食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

コンシューマー•レポート
Beware of 'muscle-building' energy supplements targeting teens
October 08, 2014
http://www.consumerreports.org/cro/news/2014/10/beware-of-muscle-building-energy-supplements-targeting-teens/index.htm
Drug Testing and Analysisに発表された研究で、市販のサプリメント少なくとも1ダースに、これまで検出されていない、ヒトでの影響が不明なDMBA (1,3-ジメチルブチルアミン)が含まれることが報告された。DMBAは最近FDAが禁止したDMAAに類似する化合物である。FDAの禁止措置はサプリメントメーカーにDMBAを入れることは禁止できなかった。製品はRedline White Heat, MD2 Meltdown,、AMPileanなどでGNC店舗やアマゾンなどのオンラインショップで販売されている
A synthetic stimulant never tested in humans, 1,3-dimethylbutylamine (DMBA), is identified in multiple dietary supplements
Pieter A. Cohen et al.,
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/dta.1735/abstract
(この記事をMFDSが外国危害食品情報として掲載していた
米国(コンシューマー•レポート)、ハーバード大学医学部の研究者は、栄養補助食品製品のDMBA含有結果をジャーナルに発表 危害情報課 2014-10-10)

  • 高齢者のための3Dプリント食品が2016年に販売されるかも

3D printed food for the elderly may hit shelves in 2016
By Anna Bonar 21-Oct-2014
http://www.foodnavigator.com/Science-Nutrition/3D-printed-food-for-the-elderly-may-hit-shelves-in-2016
ドイツの研究者が噛むことや飲み込むことに困難のある高齢者のための、見た目や味が本物そっくりの、3Dプリント食品を開発している。
ドイツの企業Biozoonでは2010年に高齢者向けの「スムースフード」という概念が導入された。CEOによるとBiozoonはテクスチャライジング食品の専門企業で、生鮮食品のテクスチャーを変える。スムースフードは元の食品そっくりだが噛まずに飲み込める。
(民間の記事だがFSANZの公式アカウントがRTしていた)

  • 2014年John Maddox賞受賞者発表

Senseaboutscience
Winners of the 2014 John Maddox Prize for standing up for science announced
27 October 2014
http://www.senseaboutscience.org/news.php/419/winners-of-the-2014-john-maddox-prize-for-standing-up-for-science-announced
学校での銃の乱射から自宅出産まで、一般向けの記事に根拠についての議論をもちこんできたフリージャーナリストEmily Willingham博士と、原子力や気候変動など議論の多い公共の関心のある問題に勇敢に、困難であっても科学と根拠を使うことを薦めてきた駆け出し科学者David Robert Grimes博士に。
2014 John Maddox Prize
http://www.senseaboutscience.org/pages/maddox-prize-2014.html

  • エボラについての10の神話、割り引いて

10 Ebola Myths, Discounted
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/contagious-disease/lists/10-ebola-myths-discounted/slideid_1821
1.飛行機で簡単に伝染する
2.米国の病院は準備できていない
3.蚊に刺されることで伝染する
4.水を飲むことでうつる
5.誰かに触っただけでうつる
6.ヒトヒト感染しかしない
7.罹ったら死の宣告
8.米国はエボラ流行ハイリスク
9.インターネットで治療薬が買える
10.米国はアフリカのエボラ危機に関わるべきではない
(他の病気とごっちゃになってるパターンはありそう)

Is Emu Oil a Miracle Skin Treatment?
by Berkeley Wellness | October 27, 2014
http://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/emu-oil-miracle-skin-treatment
Q:業者が宣伝しているように、エミューオイルは湿疹や乾癬やその他の皮膚の問題の治療に役立つか?
A:油には保湿作用があるのでなんらかのメリットはあるだろう。エミューオイルは肉や皮や卵用の家畜として飼育されている大型の飛べない鳥の脂肪に由来する。アボリジニーの人々が長く使ってきた。実験動物での研究はあるがヒトでの研究はほとんどないが2013年のイランの研究では標準的医薬品ほど良くはなかった。
やるべきこと:もし皮膚の症状があるならまず皮膚科医に相談。医薬品としてのエミューオイルの効果効能宣伝については忘れること。

