食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 肥満で健康ということがあるか?

Can You be Obese and Healthy?
by Berkeley Wellness | May 09, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/diet-weight-loss/article/can-you-be-obese-and-healthy
もし肥満のヒトが代謝上健康であるなら−つまり望ましい血圧、コレステロール、血糖等−体重を心配する必要があるのだろうか?一部の専門家はノーという。しかしこの「罪のない肥満」という考えについての研究は一貫しておらず、いくつかの最近の研究では冷水を浴びせられている。
Annals of Internal Medicineのレビューでは代謝上健康な肥満成人は代謝上健康な正常体重成人より有意に心臓発作や脳卒中が多くあるいは早期に死亡した。代謝上健康で、肥満ではなく過体重であるならリスクは増加しない。一方で体重が正常であっても代謝上不健康な場合にはリスクは3倍になる。同様にJAMA Internal Medicineの大規模デンマーク人研究では過体重または肥満のヒトは代謝上健康であっても死蔵発作リスクが増加していた。代謝上不健康な場合は全ての体重で大きくリスクが増加した。
基本
JAMA Internal Medicineのエディトリアルで結論しているように、これらの知見は「代謝上健康であるならば体重が重いことの有害健康影響は取るに足らないものであるという一般的思いこみに反する重要な新しい根拠を提供する」。

  • バーモントは遺伝子組換え食品の表示を求める

Natureニュースblog
Vermont to require labeling of genetically modified foods
09 May 2014
http://blogs.nature.com/news/2014/05/vermont-to-require-labeling-of-genetically-modified-foods.html
バーモントが遺伝子組換えを用いて作った食品の表示を義務化する米国最初の州になる。
バーモント州知事Peter Shumlinが5月8日に署名した法律で、2016年7月からバーモント州で販売する食品は表示しなければならない。消費者団体等が祝っているが小売業協会は連邦裁判所に訴えると言っている。さらに先月Mike Pompeo議員が米国下院に遺伝子組換え食品が組換えでない食品と相当異なっている場合にのみ表示を要求することが認められる「安全で正確な食品法2014」を提案した。

SMC
Synthetic cannabinoid consequences – Prof Ian Shaw
May 12th, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/05/12/synthetic-cannabinoid-consequences-prof-ian-shaw/
カンタベリー大学のIan Shaw毒性学教授がPressに大麻の化学と依存についての速習講義と意見を発表した。その紹介。
薬物は動物で調べられるべき。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140507#p34関連
向精神薬の影響をvitroだけで判断するのは無理なのでは、と普通は考えると思う。しかしその科学の分野でのメジャーな見解が「動物かわいそう」という感情に負けるのが政治。)

  • 定着:ハワイのGMO政策に高まる声

Taking Root: A Rising Voice in Hawaii's GMO Politics
By Nick Grube and Anita Hofschneider
04/30/2014
http://m.civilbeat.com/articles/2014/04/30/21937-taking-root-a-rising-voice-in-hawaiis-gmo-politics/
4月16日にホノルルのGold Bondビルの11階に、ハワイの反GMO活動の中心であるCenter for Food Safetyが新しいオフィスを開いた。目的はハワイでの無責任な農薬使用と遺伝子実験を止めさせること。Center for Food Safetyはオーガニックや持続可能な農業を視する人たちから潤沢な資金を提供されたNPOである。彼らはGMOや農薬やその他の彼らがヒトや環境に悪いかもと心配する技術に反対する。国レベルではGMO食品の表示に圧力をかけている。多くの活動を法廷闘争と一般市民のGMOへの懸念をかき立てることに割いている。USDAが遺伝子組換えサーモンの認可を検討した時には反対意見を集め約200万件のコメントをUSDAに提出させた。彼らは非常に戦略的で米国でも最も見事な食品政治圧力団体である。カリフォルニアではGMO表示法案を通すために100万ドル以上を費やした。しかしバイテク企業や食品業者は4600万ドルを費やした。
現在Center for Food Safetyはハワイに注力している。ハワイはその気候から年に4回の収穫ができ、研究にとって有利でありハワイが世界の種子産生リーダーになることを可能にした。しかし人々が事実ではなく恐怖に基づいて(実験禁止の)投票をすれば実際の脅威となる、とハワイ作物改良協会の会長でシンジェンタのMark Phillipsonは言う。
Center for Food Safetyは1990年代に環境派の弁護士Andrew Kimbrellが設立した。
彼らはモンサントのような巨大企業が巨人兵のゴリアテで小規模農家や活動家が対峙するダビデとして描いてきた。しかし現在バイテク企業側はこの筋書きをひっくり返そうとしている。Center for Food Safetyのような団体はオーガニックやナチュラル食品を推進したいお金持ちから資金を得ていて、消費者団体を装ってはいるが彼らのやっていることは食糧を貧しい人も含めた全ての人に入手しやすくすることではなく、高いお金を払えるごく一部のエリート向けの製品を作らせることだと。
(いろいろ略)

  • 遺伝子をかき混ぜることによる作物の交配方法4つのインフォグラフィック−どれが規制されているのかを知ったら驚くだろう

Forbes
Infographic On 4 Ways To Breed Crops By Scrambling Genes -- You'll Be Surprised Which Ones Are Regulated
Jon Entine 4/30/2014
http://www.forbes.com/sites/jonentine/2014/04/30/infographic-on-4-ways-to-breed-crops-by-scrambling-genes-youll-be-surprised-which-ones-are-regulated/
何故科学者が作物の遺伝子組換えを1万年に渡るハイテク農業の最新の章に過ぎないというのか?あるいは遺伝子組換えが通常の交配に比べてより正確であるだけの方法だというのか?植物はヒトの手によらなくとも遺伝子を交換していてそれにより我々の祖先は農業に適した作物を作ってきた。
4つの方法は
伝統的交配、放射線や化学物質による突然変異誘発、RNA干渉、遺伝子組換え。
RNA干渉と遺伝子組換えでは変わる遺伝子は数個なのに対して他の方法ではわからない(ほど多数)。