食品安全情報blog過去記事

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その他

NBC
New Hampshire Declares Emergency Over Synthetic Drug 'Smacked'
15 Aug 2014
http://www.nbcnews.com/health/health-news/new-hampshire-declares-emergency-over-synthetic-drug-smacked-n181216
コンビニでポプリとして売られている合成マリファナ様製品'Smacked'の吸入や摂取で44の中毒事例が報告されたためMaggie Hassan州知事は緊急事態を宣言した。死亡例はないがほとんどが8月11日以降マンチェスター地域で報告されている

  • トリクロサン騒動でコルゲートの販売減少

Colgate takes a large sales loss following triclosan scare
By Vanessa Blanchard, Daily Digest News
Thursday, August 14, 2014
http://dailydigestnews.com/2014/08/colgate-takes-a-large-sales-loss-following-triclosan-scare/
Colgate Totalブランドの練り歯磨きのトリクロサンに関する懸念で株価が0.3%落ちたと報告されている。コルゲートがTwitterでダメージコントロールを試みているが消費者は戻ってきそうにない。
成分を除去することを選択したメーカーもあるがコルゲートはトリクロサンを擁護することを選択した。マーケティングの専門家の中には最終的には科学的事実とは関係なく排除の圧力に屈するのではないかと予想しているひともいる。

Bloombergがいろいろ書いている
Shoppers Ditching Colgate Total Amid Triclosan Fears
http://www.bloomberg.com/news/2014-08-14/shoppers-ditching-colgate-total-as-triclosan-fears-damage-brand.html
事実は問題ではない、どう思われるのかが問題、とか言ってる
(市場アナリストにとってはそうなのかもしれないけれどディストピア
ブルームバーグって経済ニュースを配信するとかいいながら騒動をおこして株価操作してんのかしらね)

  • 飛行機の乗客がナッツアレルギー警告を無視して4才の少女が呼吸停止

Girl, four, stops breathing after air passenger ignores nut allergy warning
, August 15 2014
http://www.thetimes.co.uk/tto/news/uk/article4176220.ece
Allergy girl, 4, stops breathing on flight after 'selfish' passenger opens packet of nuts despite three warnings
http://www.standard.co.uk/news/london/little-girl-4-stops-breathing-on-stansted-flight-after-selfish-passenger-opens-packet-of-nuts-despite-three-warnings-9667938.html
緊急注射で助かった
ナッツの袋を空けたのは4列離れたところの乗客だが、空気が循環しているので。
飛行機の乗組員は、重症ナッツアレルギーの乗客がいるので空港で購入したナッツは食べないように、このフライトではナッツの販売もしないとアナウンスしていた。彼の隣に座っていた人も袋を空けないように言ったのに無視したという。