Hot Yoga: Scary or Good for You?
by Berkeley Wellness | October 24, 2014
http://www.berkeleywellness.com/fitness/injury-prevention/exercise/article/hot-yoga-scary-or-good-you
ヨガの中でもホットヨガと呼ばれるものが流行している。これは華氏90-105度、湿度40-60%で行われるもので通常90分続く。プラクティショナーは各種健康メリットを宣伝するが本当にそのようなメリットがあるのか?研究結果は一貫していない。寒いところで動くより身体を伸ばしやすいだろうがこれは同時に延ばしすぎて怪我をしやすいということでもある。汗をかくと毒素が出るという主張には科学的根拠はない。暑さと運動は心血管系へのストレスになるため持病のあるある人や高齢者にはホットヨガは不適切である。

Chirobase
Old chiropractic business manual uncovered
ソフトウエアエンジニアのDan Kegelが1950年代に出回っていたChiropractic Business Instituteのマニュアルを発見した。
http://www.chirobase.org/20PB/chiro-business-manual.pdf
ビジネスにとって重要なのはテクニックに加えてマスターセールスマンであり抜け目のない心理学者であり賢い個人主義者であり有能なビジネスマンであること。医師は病気の診断には慣れているがもう一つ重要なことがある。ビジネスの視点からその患者が診るに値するかどうかを「診断」することである。
方法論として提示されているのは、症状がなくなってもできるだけ長期間通い続けるように説得すること、(まともな)医師への信頼を無くさせること、カイロプラクティックは病気の予防であると宣伝すること。これらは現在でもこの業界の常識である。
(詐欺師だからね、カモを見抜き、どれだけお金を取れるかを計算できるヒトが「有能」なわけ)

  • 研究者が匿名のPubPeerコメントを訴える

Science
Researcher files lawsuit over anonymous PubPeer comments
By Kelly Servick 26 October 2014
http://news.sciencemag.org/scientific-community/2014/10/researcher-files-lawsuit-over-anonymous-pubpeer-comments
出版後の論文のピアレビューサイトであるPubPeerに投稿されたコメントのせいで職の提供を失ったと主張する科学者がこの匿名の投稿者を訴え、ウェブ管理者に投稿者情報の開示を求めた。

Creationism conference at large U.S. research university stirs unease
By Viviane Callier 27 October 2014
http://news.sciencemag.org/education/2014/10/creationism-conference-large-u-s-research-university-stirs-unease
高名な進化生物学者がいるミシガン州立大学で11月1日に進化論を否定するキリスト教団体が主催する「創造論サミット」が開催される。内容には進化論は如何にヒトラーの世界観に影響されているか、ビッグバンは嘘、自然選択は進化ではない、など。このニュースが大学の科学コミュニティに驚きをもたらした。このことで大学の名誉が傷つくと考える科学者もいるが大学事務局は自由な発言が学問の自由の根本であるとしている。

  • 脳の活動を遅くする藻類のウイルスがヒトで見つかった

Algal virus found in humans, slows brain activity
By Elizabeth Pennisi 27 October 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/10/algal-virus-found-humans-slows-brain-activity
サルからエボラウイルスが、ブタからインフルエンザがヒトにうつったりするのはそれほど遠いことではない、結局はほ乳類同士だから。しかし研究者らは藻類のウイルスがヒトに感染することを発見した。この侵入者はヒトやマウスを病気にはしないが特定の脳の活動を遅くするようだ。このATCV-1と呼ばれるウイルスは数年前にヒトの脳組織から発見されたが、その時はそれが死後に入ったのか死ぬ前からあったのかはっきりわからなかった。その後精神疾患のヒトの喉で見つかった。データベース検索の結果、ATCV-1は通常湖や川の緑藻に感染するウイルスと同じであった。研究者らは92人の健康なヒトでこのウイルスを調べ、43%が保有していることを見いだした。さらに感染のあるヒトでは感染のないヒトより視覚プロセシングの必要な認知機能試験の成績が10%悪かった。PNASに発表。

