食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 専門家に聞こう:太平洋の魚

Ask the Experts :Fish from the Pacific
by Berkeley Wellness | July 01, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/fish-pacific
Q:2011年の日本の福島原子力発電所事故で放出された放射線の件で、太平洋の魚を食べても安全?
A:もちろん安全。あなたが読んだかもしれないインターネットの恐ろしい警告とは違って。
3月の更新で、FDAは福島のメルトダウン由来の放射性同位体が心配するレベルで米国の食品に入ったという根拠はないと結論している。太平洋の魚の検査では辛うじて検出可能な量の増加しかみられず、WHOや連邦の安全基準よりはるかに少ない。
福島はそこに住んでいる人にとっては災害だった、あるいはまだ継続している。しかし福島から放出された放射線の量は(海でほとんど希釈され)、20世紀半ばに核爆弾テストで環境中に放出された量に比べてごく僅かであることを忘れないで。そして環境中の自然のバックグラウンドより遥かに少ない。
クロマグロ放射能を追跡しているチームのPNASに発表された論文では、メルトダウンの数ヶ月後にSan Diego沖で記録された汚染レベルの魚を7オンス食べるとバナナの天然放射能のたった5%だとしている。バナナにはカリウム放射性同位体が含まれるが、食べても安全である。

  • 我々全てをはしかのリスクに曝す

NYT
Putting Us All at Risk for Measles
By PAULINE W. CHEN, M.D.
June 26, 2014
http://mobile.nytimes.com/blogs/well/2014/06/26/putting-us-all-at-risk-for-measles/?fr=iphone&.tsrc=apple&pcarrier=AT%26T&pmcc=310&pmnc=410
米国のはしかの再興について。写真は1939年のテキサスのはしかの子ども。はしかは軽い病気ではない。
1966年にはしかの安全で有効なワクチンが開発され公衆衛生当局がはしか根絶キャンペーンを何回か行い、集団免疫を獲得させようとした。そうすることで小さい子どもやワクチンが使えないがんやAIDS患者のような弱い人たちも守ることができる。そして2000年に、米国でははしかの流行は無くなったと宣言できた。しかしそのまさに勝利宣言をした時に、LancetにDr. Andrew Wakefieldがワクチンと自閉症の因果関係を主張する論文を発表し、2010年に取り下げられたもののその影響は大きくワクチン摂取率が下がりはしかが再び流行した。筆者を含め現在現役の医師の多くははしかを治療した経験に乏しい。公衆衛生にとっては個人の選択が他人を傷つける。

  • カプセルコーヒーマシン:宇宙飛行士がエスプレッソを飲める

Capsule coffee machine: astronauts' espresso desire is answered
Friday 27 June 2014
http://www.theguardian.com/science/2014/jun/27/capsule-coffee-machine-astronauts-espresso-desire-answered
国際宇宙ステーションで特別に設計されたイタリアのエスプレッソマシンが使える
製品名ISSpresso。NASAから了解を得た。
(重力がないと抽出はどんな感じ??)

  • 花火の化学

The Chemistry of Fireworks - Reactions
https://www.youtube.com/watch?v=nPHegSulI_M
ACSの動画シリーズ

  • GMトウモロコシがメキシコを引き裂く

Natureニュース
GM maize splits Mexico
Laura Vargas-Parada
01 July 2014
http://www.nature.com/news/gm-maize-splits-mexico-1.15493
遺伝子組換え作物への法的挑戦が科学コミュニティに亀裂を生んだ
メキシコの象徴的作物であるトウモロコシの、GM実験品種を科学者が栽培する権利があるのかどうかについて活動家が法廷闘争を初めて1年、トウモロコシ研究は法的膠着状態により追いつめられている。
2013年7月5日に活動家団体がメキシコ政府にGMトウモロコシの栽培認可をやめることを求めた集団訴訟をおこし、9月に裁判所は判決が出るまで実験及び商用栽培の中止を命令した。解決には何ヶ月もあるいは何年もかかるだろう。
研究者は気候変動に対応するための研究ができなくなった。
メキシコはGM技術に反対でも推進でもなかった。2013年までにメキシコではGM作物の栽培面積は10万ヘクタールで、スペイン以外のヨーロッパの国より多くブラジルやアルゼンチンより少ない。しかしメキシコではGMトウモロコシの認可や受容はよりセンシティブな問題で、2001年にカリフォルニア大学の研究でGMトウモロコシ由来遺伝子が固有のトウモロコシ栽培種に流入していることが報告されて以降恐怖がかき立てられている。
メキシコにとってはトウモロコシは国のアイデンティティの中心にある。米国ではトウモロコシのほとんどは家畜の飼料やバイオ燃料であるがメキシコでは82%はヒトが食べる。小規模農家は市販品種ではなく伝統的品種を栽培している。
メキシコのトウモロコシの遺伝的多様性は計り知れない価値がある。かつてメキシコはトウモロコシは国内生産で足りていたが今は米国から約1/3を輸入している。それを復活させるためにもGM技術が必要だと政府の科学者は考えている。特に干ばつ耐性品種が必要である。一部の科学者は国外で試験を行う。

  • 父親と母親の人種と民族居住地の新生児体重への影響

Influence of paternal and maternal ethnicity and ethnic enclaves on newborn weight
J Epidemiol Community Health doi:10.1136/jech-2014-204257
Amy R Zipursky et al.,
http://jech.bmj.com/content/early/2014/06/26/jech-2014-204257.short?g=w_jech_ahead_tab
親の人種によって新生児の体重が違うこと、それが同一民族の人が多く住む地域かどうかで若干影響される。(カナダ人の両親を基準にするとアジア人は小さい)

  • 10人中4人の膵臓がんはライフスタイルの変更で予防できる

Cancer Research UK
Four in 10 pancreatic cancers could be prevented by lifestyle changes
1 July 2014
http://www.cancerresearchuk.org/about-us/cancer-news/press-release/four-in-10-pancreatic-cancers-could-be-prevented-by-lifestyle-changes
最も悪性度の高いがんの一種である膵臓がんの約40%は、健康体重維持と禁煙で予防できる。
英国では毎年8800人が膵臓がんと診断されているが生存率が非常に低く5年以上生存できるのはたった3%である。Cancer Research UKは膵臓がんの研究を優先して年間研究費600万ポンドを今後5年間2倍以上にする。診断と治療についての研究は必要ではあるが、一部の膵臓がんは過体重と喫煙に関連していることを示唆する根拠がある。これに対応すれば約10人中4人が予防できる。