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ANSESが作成した感熱紙のビスフェノールAの使用制限に関するフランスの提案が、パブリックコメント募集のためECHAに提出された

France's proposal on the restriction of bisphenol A use in thermal paper, prepared by ANSES, is submitted for public consultation by ECHA
01/09/2014
https://www.anses.fr/en/content/frances-proposal-restriction-bisphenol-use-thermal-paper-prepared-anses-submitted-public
ビスフェノールA (BPA)は、レジのレシート・領収書・粘着ラベル・宝くじ・ファックス用紙に使用される感熱紙の製造に色素の顕色剤として使用されるモノマーである。ANSESは2013年4月に、食事・環境暴露・消費者商品からの暴露に関するヒトの健康についてのビスフェノールAのリスク評価結果を提出した。報告書は、BPAを含む感熱紙の取扱いにより暴露した妊婦(女性のレジ係、消費者)の胎児にリスクがある可能性を確認した。この結果に従い、2013年5月にANSESはREACh規則の枠組みで規制関係書類を提出するよう求められた。本日発表される意見は欧州化学物質庁(ECHA)に提供された規制提案を要約している。今年6月18日、ECHAはANSES の提案を6か月間のパブリックコメント募集のためホームページに掲載した。
ビスフェノールA(BPA)はレジのレシート・領収書・ファックス用紙に使用される感熱紙の製造で顕色剤として使用される物質である。2013年4月、ANSESはビスフェノールAを代用品となる可能性のある物質一覧並びにこの物質の健康リスク評価の結果を提示した。BPAを含む感熱紙の取り扱いにより暴露された妊婦の胎児にリスクの可能性が確認された。この報告書に基づき、ANSESは2013年5月にREACh規則の一部として、感熱紙のBPA使用に関する規制提案を作成するよう求められた。ANSESが提案した規制関係書類にある全ての項目は本日発表された意見に要約されている。
ANSESの提案
ANSESは規制関係書類で、感熱紙の製造に使用されるBPA濃度が重量の0.02%を超えないよう提案している。この濃度では、規制値は事実上BPAの禁止である。更に、BPAに適用できる可能性のある他の物質についてはいくつかの方法はあるが(XP CEN/TS 13130-13:2005-05-01やNF EN ISO 18857-2:2012-01など)、現在、感熱紙に含まれるBPAを測定するための欧州レベルの標準分析方法はない。規制提案では、電子チケットのような紙不要の技術と共に、代わりの顕色剤や印刷技術をはじめとする感熱紙のBPAの代替品の徹底的な分析を提供している。特に代わりの顕色剤に関して、感熱紙のBPA代用は欧州ですでに始められているものの、そのハザードプロファイル固有の不確かさにより、現在BPAの安全な代用品として推奨できる他の化学物質はないとANSESは強調している。特にある種の他のビスフェノール類は同様の毒質を持つ恐れがある。規制提案には、その規則による欧州全体への経済的・社会的・健康的な影響について詳細評価の形で含まれている。
ECHA のパブリックコメント募集は2014年12月18日まで
2014年6月18日以降6か月間、欧州化学物質庁(ECHA)のホームページ上でパブリックコメント募集の提示が行われている。意見募集に続いて、ECHAのリスク評価と社会経済分析委員会(RAC と SEAC)は入手可能な全てのデータに基づいて最終意見を述べる予定であり、それはREACh規則にこの規制提案を含むか含まないかを決定する欧州委員会に送られる。
ビスフェノールAの記事
https://www.anses.fr/en/content/bisphenol-1
考慮されたECHAの規制
http://echa.europa.eu/web/guest/restrictions-under-consideration
REACh規則の基での規制提案に関するフランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)の意見:感熱紙のビスフェノールA
https://www.anses.fr/en/documents/REACH2013re0004EN.pdf