食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

FDAとEPAは魚摂取に関する更新助言案を発表

FDA and EPA issue draft updated advice for fish consumption
June 10, 2014
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm397929.htm
FDAEPAは魚摂取に関する更新助言案を発表した。両機関は妊娠女性と授乳中の女性、妊娠する可能性のある女性、小さい子どもは、重要な発達と健康上のメリットを得るために、水銀濃度の低い魚をもっと食べるべきであると結論した。この更新助言案はアメリカ人のための食事ガイドライン2010の助言に一致する。
これまでFDAEPAはこれらの集団が食べるべき魚の最大量については助言していたが最小量については薦めていなかった。しかし近年の科学は妊娠や授乳中の女性、小さい子どもの食事に適切な量の魚が含まれることの重要性を強調している。
「何年もの間、多くの女性が妊娠中や小さい子どもに魚を食べさせるのを避けてきた」とFDAの科学者Stephen Ostroff医師は言う。「しかし新しい科学で、妊娠中に魚を避けたり制限したりすることは一般的健康や成長や発育にとって重要な栄養素を逃すことを意味することがわかった。」
FDAの1000人以上の米国妊娠女性のデータから、21%が過去1ヶ月に全く魚を食べていないこと、魚を食べる人でもガイドラインの薦める量よりはるかに少なく、週に2オンス以下が50%、4オンス以下が75%だった。更新助言案では8-12オンスを薦めている。
水銀濃度の低い魚を食べることは多くのメリットがある。
妊娠または授乳中の女性が避けるべき水銀濃度の高い魚は、メキシコ湾のアマダイ、サメ、メカジキ、キングマッケレルである。またビンナガマグロについては週に6オンスまでに制限することを薦めている。
水銀の少ない魚としてはエビ、pollock、サーモン、缶詰ライトツナ、ティラピアナマズ、タラなどがある。
地元の川や湖などで釣った魚については地元当局の助言に従い、もし助言が無い場合には週に6オンスまで、子どもには1-3オンスまでに制限するように。
最終助言にする前にパブリックコメントを受け付け、リスクコミュニケーション助言委員会に助言を求め、一連のフォーカスグループ調査も行う。

  • 助言案

魚:妊娠女性と保護者が知るべきこと
Fish: What Pregnant Women and Parents Should Know
http://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/Metals/ucm393070.htm
重要なメッセージ
毎週、水銀濃度の低い多様な魚を8-12オンス食べること。魚の栄養は生まれる前、母乳を与えられている乳児、子どもの成長や発育にとって重要である
誰が知るべきか
妊娠中あるいは妊娠する可能性のある女性、授乳中の女性、子どもを育てている人。
すべきこと
1.多様な魚を週に8-12オンス食べる 小さい子どもは年齢とエネルギー所要量に適した大きさのものを2-3回
2.水銀濃度の低い魚を選ぶ
3.メキシコ湾のアマダイ、サメ、メカジキ、キングマッケレルは避ける
4.地元の川や湖などで釣った魚については地元当局の助言に従う
5.食生活に魚を増やす場合にはエネルギーの必要量の範囲内であることを確認する
注:この助言では魚と貝をまとめて魚としている
以下に一食あたりのオメガ3脂肪酸の量と水銀の量の表がある

  • 消費者向け

新しい助言:一部の女性と小さい子どもはもっと魚を食べるべき
New Advice: Some Women and Young Children Should Eat More Fish
June 10, 2014
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm397443.htm
(市民団体が水銀怖いってキャンペーンしたりするから消費量減ってた。そりゃまあ彼らがいつも大騒ぎしている添加物や残留農薬に比べれば「とてつもなく大きなリスク」ではあるのだけれど、食べることのメリットもあるので。バランス感覚がおかしいと損するという典型的事例。)