  • Deepwater Horizonの汚れは広く遠く降下

Natureニュース
Deepwater Horizon gunk settled far and wide
Survey of deep-sea sediment helps to explain ‘missing oil’ from 2010 spill.
Mark Schrope
http://www.nature.com/news/deepwater-horizon-gunk-settled-far-and-wide-1.16225
深海堆積物の調査が2010年の流出事故の「失われた油」を説明するのに役立つだろう
2010年のメキシコ湾重油流出事故で流出した油の1/3以上が海面に上がってこなかった。科学者はそれ以来行方不明の200万バーレルを探している。一部は微生物が消費し一部は海底に落ちている。10月27日にPNASに発表された論文で、流出したうちの相当量が最低でも3200平方キロにわたって沈着していることを報告した。これまでの推定の20-100倍の広範囲である。

  • TedXは新たに科学に焦点をあてる

The press
TedX takes on new science focus
25/10/2014
http://www.stuff.co.nz/the-press/christchurch-life/10661770/TedX-takes-on-new-science-focus
来週クライストチャーチで開催されるTEDx会議ではスピーカーの約1/3が本格的科学者である。WILL HARVIEがこの科学コミュニケーションと呼ばれる新しい努力を探る
ピンクの髪のニュージーランドの科学コミュニケーション分野の人気上昇中のスター、オークランド大学のSiouxsie Wiles博士は彼女の専門分野(暗闇で光る微生物)やもう少し広い分野(微生物学)そしてさらに広く科学一般についてメッセージを送り続けている。このほとんど無償の活動に対して2013年に総理大臣のサイエンスメディアコミュニケーション賞が贈られた。賞金10万ドルで研究用と個人用に半々。今度の土曜日にTEDxで話す。
この幸運な科学者にとって、科学コミュニケーションと呼ばれるものは何だろう?「それは科学者と研究の資金提供者と一般の人々の間にある障害を壊すこと」とWilesはいう。
Mark Quigley博士が地震液状化について話すこと、Doug Sellman教授がアルコールや違法薬物に反対するキャンペーンをすること、海外では1980年代のCarl Saganのドキュメンタリーシリーズコスモス、Robert, Lord Winston医師によるBBCのテレビ番組、そして論客Richard Dawkinsの仕事などが科学コミュニケーションと呼ばれる。
BlogやTwitterFacebook、テレビ、ラジオ、新聞、ニュースウェブサイト、学校、ステージなどが舞台となって科学とその方法、限界などについて説明される。
科学コミュニケーションは民主主義社会において人々が重要な意思決定をするための基礎である。同時に子どもたちを喜ばせて科学分野のキャリアについて考えさせることでもある。ニュージーランドでは比較的新しく、英国や米国は10年以上進んでいる。科学者の仕事は論文を発表して終わりではなくなった。TEDxで話すことでさらに理解が深まるだろう。
これは一部の科学者、特に若い人はテレビに出るのではなく実験室にいるべきだと考える高齢の人たちにとってはあまり馴染みがないだろう。一般メディアで宣伝することは科学のキャリアに悪影響があると考えられる。しかし時代は変わってきた。
もちろん科学コミュニケーションにも良いものと悪いものがある。
いろいろ略。ちなみにTEDxChristchurchのチケットは売り切れ

