食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 偉大なるシェイク?なぜ液状ランチより丸ごと食品のほうがあなたによいのか

Great Shakes? Why Whole Food is Better for You Than a Liquid Lunch
by Berkeley Wellness | October 09, 2014
http://www.berkeleywellness.com/vitamins/minerals/healthy-eating/diet-weight-loss/article/great-shakes-why-whole-food-better-you
痩せたい?太りたい?筋肉を増やしたい?食べる時間がない?もし広告を信じるなら「完璧栄養ドリンク」「食事代用品」が全ての答えになる。一部の製品は固形の食事ができない人向けに開発されたり高度肥満の人用あるいは運動選手用に開発されてきた。それが今や一般の人向けに宣伝されている。キャンディの袋やチップスよりはましかもしれないが、ほとんどのアメリカ人にとっては必要ない。
その手の飲料に魔法はない。普通乳タンパク質・水・砂糖・植物油・増粘剤・香料・ビタミンやミネラル糖を含む。その宣伝のいくつかを見てみよう
「エネルギードリンク」:エネルギーとはカロリーのことで普通一缶250-375カロリーで普通の食事より少ないがおやつよりは多い。
「高タンパク質」:通常1本10-20gのタンパク質を含むがミルク一杯で8g、ヨーグルト1カップで10g、卵大一個7gである。普通のアメリカ人は十分な量のタンパク質を摂っている。
「完全栄養」:ほとんどのビタミンやミネラルを15-50%供給するが食物繊維はなくカロテノイドのような植物成分は含まない
「簡単便利」:多分。でもバナナやヨーグルトを食べるより簡単だろうか?
「美味しい」:特定の製品が好きな人はいるだろうが嫌いな人もいるだろう
「医師が薦める」:重病患者や特定の条件のヒトに薦める医師はいるだろうが米国老年医学会は最近過剰使用を戒める警告をしている
基本:特定の疾患のある人はこれらの飲料にメリットがあるかもしれないが使用前に医師に相談するべきである。しかし健康なのに食事代わりに栄養ドリンクを飲むのは薦められない。

  • エボラについて人々にどう話すか:リスクコミュニケーションの専門家から5つのTIPS

ScienceInsider
How to talk to the public about Ebola: Five tips from risk communication experts
By Kai Kupferschmidt 9 October 2014
http://news.sciencemag.org/africa/2014/10/how-talk-public-about-ebola-five-tips-risk-communication-experts
水曜日の朝ダラスの病院でリベリア人の男性がエボラで死亡した−アメリカでの最初の死亡例である。NYTによれば、これはリベリアの首都モンロビアで、エボラに罹って死にゆく7ヶ月の妊婦をタクシーに運ぶのを手伝ったことに始まるこの男性の悲劇の終わりだった。しかしメディアの騒動はCDCがこの症例を9月30日に発表してから衰える気配がない。CDCは毎日記者会見を行い政治家は国境閉鎖を求め大統領を批判している。そしてメディアはこの病気についていかに大げさに使えるかを競い、CNNは最近「エボラはイスラム国の生物兵器か」などと述べた。
BrooklynのリスクコミュニケーションコンサルタントPeter SandmanはScienceInsiderへの長いメールで妻で共同研究者であるJody Lanardと、リスクコミュニケーションについての知見と政府やジャーナリストの失敗について述べた。
米国メディアは長いことここダラスでの何か悪いことを暴露することに執着してきた。対話は決して問題のおこっている西アフリカには向かわない。
彼らはこれからエボラについて語るときにやるべきこととして、以下の5点を指摘した。指数関数的に増えるということは何を意味するのかを教えること、もしエボラの拡大が止まらなければどうなるかを教えること、最終的にはエボラワクチンの開発が必要でそれがどういうものであるか伝えること、それまでの時間稼ぎのための西アフリカの患者数を減らすことが何故必要か伝えること、不確実性を堪え忍ぶことを伝えること。

  • 幹細胞詐欺が映画を成功させる

Natureニュースblog
Stem-cell fraud makes for box office success
09 Oct 2014 | 12:23 BST | Posted by Anna Nagle
Posted on behalf of David Cyranoski and Soo Bin Park
http://blogs.nature.com/news/2014/10/stem-cell-fraud-makes-for-box-office-success-2.html
Woo Suk Hwang(黄禹錫)のクローニングスキャンダルに基づいた映画が公開初日(10月2日)10万人以上の観客を集め、その後韓国で興業チップを維持している。この韓国最大のスターを巡る関心が未だ高いことを明らかにした。この映画「内部告発」は黄禹錫に同情的で、この映画は事実をもとにしたフィクションである。真の告発者は事実とは違うと言う一方でいまだに黄禹錫がヒトクローンを作ったと信奉している人たちは怒っている。

  • 新生児室はなく、ミルクはなく、おしゃぶりもない−「赤ちゃんにやさしい」病院は新米ママには優しくない?

