食品安全情報blog過去記事

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ナプキンやパンの袋などのような印刷されている食品と接触する物質由来一級芳香族アミン

Primary aromatic amines from printed food contact materials such as napkins or bakery bags
08.07.2014
http://www.bfr.bund.de/cm/349/primary-aromatic-amines-from-printed-food-contact-materials-such-as-napkins-or-bakery-bags.pdf
一級芳香族アミン類(PAA)のなかには発がん性のあるものがある。PAAは顔料に含まれる。カラー印刷されたペーパーナプキンやパンの袋などの食品と接触する物質から食品にPAAが移行すると健康リスクになる可能性がある。BfRは現在の基準値が十分な保護となっているかどうかを評価した。
モデル計算に基づき、現在の規制値(食品あるいは食品類似物で検出限界0.01 mg/kgで不検出)を発がん性PAについてはレビューすべきと助言した。消費者のこれらの物質への接触は最小限にすべきである。検出限界を0.002mg/kgにして不検出であるべき。発がん性PAAを含まない顔料のみを使うことを薦める。

考え方
オルトアニシジンのみが0.01mg/kgで存在する食品を体重60kgの人が毎日一生1kg食べると仮定。暴露量は0.00017 mgオルトアニシジン/kg 体重で、
生涯発がんリスク([HT25/0.25]を使う)4 x 10-6
暴露マージンHT25/Exposure = 9.9 mg/kg BW / 0.00017 mg/kg BW ≈ 6 x 10-4
オルトトルイジンだと同様に計算して
生涯発がんリスク([HT25/0.25]を使う)8 x 10-5
暴露マージンHT25/Exposure = 0.5 mg/kg BW / 0.00017 mg/kg BW ≈ 3 x 10-3
これらの数値は一般的に許容可能なボーダーレンジ。ただし現在の分析技術ではもっと少ない量が検出できるので、できる限り減らすべきという原則に従って0.002 mg/kgを採用すべき