食品安全情報blog過去記事

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その他

  • Nature書評 肥満の医療化

Health: The medicalization of fat
David Katz
Nature 510, 34 (05 June 2014)
http://www.nature.com/nature/journal/v510/n7503/full/510034a.html
アメリカの子どもの肥満:流行の伝記
Childhood Obesity in America: Biography of an Epidemic
Laura Dawes Harvard University Press: 2014.
ISBN: 9780674281448
かつて脂肪のついた身体は富の象徴として賞賛された。アメリカでも20世紀初頭は素晴らしいことだった。大きな子どもが珍しかったとき、それは評価された。今や5人に1人が肥満になり、その風潮は反対になった。20世紀のかなりの時間を肥満の定義の設定に使っている。
米国の最初のベストセラーダイエット本Diet and Health (1918)では肥満の要因としてカロリーをあげている。1937年に8人の肥満の子どもを下垂体抽出物や甲状腺錠剤で治療したという症例報告があって1940年代には肥満の腺理論(ホルモンが原因)が優性であった。今でもホルモンバランスの異常説についての議論は続いている。この年代記によるとひとつの要因に焦点が当たっているときには他の要因が排除されることが示されている。腺理論が優勢なときは心理学が無視され、精神分析が流行すると内分泌学者は放っておかれた。
(かつての赤ちゃん健康優良児たちはどうなったんだろう。)

Open your vacuum packed fish before thawing
May 31, 2014 by Beth Waitrovich, Michigan State University Extension
http://msue.anr.msu.edu/news/open_your_vacuum_packed_fish_before_thawing
ボツリヌス菌が毒素を作る速度が華氏38℃(摂氏3.3℃)以上だと早くなる。この温度帯で空気にさらすことで毒素ができにくくなる。

  • Natureニュース

議論ある幹細胞の論文への最後の支持が崩壊した
Last remaining support for controversial stem-cell papers collapses
04 Jun 2014
http://blogs.nature.com/news/2014/06/last-remaining-support-for-controversial-stem-cell-papers-collapses.html
多くの著者が取り下げたいと発表している中Charles VacantiとObokataは論文を支持していた。しかし5月28日にObokataは二番目の論文の取り下げに合意した。この時主論文についてはまだ支持していると彼女の弁護士のHideo Mikiは言っていた。しかし5月30日にVacantiがNatureに主論文の取り下げを求める手紙を送った。これでObokataの抵抗は崩れ去ったのだろう、6月3日には取り下げに同意する文書に署名して理研に渡した。

Scienceでも
Key Researcher Agrees to Retract Both Disputed Stem Cell Papers
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2014/06/key-researcher-agrees-retract-both-disputed-stem-cell-papers
取り下げでは騒動は終わらないこと、何故こんな酷い論文を通したのかというNatureの査読への批判も
(Scienceはこれについては強く言える。Natureはさすがに自分のことは棚に上げている)

  • 健康食品?発芽チーア種子粉末が17人を病気にした

NBCニュース
Health Food? Sprouted Chia Seed Powder Sickens 17
By JoNel Aleccia
http://www.nbcnews.com/health/health-news/health-food-sprouted-chia-seed-powder-sickens-17-n122866
オーガニック発芽チーアパウダーでより健康になろうと思った人たちがサルモネラ感染した。