Slate
No Nursery, No Formula, No Pacifier
Are “baby-friendly” hospitals unfriendly to new mothers?
By Jessica Grose
http://www.slate.com/articles/double_x/doublex/2014/10/baby_friendly_hospitals_promoting_breast_feeding_at_the_expense_of_the_new.html
私が娘を産んだ病院では看護師もスタッフも優しくて母乳の与え方を丁寧に教えてくれたので、この病院が「赤ちゃんに優しい」病院ではないと評価されていることを知って驚いた。とても赤ちゃんに優しかったから。「赤ちゃんに優しい」というのはユニセフとWHOが90年代初期に開発した母乳を与えることを促進するための10項目を満たした特別な認証である。「赤ちゃんに優しい病院」の認証を得るためには赤ちゃんを新生児室に連れて行ってはダメで医学的指示がなければミルクを与えてはならずおしゃぶりはダメである。
c活動は昔からあるがここ数年米国では流行で、2007年には認証病院はたった2.9%だったが現在は8.4%である。ワシントンDC周辺の病院では「赤ちゃんに優しい」対策の採用は物議を醸している。この方針を歓迎する人もいれば母乳を与える圧力があまりにも厳しいと感じる人もいる。私が知りたいのは「赤ちゃんに優しい」方法に科学的根拠があるのか、ということである。
McGill大学のMichael Kramer博士によると、母親がより長く母乳を与えるには、ストレスを和らげるため最初の頃にミルクを足した方が役にたつという根拠もある。さらにおしゃぶりを制限するとミルクが増えるという根拠もある。
しかしさらに根本的な疑問は、米国のような先進国で母乳育児がそんなに大声で叫ぶほどの重要なものなのだろうか、ということである。最近のきょうだい研究では母乳で育てることの長期健康上のメリットは過剰宣伝であることが示されている。「母乳がベストか?」という本の著者でTexas A&MのJoan Wolfは「最良の条件では、母乳のメリットはごく僅かで、それは母親の負担により相殺される程度である」と述べている。母乳推進者であるKramer博士は母乳推進はあまりにもいきすぎていると信じている。「母乳を薦めるのと、母乳を与えたくないあるいは与えられないことに罪悪感を感じることとは別のことである」
私は「赤ちゃんに優しい」認証病院の保護者教育コーディネーターであるGladys Vallespir Ellettに「赤ちゃんに優しい」方法の根拠がない項目などについて尋ねてみた。彼女は「私はそういうことには詳しくないが、「赤ちゃんに優しい」はそういうことではなく、哲学の問題である」と語った。
この「哲学」は新米両親にどう受け止められているだろうか?全体的にはポジティブであったが1人の母親は過剰な圧力を感じたと語った。彼女は母乳を与えることがとても困難だったがミルクは許可がなければ与えてはならず、その行動を理解はできたがひどい経験だった。他の保護者は赤ちゃんを預けるのは恥ずべきことだと非難されたと感じていた。産後の母親がどんなに疲労困憊していて睡眠不足であっても新生児の世話は彼女の仕事とされた。
かつては赤ちゃんはすぐに新生児室に連れて行かれ母乳を与える支援は行われなかった。そういう経験があるナースたちが「赤ちゃんに優しい」方法を歓迎するのは無理もない。問題は教条主義的になっていることである。
私の赤ちゃんは生まれて初めての夜を新生児室で過ごしたがそれにより障害を与えられてはいない。一部の「赤ちゃんに優しい」意欲は「母親に優しくない」ものになっていて、それは結局誰にとっても良くないだろう。

New increase in antimicrobial use in animals in Denmark
Thursday 09 Oct 14
http://www.food.dtu.dk/english/News/Nyhed?id=917022D1-B827-412F-A0F9-0BF9DE3CF95A
デンマークの動物への抗菌剤使用は2013年は主にブタへの使用が増加したため増加を続けた。それでもブタへの使用は2009年より12%少ない。概して家畜への抗菌剤の使用はヒトの治療に使われる重要なものについてはごく僅かしか使われていない。デンマーク工科大学によるデンマーク統合抗菌剤耐性モニタリング研究計画年次報告書の知見
報告書は以下からダウンロードできる
http://www.danmap.org/