食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 食品摂取量と包装使用データを用いた軽金属包装からのビスフェノールA食事暴露量推定:精細決定論的アプローチと完全確率論的(FACET)アプローチ

2012年ドイツで開催された食品包装に関する第5回ILSI国際シンポジウムの紀要特集
Food Additives & Contaminants: Part A Volume 31, Issue 3, 2014
Special Issue: Proceedings of the 5th ILSI International Symposium on Food Packaging held on 14-16 November 2012 in Berlin, Germany
Estimates of dietary exposure to bisphenol A (BPA) from light metal packaging using food consumption and packaging usage data: a refined deterministic approach and a fully probabilistic (FACET) approach
P.K.T. Oldring et al.,
http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19440049.2013.860240#.U8hhRaTlpaR
英国の国民栄養調査の19-64才の摂取量データと、企業から提供された包装中の存在・濃度・市場調査データを用いた完全確率論モデル(FACET)による推定暴露量と、決定論的暴露量推定の結果を比較した。FACETによる平均、95パーセンタイル、97.5パーセンタイル摂取量は、詳細決定論的推定の最小と最大の間に入り、概ね保守的推定を与えた。

Toward More Comprehensive Food Labeling
David A. Kessler, M.D.
N Engl J Med 2014; 371:193-195July 17, 2014
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1402971?query=featured_home
(インタビューの動画あり)
FDAが食品の栄養成分表示の改訂を提案している。FDAの提案は必要で消費者の行動に重要な貢献をするだろうが、私は十分ではないと信じる。食品の選択に影響し肥満を減らし健康を増進するためのさらなる表示基準が必要である。
私がFDAコミッショナーだった20年以上前、我々のチームが今の栄養成分表示をデザインした。我々は食事に由来する疾患や死亡の削減が最も重要な公衆衛生対策のひとつであることを理解している。我々の目的は行動を指図することではなく、人々が健康的な選択ができるよう正確で読みやすい情報を提供することである。表示に関しては行動につながるデザインの科学が必要であることを知っていた。それは簡単なことではないが、開発し、1997年に優秀デザイン大統領賞を受賞した。
FDAがこの改訂を提案している。新しい提案では製品の全体的栄養については考慮していない。添加された糖の1日摂取量への割合も除外された。成分リストの大改訂と食環境を変えるための大きな戦略が必要である。包装表面への表示も検討すべき。

Effects of Extended-Release Niacin with Laropiprant in High-Risk Patients
The HPS2-THRIVE Collaborative Group
N Engl J Med 2014; 371:203-212July 17, 2014
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1300955?query=featured_home
25,673人の血管疾患のある成人にナイアシン2gと40mgラプロピラント(ナイアシンの副作用を抑えるため)あるいはプラセボを無作為割付。フォローアップの中央値は3.9年。
アテローム動脈硬化の患者に、スタチンよるLDLコレステロール低下療法に加えてラプロピラント併用ナイアシン徐放剤を与えても主要血管イベントは減らずむしろ重大な副作用リスクが増えた。
ナイアシンという名称で謳ってなくてもビタミンBミックスとかには入っている。そんなに大量ではないけれど)

  • BMIと冠動脈血管再建後の総死亡率、心血管系死亡率、心筋梗塞:メタ解析からの根拠

Relationship of Body Mass Index With Total Mortality, Cardiovascular Mortality, and Myocardial Infarction After Coronary Revascularization: Evidence From a Meta-analysis
Abhishek Sharma et al.,
Mayo Clinic Proceedings
Available online 16 July 2014 In Press, Corrected Proof
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S002561961400384X
冠動脈疾患で血管再建後の死亡率についての研究36のメタ解析。1.7年の平均フォローアップで、いずれの指標でもBMIの低い集団が最も成績が悪かった

  • ビタミンBでホモシステインを下げることの認知機能加齢への影響:認知データのある22000人を対象にした11の試験のメタ解析

Effects of homocysteine lowering with B vitamins on cognitive aging: meta-analysis of 11 trials with cognitive data on 22,000 individuals
Robert Clarke, et al.,
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2014/06/25/ajcn.113.076349.abstract
ビタミンBでホモシステインを下げることは認知機能に影響しない

  • ビタミンEとCのサプリメント摂取と男性のがんリスク:医師健康権球IIの試験後フォローアップ

Vitamin E and C supplementation and risk of cancer in men: posttrial follow-up in the Physicians’ Health Study II randomized trial
Lu Wang, et al.,
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2014/07/09/ajcn.114.085480.abstract
1997年に米国の50才以上の医師で始まった試験の2011年フォローアップ。ビタミンEとCのサプリメント摂取は短期的にも長期的にもがんに影響しない

  • コメの摂取は日本人の男女の心血管系疾患の死亡率と有病率に関連しない:大規模集団ベースの前向きコホート研究

Rice consumption is not associated with risk of cardiovascular disease morbidity or mortality in Japanese men and women: a large population-based, prospective cohort study
Ehab S Eshak et al.,
Am J Clin Nutr July 2014 vol. 100 no. 1 199-207
http://ajcn.nutrition.org/content/100/1/199.abstract
コメを食べることは2型糖尿病リスクとは関連するが心血管系疾患とは関連しない