食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

植物中毒、ヒツジ オーストラリア: (WA) swainsona(ダーリンピーズ)

Plant poisoning, ovine - Australia: (WA) swainsona
2014-05-20
http://www.promedmail.org/direct.php?id=2484136
Date: Mon 19 May 2014 Source: Highlight Press [edited]
西オーストラリアで有毒植物を食べたことによるヒツジの自殺多発
解説
ある種のSwainsona属の植物は家畜に中毒をおこすことが知られている。これまでオーストラリアでは7種のSwainsona属植物が散発的家畜中毒を引き起こしていた。一部のSwainsona属植物は「ダーリンピー」「毒豆」と呼ばれている。オーストラリア中央部ではSwainsona canescensにより中毒がおこる。
この植物は30cm以上の丈で豆のような花を咲かせ10cmの莢を作る。8-10月に雨が降った後の砂地に生える。牛、馬、羊に有毒。中毒成分はスワインソニンというインドリジジンアルカロイド。中毒症状が出るメカニズムは2種類で、マンノシダーゼの阻害による細胞への異常な複合糖の蓄積と正常な酵素やホルモン、免疫グロブリン等の産生阻害。
異常な複合糖の蓄積により特に中枢神経系が影響を受けやすく、動物種と食べた量により臨床症状は2-6週間で見られ8週後で慢性または致死状態に進行する。中毒の兆候は最初は健康状態の悪化ではじまりやがて神経症状がみられる。1978年に動物に食べさせる実験が行われている。4週間食べてもその後2ヶ月食べさせなければ中毒症状は回復する。6-8週間だと一部の症状が改善しても細胞傷害により神経や行動上の症状は存続する。
動物が一度Swainsonaを食べると簡単に「依存症」になり好んでそればかり食べるようだ。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140519#p23の件)

(どうでもいいけれどWikipediaのSwainsonineの日本語版、多分英語版を参照したのだろうけれどインドリジジンがインドリジンになっている。英語版は正しい。何が違うかというと芳香環になっているかどうか(ヘテロ環、までは同じ))