある種の重金属と有機塩素化合物(PCB及びダイオキシン)の濃度を最小限にするためにさらなる努力が求められる。