食品安全情報blog過去記事

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その他

  • オーガニックに高いお金を払うのは農薬フリーを買っていることを意味しない

Science 2.0
Spending More For Organic Does Not Buy You Pesticide-Free
By Steve Savage(植物病理学) | May 12th 2014
http://www.science20.com/agricultural_realism/spending_more_for_organic_does_not_buy_you_pesticidefree-136141
有機農産物を買う理由はいくつかあるが、多くの消費者は残留農薬を避けるために買っている。しかしこの広い信仰は根拠がない。理由の1つは有機農法でも農薬は使われ残留農薬はあること、もうひとつはオーガニックに認められていない合成農薬がしばしば有機農産物から検出されていること、である。
「オーガニックで農薬を避ける」という神話を否定する必要があると私が感じる理由は、そのせいで多くの消費者が市場が信頼できないと感じ有機農産物にお金をたくさん使わなければならないという同調圧力を感じるからである。特にこの罪悪感は母親たちに強い。見え透いたメッセージは「あなたの家族の健康を本当に考えているなら、オーガニックにお金を使うのは当然よね」というものである。その結果、野菜や果物の総量が減ったり、罪悪感を感じるだけであっても、嘘情報が害をもたらすことになる。確かにどの農産物にも微量の残留農薬はあるが、どちらも野菜や果物をたくさん食べるメリットを楽しむことを止める理由にはならない。
(オーガニックで使用できる農薬とオーガニックから検出される禁止されているはずの農薬についての説明略)
残留農薬を気に病む必要はない、EWGの発表するリストは非科学的なものなので期にしないでたくさんのいろいろな野菜や果物を食べよう
有機農業部門はネガティブマーケティングを止めない限り社会に対しては害の方が大きい)

  • セリアック病ではないグルテン過敏症は存在しないかもしれない

REAL CLEAR SCIENCE
Non-Celiac Gluten Sensitivity May Not Exist
Posted by Ross Pomeroy May 14, 2014
http://www.realclearscience.com/blog/2014/05/gluten_sensitivity_may_not_exist.html
2011年にMonash大学の胃腸病学Peter Gibson教授は、セリアック病ではない患者にグルテンが消化管症状を誘発するという研究を発表した。二重盲検無作為対照試験であり、この研究はグルテンフリーフリーダイエットの流行にお墨付きを与えた。調査によると今やアメリカ人の30%がグルテンを減らしたいと考えていてグルテンフリー製品は2016年までに150億ドル市場、2013年の50%増、になると推定されている。
しかし多くの細心の研究者同様、Gibsonは最初の研究に満足していなかった。彼の研究は実際に患者のグルテンへの反応を引き起こしているのは何かについて手がかりとなるものは無かったし、他に制御すべきたくさんの変数があったから。結果の背景にある交絡要因があったら?彼はほとんどの栄養学の研究で欠けている、より厳密な試験で結果を再現しようとした。消化管症状を引き起こしそうなものは全て排除し尿や糞便も集めた。セリアック病ではないグルテン過敏症だと自主申告した37人の患者で、2週間低FODMAPs食を与え、それからグルテン16g(高グルテン)、グルテン2gに乳清タンパク質14g(低グルテン)、乳清タンパク質16g(プラセボ)を加えた食事を、何を食べているのかがわからないようにシャッフルして与えた。メインの試験のあとに、乳清タンパク質がプラセボに適しているかどうかを調べるための2番目の試験を行った。グルテン16g、乳清タンパク質16g、基礎食の3種類を3日ずつシャッフルして与えた。データを解析したところ、Gibsonグルテンを含むかどうかに関係なくどの食事であっても消化管症状を同程度に悪化させることを見いだした。痛み、腹部膨満、吐き気、おなら、の全てがベースラインの低FODMAPs(発酵するオリゴ、ジ、モノ−サッカリドとポリオールFermentable, Oligo-, Di-, Mono-saccharides And Polyolsの頭文字。腸内でガスができるので。)食より増加していた。さらに2番目の実験ではプラセボはベースライン食と同一だったにもかかわらず患者は症状が悪化した。このデータは明確にノセボ効果を示している。患者は明確な物理的原因は無く消化管の不快症状を報告する。グルテンが原因ではない。原因は心理的なものだろう。患者は食事により病気になることを予想し、そして実際に病気になった。この発見はGibsonに2011年の研究の結論と反対の結論を導いた。グルテンに特異的な反応は見つけられなかった。
さらに先週RCSが報告したように、低FODMAPs食はグルテン不耐患者の不快症状が改善したと報告したのである。現時点ではセリアック病ではないグルテン過敏症が存在するという根拠はない。現在のグルテン過敏症増加は科学的研究によるのではなく消費者と商業的関心によるものである。

  • 10才の娘のがんをクレイとハーブティーで治療しようとした母親が調査に自分の決定は正しかったと言う

Mail Online
Mother who treated her 10-year-old daughter's cancer with clay and herbal tea breaks down during inquest saying she stands by her decision to choose herbal remedies over chemo
15 May 2014
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2628945/Mother-says-thought-state-child-away-refused-let-chemo.html
Tamar Jemima Stitt 10才は2009年に肝臓がんと診断され両親がクレイラップやタンポポ茶などの自然療法で治療することを選んで3か月後にエルサルバドルで死亡した。
娘に化学療法を受けさせないためにパースに逃亡した母親Arely Stittは、その判断は正しかったと木曜日に証言した。もし化学療法を受けさせずに自然療法を続けていれば娘は治ったと信じている。審問は続く。

Herald Sun
Victorians, Napthine slam push to make Melbourne a smoke-free city
May 15, 2014
http://www.heraldsun.com.au/news/victoria/victorians-napthine-slam-push-to-make-melbourne-a-smokefree-city/story-fni0fit3-1226918033208
Richard Foster議員らを先頭に世界初の完全禁煙都市にするという強い意向

  • チョコレートミルク戦争

The Chocolate Milk Wars
by Keng Lam | May 15, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/chocolate-milk-wars
近年多くの学校で学校給食の改善の動きがあり、野菜を多くしカロリーの高い食品を減らしている。一部の学校はメニューからチョコレートミルクを排除した。
このことは全ての人に歓迎されているわけではない。New York Timesに記事を書いているMark Oppenheimerはこのいわゆる「サディスティックカフェテリア実験」の影響を調べた研究を引用して「チョコレートを飲ませてやろう」とblogに書いている。この研究はオレゴンの11の小学校でチョコレートミルクを排除して代わりにただのミルクを提供したところ何が起こったのかを調べたものである。Oppenheimerは学校が生徒の行動を過剰にコントロールしている例だという。彼は社会が若者に適量を教える代わりに砂糖入りシリアルやアイスクリームなどを奪いすぎているともいう。でもちょっと待って欲しい。学校がゆっくりより健康的な方に動いていても、米国の肥満率は高いままで多くの子どもが健康的食品へのアクセスがなく子どもたちは運動不足である。多くの場合学校給食だけが子どもの摂って健康的な食事の機会であるので、健康的なものにするのは意味がある。
もちろんたまにチョコレートミルクを飲んだりハンバーガーを食べたからといって害はない。しかし30%近くの若者は既に週に3回以上ファストフードを食べていて家庭で子どもに与えられる食事は肥満に寄与するものになっている。だから学校ではもうこれ以上いらない。
(そもそも低脂肪乳にするから美味しくなくてチョコレートミルクになるわけで。)