  • オーストラリア人は健康的でバランスの取れた食事を選ぶのに混乱し準備ができていない

Australians confused and ill-equipped to choose a healthy balanced diet
October 2014 (Sydney, Australia) -
http://prwire.com.au/pr/47662/australians-confused-and-ill-equipped-to-choose-a-healthy-balanced-diet-3
新しい研究(Healthy Diet Study - Galaxy Research 2014)によるとオーストラリア人は毎日の健康的な食事を選ぶのに自信や知識が足りない
18-64才の約1000人の調査で、87%が健康的食生活について混乱していて主に健康的食品についての矛盾したメッセージが原因(59%)。53%が食べている食品に懸念があり、信頼できる、一貫した情報が欲しいと思っている。
最も多い食事助言者は友人や家族で多くは一度も医師(57%)や栄養士(74%)に相談したことはない。
流行のダイエット法の洪水と簡単な解決法を求めて、炭水化物を減らしている。Grains & Legumes Nutrition Council(GLNC)によると3年前よりパンを食べなくなった。2011年は毎日パンを食べるヒトが72%だったが2014年は65%。
関連
食品についての混乱は大問題になっている
Confusion about food becoming a big problem
Sherele Moody | 27th Oct 2014
http://www.gladstoneobserver.com.au/news/were-confused-about-our-food/2432114/
GLNCのヘルシーダイエット調査発表を受けて、Gladstoneの栄養専門家は我々は何が健康的な食事でなにがそうでないのかわかっていない、という。臨床栄養士Meagan Leaneはいう。ソーシャルメディアや友人やセレブが混乱に拍車をかけている。なにがヘルシーかについてみんなが先入観をもっている。それがメディアやソーシャルメディアに氾濫し、友達が何で痩せたとか近所の人がなにを褒め称えたかなどで溢れる。セレブシェフも問題で今の時代は誰も資格を確認しない。古くからある常識は変わらない。「何でもいろいろなものを少し食べる。極端なことはしない。」
CQ大学の栄養士Susan Williams博士は食事に関する混乱は大きな問題で、教育が重要という。我々は新聞、雑誌、インターネット、テレビ、ラジオなどあらゆるメディアからごちゃ混ぜの矛盾したメッセージを受け取っている。さらに簡単な解決法を探して極端なことをする。

  • EWGの食品スコアはあなたの食品に本当は何が入っているのか見つけるのに役立つ

EWG
EWG’s Food Scores Helps People Find Out What’s Really In Their Food
October 27, 2014
http://www.ewg.org/release/ewg-s-food-scores-helps-people-find-out-what-s-really-their-food
EWG は8万以上の食品をランキングした使いやすい食品データベースFood Scores: Rate Your Plateを発表した。栄養だけでなく食品添加物や汚染節何時、加工度合いをスコアリングした。
10までのランキングで数字が小さいほど上、らしい。
関連
GMA(アメリカ保存食品製造業者協会)
EWGの食品ランキングは欠陥が多く不正確で誤解を招く情報を提供している
EWG Food Ratings Severely Flawed, Provide Inaccurate and Misleading Information
10/27/2014
http://www.gmaonline.org/news-events/newsroom/grocery-manufacturers-association-statement-on-environmental-working-group/
ランキング方法に科学的客観性がない
例えば慣行栽培はそれだけでダメ、砂糖が加えられていたらダメ、食品添加物は成分表に掲載してあるだけでアウト判定で量については全く考慮していない、野菜や果物については測定しないで残留農薬があると判定している、など(慣行栽培だからといって常に残留農薬が検出されるわけではない)

  • 前立腺がんについての多くのインターネット情報源は専門家委員会の助言に同意しない

Most Internet sources on prostate cancer disagree with expert panel's recommendation
October 28, 2014
http://www.sciencecodex.com/most_internet_sources_on_prostate_cancer_disagree_with_expert_panels_recommendation-144354
米国外科学会臨床学会で発表された研究によると、トップランクの消費者健康ウェブサイトのわずか17%しか2年以上前に発表されたUSPSTFの助言に合意していない。「前立腺がんスクリーニング」で検索した結果。USPSTFは2012年に全ての年齢の男性にPSA検査を受けないことを推奨した。利益がリスクを上回らないからである。しかし多くの医学団体がこれに合意せず、50あるいは55才以上の男性にスクリーニングをするかどうか医師に相談するよう述べている。