食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 素晴らしい野菜や果物を定義する:栄養密度アプローチ

Defining Powerhouse Fruits and Vegetables: A Nutrient Density Approach
Jennifer Di Noia,
Prev Chronic Dis 2014;11:130390
http://www.cdc.gov/pcd/issues/2014/13_0390.htm
慢性疾患リスク削減に強く関連する食品としてのパワーハウス野菜や果物(PFV)を定義する試み。100kcalあたり、17の確立されている栄養素の1日所要摂取量の10%以上を提供する食品と定義して47の食品を調べ、41が定義を満たした。
カリウム、繊維、タンパク質、カルシウム、鉄、チアミンリボフラビンナイアシン葉酸亜鉛およびビタミンA, B6, B12, C, D, E, K)
スコア化して最も高かったのはクレソン。
(ケールがレタス以下だったりおもしろいけれど、唐辛子とかパセリとか100gも食べられない・・。果物はどうしてもカロリーが野菜より高いのであまり上位にならない。世間的にスーパーフードともてはやされるものとは違うところがミソ)

  • PETAがミルクは自閉症と関連するという

Sense about science
PETA says milk is linked to autism
Posted by Sile Lane on 30 May 2014
http://www.senseaboutscience.org/blog.php/98/peta-says-milk-is-linked-to-autism
動物を食品や衣服に利用することに反対しているPETAがミルクを飲むことに反対するキャンペーンを行っている。しかし彼らが「自閉症?牛乳と自閉症が関連することが研究でわかった」と看板に掲げているのは問題である。この主張には根拠がない。私はPETAにこの主張を取り下げるようtwitterとメールで呼びかけたが返事はなく自動応答が返ってきた。
そして返事が来た。PETAの主張は自閉症の子どもの食事からミルクを取り除いたら症状が改善したという保護者がいるというものだった。そして20年前の仮説と、結果が明確ではない研究の2つの研究に言及していた。さらにPETAは乳製品をたくさん摂ることは卵巣がん前立腺がん、糖尿病の高率に関連する、さらにアレルギーや肥満にも、という。これら全てに根拠がない。菜食主義かどうかにかかわらず間違った情報はいらない
UPDATE Monday 2nd June 2014 16:10
PETA英国事務所のBen Williamsonから電話があった。彼は私の質問に答えられなかった。このキャンペーンは米国で始まったもので英国のものではなくPETA UKがこのキャンペーンに賛同しているのかどうかわからないという。
UPDATE Monday 2nd June 17:20
Ben Williamsonからメールがあった。私の質問には答えていないがPETA UK はPETA米国のウェブは「保護者に有益な情報を提供している」と信じるという。さらに乳製品は喘息や便秘や耳の感染症の再発や鉄欠乏や貧血やがんに寄与するとし、「牛乳はウシの赤ちゃんにとって完璧な食品だが(ヒトの)子どもを病気にする」と主張する。私は彼に根拠を求めた。
(これは非常にわかりやすい事例で、牛乳反対という結論が先にあってそれに都合の良い情報のみを集めているだけ。そして病気の人を利用している。)

  • 舌には第6の感覚がある

SCIECESHOT
Tongue Has a Sixth Sense
By Ian Randall Thursday, June 5, 2014
http://news.sciencemag.org/brain-behavior/2014/06/tongue-has-sixth-sense
これまで舌は甘味、酸味、塩味、うまみ、苦味を認識することがわかっていたが、炭水化物も知覚できることがわかった。Appetiteに発表された研究。

  • カロリーを燃やす新しい方法

A New Way to Burn Calories
By Jennifer Couzin-Frankel Thursday, June 5, 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/06/new-way-burn-calories
脂肪の中にある免疫細胞(マクロファージ)を活性化するとその脂肪がエネルギーを貯蔵するタイプからそれを燃やすタイプに変換できることを示すマウス実験が報告された。これまで褐色脂肪を増やす刺激として知られていたのは寒さだけだった。

New York City Soda Fight, in Court, Tests Agency’s Power
JUNE 4, 2014
http://www.nytimes.com/2014/06/05/nyregion/soda-ban-new-york-city-in-appeals-court.html?emc=edit_th_20140605&nl=todaysheadlines&nlid=12253159&_r=2
大サイズの高カロリー飲料の販売を制限しようという前市長Michael R. Bloombergの計画は昨年下級審で否定されて水曜日に州の控訴裁判所に場所を移した。
この裁判は州の保健当局が個人の自由をどこまで制限できるかを問う

  • 専門家に聞こう 血液型ダイエット

Ask the Experts   The Blood Type Diet
by Berkeley Wellness | June 05, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/diet-weight-loss/article/blood-type-diet
Q:血液型ダイエットとは?役にたつという根拠はある?
A:科学的信頼性はない
1996年にPeter D’AdamoがEat Right 4 Your Typeという本を出して広がった。D’Adamoのアプローチは年を経て進化し今や遺伝子型ダイエットを主張している。
全ての熱狂的ブームとなるダイエット方法と同じように、何らかの食品を排除することで摂取カロリーが減って短期的にはうまくいったように見えるだろう。

  • 大麻と健康::研究レビュー

Pot & Health: Research Review
by Berkeley Wellness | June 05, 2014
http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/pot-health-research-rundown
今やアメリカ人の半分以上が大麻の合法化に賛成していて、約半分が試したことがあると言っている−政治責任はともかく、大麻を吸うことが社会的スティグマだった時代からずいぶん遠くに来た。Bill Clintonは1992年に大麻を「試してみた」ことがあると告白したが吸入はしていないと強調した。一方Obama大統領は若い頃「頻繁に吸入した」と言った。
1990年代後半から20の州が医療用大麻を合法化している。そして2012年広範にはコロラドとワシントンがレクリエーション用大麻を合法化し、アラスカやオレゴンなどが続きそうだ。大麻にある種の医療効果があることは間違いないが、レクリエーションに使ったときの健康影響についてはよくわかっているのだろうか?
大麻:医療用には期待できる(略)
娯楽用の現実
大麻はしばしばタバコより吸う量が少ないので害が少ないとみなされているがむしろ悪いという研究が増えている。大麻の健康影響については不明なことも多いが医療用はともかく娯楽のために何かを吸入することは薦められない。良い煙などない。
追加情報は大麻を吸って車を運転することについて。
懸念されるのは死亡事故を起こしたヒトの大麻を吸っている割合が増えていることである

  • 検視官が犯罪と感じ、子どもの塩中毒審問中止

Child salt poison inquest is halted after coroner felt an 'offence may have been committed'
By Paul Higgins – 05 June 2014
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/northern-ireland/child-salt-poison-inquest-is-halted-after-coroner-felt-an-offence-may-have-been-committed-30332471.html
2009年8月にフィリピン人の4才の少女が極めて高濃度の血中ナトリウムで死亡した件について、検視官が少女が無理矢理ティースプーン7.5杯以上の塩を飲まされたということを聞き、審問は中止された。少女は重度の自閉症で多数の肋骨の骨折と激しく頸をつかまれた痕もある
英国ベルファスト