食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 活動量とテロメアの長さについての研究への専門家の反応

SMC
expert reaction to new research on activity levels and telomere length
September 3, 2014
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-new-research-on-activity-levels-and-telomere-length/
過体重の人の運動量とテロメアの長さの関連を調べた研究がBritish Journal of Sports Medicineに発表された
Cardiff大学医学部Chris Pepper血液学教授
サンプルサイズが小さすぎて運動の健康への影響について確実なことは言えない。もちろん、定期的運動は健康に良いだろう。しかし血球のテロメアの長さを測定することの意味は不明である。いずれにせよどちらの群でもテロメアの長さに変化はなく、ここでテロメアの話をするのは煙幕であろう
Lancaster大学生命医学ライフサイエンス講師David Clancy博士
テロメアが短くなることが加齢の原因だと信じている人はほとんどいない。なぜなら根拠がないから。テロメアが短くなることが加齢の一部である可能性はあるため加齢のバイオマーカーとして使用される。加齢のバイオマーカーは理想的にはあなたがどれだけ生きたかを示すものである。テロメアの長さが人気なのはテロメアが加齢に関連するのではないかと考えられた時代があったからだが予想因子としては良くない。ただ寿命の長さや短さに関連するいくつかの環境要因などが同時にテロメアの長さと関連しているためにこの研究では加齢による傷害の指標として使われている。
運動により有意差があるかないかぎりぎりのテロメアが短くなることが見いだされているが参加者の年齢が68才で過体重または肥満というのはこれまでの研究とは違う。わずか12人の研究は再現性の確認が必要である。
テロメアの長さが加齢と因果関係があるという根拠はなく、ヒトやほ乳類でのテロメアの長さと健康や加齢パラメータとの関連は一般的に強くはない。
Sheffield大学Ilaria Bellantuono筋骨格加齢教授
知見は興味深いが現時点では結論できない。参加者は少人数で有意な関連があったのは座っている時間の短さとテロメアの長さの増加だけである。もし座っている時間が短くなったら他の何かをしているはずで、運動量が多くなることとテロメアの長さに関連が見られるはずである。しかしそうなってはいないのでこの研究の妥当性を疑う。

(こういうのに騙されないようにということ
http://www.lifelength.com/ja/individuals.html
「老い」を測定する世界で唯一の技術が日本に上陸
http://economic.jp/?p=32399
ここから予想されるのは「あなた短いですね、プロポリスサプリをどうぞ!」かな)

  • スクリーニング検査:何歳なら高齢なのだろうか?

Screening Tests: How Old Is Too Old?
by John Swartzberg, M.D. | September 02, 2014
http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/how-old-too-old-screening-tests
Wellness Letterでは多くの、しばし白熱するがん検診についての議論を取りあげてきた。たとえばマンモグラフィー検査は何時からどのくらいの頻度ですべきなのか、PSA検査は有用なのか、など。既にお知らせしたように、米国予防医学専門委員会やその他ほとんどの専門家団体が、75才以上でこれまで異常が無かった人は前立腺がん、乳がん、大腸がんの検診はメリットがないあるいは不確実であるためやめるようにガイドラインを定めた(Papテストは65才)。このことでいくつかの問い合わせをもらっている。検査を止めることは難しい決断で、全ての人にとって正しいわけでもない。
アメリカ人が検診を受けすぎていることは疑いようがない。理由は習慣だから、恐怖から、メリットがあると信じて、あるいは医師が薦めるから、と様々である。例えばある研究では84才以上の25%がPSA検査を受けている。がんと診断される可能性は加齢に伴って増えるので高齢の人ほどスクリーニングすべきだと考えたくなる。しかしスクリーニングの無作為化試験では75才以上の人はあまり含まれない。限られた根拠ではあるが早期発見とその後の治療による利益は高齢になると急激に低下し、有害影響が大きくなることを強く示唆する。大腸内視鏡のような検査は高齢になると検査による有害影響が増え、さらに異常がみつかると治療の合併症が増える。さらに高齢者のスクリーニングでは生命に関係なく症状すら出ないであろうがんの発見が増える。つまり高齢になるほど、がんはもっているが死因はがんではない場合が増える。
ここに水晶玉が必要になる。ガイドラインでは余命が5年あるいは10年以下の場合はスクリーニングは中止すべきと言っているが、人々はどのくらい余命があるのか予想するのは難しく議論することすら望まない。医師も予想はできない。
例えばケア付き老人ホームに入っていて心不全があって最近骨折したり認知症だったりする75才ががん検診を受ける必要はないのははっきり言える。一方で元気で活動的な80才は検査を継続するのが適切かもしれない。しかしほとんどの場合ははっきりしない灰色であり判断は難しい。
決断はあなたの価値観と好みによる。75才以上で持病があるなら検査の利点と欠点を医師に相談すべきだろう。止めるのも続けるのもオーケーだが、ただ単に健康についてはより多くのことをした方が良いという間違った信念に基づいて続けるのは止めた方が良い。

  • 中絶反対ウェブサイトが妊娠カウンセラーを装う

Theguardian
Anti-abortion websites masquerade as pregnancy counsellors
Thursday 4 September 2014
http://www.theguardian.com/world/2014/sep/03/anti-abortion-websites-masquerade-as-pregnancy-counsellors
女性の健康団体が、女性が死亡や自殺や薬物使用について誤解させられていることを懸念
妊娠カウンセラーを装った中絶反対ウェブサイトが女性に対して中絶すると自殺や薬物使用が増えると語っている。彼らは自分たちを独立した、バイアスのない団体だと称しgoogleですぐ見つけられるが中絶反対が目的である。例えばあるサイトでは中絶をした女性の20%は永続する重大な心理的トラウマを抱えると主張する。
信頼できる情報源から情報を得ること
(公的機関がいいのに)