食品安全情報blog過去記事

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その他

Natureコメント
Microbiology: Microbiome science needs a healthy dose of skepticism
William P. Hanage 20 August 2014
http://www.nature.com/news/microbiology-microbiome-science-needs-a-healthy-dose-of-scepticism-1.15730
誇大広告にならないように、人体の微生物コミュニティの研究を解釈する場合には5つの質問に答えるべき
これまでの各種オミクス研究同様、いかがわしい研究が山積して行き詰まる可能性がある。
5つの質問とは:
・実験で検出された差には意味があるのか?
・その研究でわかるのは因果関係か相関関係か?
・メカニズムは何か?
・その実験はどれだけ現実を反映しているのか?
・その結果はほかのことで説明できないか?
(マイクロバイオームに限らず、ほとんどにあてはまる。)

  • より多くの保護者が新生児の出血予防のための注射を拒否している

Nature | Scientific American
More parents nixing anti-bleeding shots for their newborns
Tara Haelle 20 August 2014
http://www.nature.com/news/more-parents-nixing-anti-bleeding-shots-for-their-newborns-1.15749
反ワクチンの保護者たちがその恐怖の対象をビタミンKを含む全ての注射に拡大している。
Scientific Americanの記事を転載したもの
注射を拒否する保護者はいつでも僅かに存在するが、新しい研究によるとその数が増えている。ワクチン拒否とビタミンK拒否に強い相関がある。特に母乳を与えている子どもにはビタミンK欠乏リスクが高い。
昨年Nashville の4人の赤ちゃんが保護者が拒否したためにビタミンK欠乏による出血を発症したという報告があったため、Shannon MacDonaldらが拒否率と拒否の要因を調査した。2006年から2012年にアルバータで生まれた282000人のこどものうちビタミンK注射を受けていないのは0.3%だった。しかし2006年には0.21%だった拒否率が2012年には0.39%に増加している。米国での拒否率はもっと高いのではないかと疑われている。Nashville の2つの病院での調査では2.3-3.7%が拒否していた。
アルバータ研究では注射拒否の理由として注射でがんになる恐怖をあげた親がいた。多くの場合拒否は合成化学物質や医療への懐疑が根本にある。この集団はナチュラルが好きで標準医療を疑うなどの特定の世界観を共有する。注射を拒否する保護者は麻酔のない経膣出産率が高く、助産師が介助した出産は医師の介助による場合より8倍ビタミンK拒否率が高い。さらに病院外出産の母親は母乳のみを与える率が高くビタミンK欠乏リスクが高い

引用されている研究は
Neonatal Vitamin K Refusal and Nonimmunization
Vanita Sahni et al.,
Pediatrics Published online August 18, 2014
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2014/08/12/peds.2014-1092

  • 医療の背教者Paul M. Fleiss医師80才で死去

Medical Renegade Paul M. Fleiss, M.D. Dead at 80
By William M. London
Aug 12, 2014
http://www.skepticink.com/health/2014/08/12/medical-renegade-paul-m-fleiss-m-d-dead-80/
「ハリウッドマダム(Heidi Fleiss、セレブの売春ネットワーク等の犯罪歴がある)」の父として有名な高名な医療の背教者、Paul M. Fleiss医師が7月19日80才で自宅で死去した。
彼はカリフォルニア医事当局からHIV陽性の子どもたちへの不適切な診断と治療で懲戒処分を受けている。死亡した子どもはHIV陽性と診断されてからHIVはAIDSの原因ではないと信じるようになったChristine Maggioreの娘。さらに彼は殺菌していないミルクを勧めたりワクチン接種を遅らせるよう薦めたりしていた。
(本文は長い。とても優しくて「いい人」だったらしい。)

  • 新しい調査は英国人がこっそり嫌っている10のよくある食品を明らかにする

metro
New survey reveals 10 popular foods British people secretly hate
Thursday 21 Aug 2014 Hannah Gale
http://metro.co.uk/2014/08/21/new-survey-reveals-10-popular-foods-british-people-secretly-hate-4840167/
Birds Eyeのアンケート調査では驚くことに44%のヒトはアンチョビが好きでなく、41%はトリレバーが、39%はオリーブが好きではない
4位以下はブラックプリン(ブラッドソーセージ)、ブルーチーズ、ヤギのチーズ、アボカド、芽キャベツ、サラミ、マッシュルーム

  • Cindy Crawford:私は教室の有害化合物を心配している

Cindy Crawford: I'm worried about toxic chemicals in schools
Aug. 19, 2014
http://www.today.com/health/cindy-crawford-im-worried-about-toxic-chemicals-schools-1D80081740
カリフォルニアのMalibuの二つの学校で窓の目張りからPCBが検出され一部が連邦規制値を超えていたため、スーパーモデルのCindy Crawfordを含む母親たちが心配して子どもを学校には行かせないと言っている。Crawfordは「高校の全てのコーキングを調べても十分ではない、空気と拭き取りを毎日調べなかったら安全かどうかわからない」、といっている。学校側はEPA基準に照らして問題はないとし、EPAも同意している。
(昔のものをみんなはがしたりほじくり出したりしたらかえって空気中濃度あがりそうだけど)

  • 飽和脂肪は腹部脂肪を増やす

Saturated Fats Boost Abdominal Fat
by Berkeley Wellness | August 21, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/diet-weight-loss/article/saturated-fats-boost-abdominal-fat
飽和脂肪を制限すべきもう一つの理由:食べ過ぎは腹部と肝臓の脂肪を増やす。Diabetesに発表された小規模だが興味深いスウェーデンの研究が示唆した。健康な若い成人に1日750 kcal余分のパーム油(飽和脂肪が多い)あるいはひまわり油(多価不飽和脂肪が多い)で作った高脂肪マフィンを7週間食べてもらった。どちらも同じくらい体重が増えたが、飽和脂肪の群は内臓と肝臓に脂肪が多く、多価不飽和脂肪の群は筋肉が増えた。この知見は飽和脂肪を多価不飽和脂肪に一部置換することを薦める助言を支持する。

  • 水詐欺に注意

Wellness Tip
Beware Aqua-Quackery
by Berkeley Wellness | August 20, 2014
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/beware-aqua-quackery
イオン化水やアルカリ水、酸素ウォーター、磁化水、活性化水、構造変化した水やそれらを作ると称する装置などの水詐欺に注意。
水は、多分なくてはならないものなので、無数の商売人が何年にも渡って、エネルギーレベルを上げるとか若返るとかがんを予防するなど宣伝する特別な水を売ってきた。
水関連の疑似科学やインチキを暴く楽しいサイトとしてSimon Fraser University を退職した物理化学教授によるH2Odotcon( www.chem1.com/CQ)をどうぞ。