食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文等

  • どんな名前のダイエット法であってもエネルギーについてのもの

A Diet by Any Other Name Is Still About Energy
Editorial | September 3, 2014
Linda Van Horn
JAMA. 2014;312(9):900-901. doi:10.1001/jama.2014.10837.
肥満の流行が多くのヒトに効果的対策法を探させている。今号のJAMAに発表されたJohnstonらのネットワークメタ解析は体重についてのみでありその他の健康影響については別途検討すべきことは残っているが、カロリーを制限した栄養のある食事法を継続することの重要性を再確認する。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140903#p10の続き

  • 農薬のリスク評価にはバイアスがあると見られる

Pesticide risk assessments seen as biased
3-Sep-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-09/aiob-pra082714.php
BioScienceに発表されたマイアミ大学Michelle Booneらの報告によると米国EPAの農薬評価は企業が提出したデータを重視し他の研究を質が低いとして採用していないのでバイアスがある。独立した第三者機関を使うべき。
(著者はカエルの保護が専門。GLPがわかってないようだ。企業が勝手に作るあらゆる化合物の毒性影響を税金使って調べるなんてあり得ないと思うけど。日本だと農薬どうこうより田んぼの存在がカエルにとって大きい。)

  • 食べる野菜や果物を監視しなければならないかも

You may have to watch what your fruits and veggies eat
3-Sep-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-09/acoa-ymh082914.php
Annals of Allergy, Asthma and Immunologyの9月号に発表された症例報告。10才の少女がブルーベリーパイを食べてアナフィラキシーショックになった。彼女は喘息と季節性のアレルギーがあり牛乳とペニシリンアナフィラキシーがあるがパイの成分にはアレルギーはない。検査の結果著者は原因がブルーベリーに使われたストレプトマイシンであることを突き止めた。これは非常に希な反応ではあるが、アレルギーのある人は緊急用のエピネフリンを常に持ち歩くべきである。

UNH Survey: Milk Prices Top Concern of Northeastern Organic Dairy Farmers
Sept. 3, 2014
http://colsa.unh.edu/aes/article/nhaes/organicmilksurvey
安定した収入が得られることが最大の関心事である。これは酪農家なら当然であるがオーガニックミルクに高いお金を払っている消費者にとっては驚きかもしれない。オーガニックだろうと慣行だろうと酪農家の得る利益は消費者が考えるより少ない。Journal of Dairy Science.に発表。

  • ブラジルで購入した一部のチョコレートに鉛とカドミウム

Lead and cadmium found in some chocolate bought in Brazil
3-Sep-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-09/acs-lac090314.php
Journal of Agricultural and Food Chemistryに発表された研究。鉛もカドミウムもカカオ含量の多い方が多かった
(ブラジルが問題なわけではなく、どこで販売されているものでも、もともとカカオにカドミウムが多いのはわかっている。カドミウムも鉛も摂取量は下げるべきものとされているのでダークチョコレートは「警告」レベルになる。ポリフェノールが〜とかいって宣伝している人たちはそれは言わない)

  • 妊娠女性のある種のフェノール類への暴露は男の子の成長をかく乱するかもしれない

Exposure of pregnant women to certain phenols may disrupt the growth of boys
3-Sep-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-09/ind-eop090314.php
Epidemiology, September 2014に発表されたフランスinsermのEDEN母子コホートの520人の男の子のデータに基づく研究。2003-2006年に妊娠女性を集め、妊娠中は超音波検査で生後は3才まで身長体重を測定した。妊娠中の母親の尿を暴露の指標とし、パラベン、トリクロサン、ベンゾフェノン-3、ジクロロフェノールビスフェノールA、エポキシ樹脂を測定した。95%以上の妊娠女性からどれかが検出された。トリクロサン濃度と妊娠第三期の超音波で測定したパラメータとの負の関連、パラベンと出生時及び3才での体重の重さに関連があった。その他の化合物については関連はなかった。なお妊娠中の尿検体を複数回採取し女の子も含めるSEPAGESコホートで再確認中。
Prenatal Exposure to Phenols and Growth in Boys
Philippat, Claire et al.,
http://journals.lww.com/epidem/Fulltext/2014/09000/Prenatal_Exposure_to_Phenols_and_Growth_in_Boys.3.aspx
オープンアクセス
(なのでデータを見ればいい。重さで数十g、サイズで1.2mmとかで意味のある差には見えないけれど。)