食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • Lancetエディトリアル

研究と医学雑誌の社会への影響を定量化する
Quantifying the social impact of research and medical journals
Lancet  Volume 384, Issue 9943, 16–22 August 2014, Pages 557
今週号のLancetは8月30日-9月3日にバルセロナで開催された欧州心臓学会特集で、心臓学者が社会の具体的な利益のために根拠の度合いを提示して科学を行動にうつすための示してきたリーダーシップを反映している。それでもなお改善の余地はある。
London School of Hygiene & Tropical Medicineで7月4日に行われた2014 Bradford Hill記念講義で、Stuart Pocockが臨床試験に社会が何を求めているのかを説明した。心血管系疾患研究の経験から、基本は、試験は公衆衛生上の重要な疑問に決定的な回答を提供するように公平にデザインされ、倫理的に、効果的に代表集団で、完全に報告され、実際の行動に翻訳されるべきである、と示唆した。このような基本原則は雑誌を含む研究プロセスの参加者それぞれに採用されるべきである。

Dyslipidaemia in perspective
The Lancet, Volume 384, Issue 9943, 16–22 August 2014, Pages 566-568

LDLコレステロール:議論と将来の治療の方向性
LDL cholesterol: controversies and future therapeutic directions
Pages 607-617
Paul M Ridker
LDL濃度の生涯にわたる高濃度は心血管系イベントの発症率を上げ、スタチンや食事療法が極めて効果的である。しかしながら国のガイドラインや治療、測定法、集団のスクリーンイング、どこまで下げればいいのかなどには議論が残る。

HDLと心血管系疾患
HDL and cardiovascular disease
Pages 618-625
Daniel J Rader, G Kees Hovingh
HDLは心血管系リスクの予想要因としては極めて有用であるがHDL-Cの濃度を上げる介入が失敗したことから従来のHDL仮説は疑問である。

トリグリセリドと心血管系疾患
Triglycerides and cardiovascular disease
Pages 626-635
Børge G Nordestgaard, Anette Varbo
スタチンの導入以降、臨床ではLDLコレステロールを下げることが第一で次にHDL、そしてトリグリセリドにはあまり注目されてこなかった。しかし遺伝研研究やHDLの試験が予想通りの結果にならなかったことなどから近年トリグリセリドが注目されている。現時点ではトリグリセリドへの介入試験は少ないが新しく開発中の薬を使った大規模臨床試験が根拠を提供できるかもしれない。

  • 体重維持のためのフェンテルミンとトピラメート:オーストラリア人で最初の経験

Combination phentermine and topiramate for weight maintenance: the first Australian experience
Sandra L Neoh et al.,
Med J Aust 2014; 201 (4): 224-226.
https://www.mja.com.au/journal/2014/201/4/combination-phentermine-and-topiramate-weight-maintenance-first-australian
オープンアクセス
103人のデータ。61人が副作用(異常感覚、認知の変化、ドライマウス、鬱など)で中止。継続して使用できたヒトでは平均22ヶ月で6.7kgの減量。

  • 骨の化学がリチャード3世のライフスタイルを明らかにする

Bone chemistry reveals royal lifestyle of Richard III
16-Aug-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-08/e-bcr081414.php
Journal of Archaeological Scienceに発表されたリチャード3世の骨と歯の解析結果をもとにしたドキュメンタリー番組が8月17日のChannel 4で放送される。歯と大腿骨と肋骨の同位体解析。