食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 背の低い男性は長生き:日本人を祖先にもつアメリカ人男性の身長と寿命とFOXO3遺伝子型の関連

Shorter Men Live Longer: Association of Height with Longevity and FOXO3 Genotype in American Men of Japanese Ancestry
Qimei He,et al.,
May 07, 2014
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0094385
ホノルル心臓計画/ホノルル-アジア加齢研究(HHP/HAAS)の日系アメリカ人8003人の40年以上の観察研究。身長と全原因での死亡率に正の関連(RR = 1.007; 95% CI 1.003–1.011; P = 0.002)があり、交絡要因の補正後もあまり変わらない(RR = 1.006; 95% CI 1.002–1.010; P = 0.007)。さらに身長は全てのがんによる死亡率と喫煙と関連しないがんの死亡率に正の関連がある。FOXO3遺伝子型(SNIP)の長寿タイプは身長と逆相関。これまでの報告通り。
日系人なので日本人への妥当性は高いだろう。身長が高いとがんリスクが高いというのはかなり明確。そこで疑問なのは和食がいいとかいう説は単に日本人(アジア人)はもともと長生きなためである可能性があり、和食ではなく最適化すればもっと伸びるのでは、ということ)

  • カルシウムサプリメントは女性の心血管系疾患リスク増加と関連しない

Calcium supplements not associated with increased risk of cardiovascular disease in women
9-May-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-05/bawh-csn050914.php
Osteoporosis International.にオンライン発表されたナース健康研究の74245人のデータの解析結果。カルシウムサプリメントを使用する女性は使用しない女性より運動量が多く喫煙やトランス脂肪摂取量は少ない。24年間のフォローアップで、心臓発作は2709件、脳卒中は1856件あった。

  • 無気力を終わらせて25×25 NCD目標(2025年までに非伝染性疾患による70才までの死亡率の2010年比25%削減)を達成するために断固たる行動を

Decisive action to end apathy and achieve 25×25 NCD targets
Rifat Atun
The Lancet
Available online 2 May 2014

25×25 NCD目標を達成するための6つのリスク要因の寄与:モデル研究
Contribution of six risk factors to achieving the 25×25 non-communicable disease mortality reduction target: a modelling study
Vasilis Kontis et al.,
Available online 2 May 2014
主要4NCDである心血管系疾患、慢性呼吸器疾患、がん、糖尿病に寄与する6つのリスク要因(タバコ・酒・塩・肥満・高血圧・高血糖)の寄与について地域別に推定。最も効果的なのはタバコ対策、最も利益を享受できるのは低−中所得国。
(中−低所得国にタバコ販売を拡大している日本は最低)