食品安全情報blog過去記事

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臭素化植物油を添加したソフトドリンクの健康評価

Health assessment of soft drinks with added brominated vegetable oils
4 July 2014
http://www.bfr.bund.de/cm/349/health-assessment-of-soft-drinks-with-added-brominated-vegetable-oils.pdf
臭素化植物油はフルーツ風味飲料の香料の安定剤として使用されている可能性がある。米国ではこれらの物質は最大15 mg/L (15 ppm)まで認可されている。欧州連合では、この植物油は添加物として認可されていない。このため、臭素化植物油やその成分(臭素脂肪酸)を含む製品は、含有量に関わらず、販売できない。米国から輸入した2つの飲料を拒絶したドイツの食品安全当局の依頼により、BfR臭素化植物油が添加されたソフトドリンクの健康影響を評価するよう求められた。
臭素化植物油の動物実験から、臭素脂肪酸が様々な臓器に蓄積する恐れがあることが示された。投与量が多いと臓器の重量が増し、結果として臓器自体が変化する恐れがある。大量に投与すると繁殖力に影響が出た。無毒性量(NOAEL)を導出するために必要な長期研究は発表されていない。
現在の知見に基づき、臭素脂肪酸を最大15 mg/Lまで含有するソフトドリンクによる急性リスクは想定されない。臭素化植物油を含むソフトドリンクの大量摂取と健康への有害影響との関係について言及したケーススタディは、科学的な視点から説得力がなく、一般的なリスクを証明することもない。BfRの意見は、臭素脂肪酸に長期健康影響があるかどうか十分明確でないとしている。同様に、実験動物でよりもヒトの方が多く蓄積する可能性があるかもしれない。これに関して、特に子供に観測された高濃度の蓄積は明確にする必要がある。一般原則として、ヒトに高濃度で蓄積される可能性のある物質の使用は食品生産では望ましくないとされている。

ドイツ語フルバージョン
http://www.bfr.bund.de/cm/343/gesundheitliche-bewertung-von-erfrischungsgetraenken-mit-zugesetzten-bromierten-pflanzenoelen.pdf