  • 赤ワインを飲むことは良いか?多分良くない

Opinion: Is drinking red wine good for you? Probably not
By Christopher Labos, The Gazette August 14, 2014
http://www.montrealgazette.com/health/drinking+wine+good+Probably/10118317/story.html
ワインを薦めるヒトはたくさんのメリットがあると言う。しかしたくさんの最近の試験がそれを否定している
(著者は心臓専門医)
私の患者はしばしば、正しい食生活も運動もしていないことを認める。さらに薬を飲み忘れることもある。しかし彼らはしばしば「でも赤ワインを毎日飲んでいるから埋め合わせできてる」と言う。
赤ワインが心疾患に良いという意見はフランス人が脂肪を多く食べるのに心疾患が少ないという観察に始まる。この「フレンチパラドックス」は赤ワインをたくさん飲んでいるからだとされる。この考えは1986年に発表されたが人気が出たのはCBSニュースとワイドショー60 Minutesがとりあげた1991年からである。その後米国のワイン販売額が急上昇した。
問題はフレンチパラドックスが事実ではないということだ。フレンチパラドックスにはルクセンブルグロジックで対抗することができる。ルクセンブルグ近郊の国はフランスより1人あたりのワイン摂取量が多いが心疾患はとても多い。
またINTERHEART研究では東南アジアのヒトにメリットは見られなかったしARIC研究でもアフリカ系アメリカ人に何の利益もなかった。
ほかにワイン推奨者は赤ワインがHDLを上げると言うが、AIM-HIGH, HPS2-THRIVEおよび dal-OUTCOMESではHDLコレステロールを上げることは心臓発作リスクを下げなかった。抗酸化物質やレスベラトロールについても科学の試験に耐えられなかった。最近のInCHIANTI研究ではレスベラトロール濃度の増加は心疾患やがんの減少とは関連がなかった。
ワイン信者はしばしばメリットを挙げるが、リスクを無視しないことも重要だ。今年WHOはアルコールとがんの関連について、安全な飲酒量はないと言っている。多くの研究が飲酒と大腸、口、食道、肝臓、乳がんとの関連を示している。
妊娠中の飲酒は先天異常の原因で、さらに飲酒は肝硬変や交通事故や死亡の原因である。アルコールはカロリーが高く体重も増える。
アルコールに保護作用があるように見えるのは統計上の問題である。観察試験で全く飲まない人のうちいくらかは健康問題があって飲めない、あるいは飲まないように助言されている人である。そのような人たちに心疾患が多い理由は想像できるだろう。このことは1988年にも指摘されている。そして2003年のCDCの報告書で証明されている。
事実は、質の高い根拠のほとんどはアルコールは良くないというものである。
フレンチパラドックスの真のパラドックスはそれがいつまでも語り継がれているということである。

  • 学術出版を転覆しようというGoogleの構想(違う)

ScienceInsider
Google's plot to overthrow scientific publishers (not!)
By John Bohannon 13 August 2014
http://news.sciencemag.org/scientific-community/2014/08/googles-plot-overthrow-scientific-publishers-not
世界中の科学ジャーナリストが昨日ベルリンで行われた学者とGoogleスタッフの会議の様子を伝える匿名電子メールを受け取った。添付ファイルに「Google Science」と呼ばれる秘密プロジェクトの説明があった。これにより科学者は自分の研究を無料で発表できるだけでなく論文やデータが永遠にオープンアクセスになる。話がうますぎる?Wired UKが詳細に報告している。(悪戯という話。ただそういうプロジェクトはある)
http://www.wired.co.uk/news/archive/2014-08/13/google-science-would-we-need-it

Natureニュース
Online collaboration: Scientists and the social network
Richard Van Noorden
13 August 2014
http://www.nature.com/news/online-collaboration-scientists-and-the-social-network-1.15711
科学者のソーシャルネットワーク使用状況調査
(ResearchGateって結構使われてるんだ)

  • 学生が科学者の論文をウェブに投稿したため投獄されるかも

Nature blog
Student may be jailed for posting scientist’s thesis on web
12 Aug 2014
http://blogs.nature.com/news/2014/08/student-may-be-jailed-for-posting-scientists-thesis-on-web.html
コロンビアの生物学の学生が他人の論文をソーシャルネットワークで共有したために最大8年の拘留と罰金に直面
Diego Gómez Hoyosが両生類の分類に関する2006年の仕事を2011年にScribdに投稿した。当時彼は学部生でそれが役にたつと考えた。しかし2013年に彼はこの論文の著者から著作権法違反で訴えられていることを知らされた。この事例は現在ボゴタにある人権団体カリスマ財団に取り上げられ「共有は犯罪ではない」というキャンペーンが行われている。
コロンビアの著作権法は2006年に、米国との自由貿易協定で合意された強力な著作権保護基準にあうよう改訂されている。しかし米国では著作権侵害による罰則はほとんど無いのに対してコロンビアでは例外をほとんど認めていない。途上国の立法者はこの種の合意においてしばしばバランスを欠く、とカリスマ財団の弁護士は言う。利益目的ではなく許可無く論文を複製したことは刑事裁判には相当しない。
Gómezは通知後すぐにソーシャルネットワークから論文を削除したが裁判は進んでいる。訴えた人物名は明らかにされていないが、接触を試みて失敗している。