- 記者会見:害獣の大発生、ブナの実と1080
BRIEFING: Predator plague, beech mast and 1080
September 9th, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/09/09/briefing-beech-mast-predator-plague/
今月後半にKahurangi国立公園で過去最大の1080による害獣駆除作戦が行われる。これは保全区域での国によるラットとイタチの大発生対策の一環である
今年はブナの木が大量に花を咲かせ木の実を落としたので齧歯類の餌が増え木の実が無くなったら固有の鳥が襲われることが予想される。SMCはこの件についてオンライン記者会見を行う
(ほ乳類を殺すための毒を撒くわけなので虫に特異的な殺虫剤で大騒ぎしている人たちはどう反応するのか)
- 十代の大麻使用と人生への悪影響−専門家の反応
Teen cannabis use and poor life outcomes – experts respond
September 10th, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/09/10/teen-cannabis-use-and-poor-life-outcomes-experts-respond/
ニュージーランドとオーストラリアの研究によれば、十代の頻繁な大麻使用はその後の人生での教育レベルの低さやその他の問題と関連する。The Lancet Psychiatryに発表。
この研究は長期に行われているクライストチャーチ健康発達研究のデータと類似のオーストラリアの2つの研究のデータを用いたもので3700人以上の参加者を含み30年以上追跡している。この研究の筆頭著者Edmund Silins博士は「我々の結果は大麻の使用を予防あるいは遅らせることが幅広い社会的健康的利益となる可能性があることの強い根拠を提供している。大麻の合法化には注意深く青少年の使用を減らすための対策が必要である。」と述べている。
ニュージーランドとオーストラリアはOECD加盟国の中では大麻使用量が最も多い国のひとつで、ある研究では21才までに少なくとも1度は大麻を使用したことがあるニュージーランドの若者は約80%と推定している。
SMCは以下のコメントを集めた
Auckland大学健康医科学Simon Denny准教授
全体としてこの論文は大麻の使用が多いと大人になってからの結果が良くないことを示す。この論文は青少年の大麻使用の有害影響についてこれまでで最良の根拠ではあるが無作為化試験ではないのでまだ大麻を使用するような若者が別の要因を持っている可能性はある。特に頻繁に大麻を使用するような若者の家庭環境がそれを許さない家庭とは違うであろう。
さらに興味深い点は用量相関があることで使用頻度が高いほど結果が悪い。ひとつの疑問は安全な使用量があるかどうかであるが、この論文ではそれはないことを示唆している。一度も使ったことのない青少年に比べて全ての使用者は結果が悪い。
Auckland大学健康環境科学部副学長Max Abbott教授
この研究は青少年の大麻使用に関する我々の知見を進歩させる。私の見解では大麻使用を犯罪とすることは大麻使用を減らさずリソースを無駄にしている。この研究の知見が誤用されることを懸念する。この知見が合成カンナビノイドにあてはまるかどうかはわからない。
Auckland大学統計学Thomas Lumley教授
新しい研究は関連を確認し偶然やバイアスによる可能性は低い。
数年以内に大麻規制を緩めた米国での知見が得られるだろう
UK SMCから
London’s Institute of Psychiatry, Psychology & Neuroscience (IoPPN) 精神医学教授Robin Murray卿
この研究は17才以前に大麻を毎日のように使うことは高校卒業率の低さや他の違法薬物の使用、自殺企図などと関連することを示した。いずれも精神保健分野で働く人にとっては驚きではない。若者が大麻を使用することは抑制すべき
European College of Neuropsychopharmacology前学長David Nutt教授
この論文は大麻の重度使用が教育や精神衛生の結果の悪さに関連することを示した。驚くべきことではなく多分他の薬物でも同じであろう。アルコールと比較するのが興味深いであろう。ただこのデータは大麻の合法化議論にはあまり役にたたないであろう。
Global Drug Survey創設者Adam Winstock博士
これは重要な論文である。既に貧しさという格差のある若者にさらに大麻使用の負荷を与えるのは避けるべき。大麻やアルコールや他の薬物の使用は18才まですべきではないというメッセージを送ることが必須。