食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 炭水化物は飽和脂肪より悪いのか?

Are carbs worse than saturated fats?
November 25 2014
http://www.stuff.co.nz/life-style/well-good/teach-me/63513092/are-carbs-worse-than-saturated-fats
食事由来の炭水化物を段階的に増やすことのメタボリック症候群成人の血中飽和脂肪酸とパルミトレイン酸への影響
Effects of Step-Wise Increases in Dietary Carbohydrate on Circulating Saturated Fatty Acids and Palmitoleic Acid in Adults with Metabolic Syndrome
Brittanie M. Volk et al.,
PLoS ONE 9(11): e113605. doi:10.1371/journal.pone.0113605
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0113605
16人のBMI 37.9±6.3 kg/m2の44.9±9.9才のメタボ成人に炭水化物の量を47-346g/dayに増やし、逆に飽和脂肪を46-84g/dから32g/dに減らす6種類の食事を3週間食べてもらった場合の血漿脂質中飽和脂肪酸量を調べた研究。食事由来の飽和脂肪は直接血中飽和脂肪に反映されず、炭水化物の摂取量のほうが健康への悪影響と関連する飽和脂肪の量に影響した。

Royal Australian and New Zealand College of Psychiatrists clinical practice guidelines for the treatment of eating disorders
Phillipa Hay et al.,
Australian & New Zealand Journal of Psychiatry 2014, Vol. 48(11) 977–1008
http://anp.sagepub.com/content/48/11/977.full.pdf+html
拒食症の知見が進展している
認知行動療法くらいしかない

  • 空気の質の改善は家庭に始まる

Lancetエディトリアル
Improving air quality starts at home
The Lancet
Volume 384, Issue 9957, 22–28 November 2014, Pages 1821
大気汚染というと都市部の空の色を想像するかもしれないがしばしばそれは家の中の方が危険である。バイオマス燃料を用いるストーブの利用による屋内空気の汚染が毎年430万人の死因である。別の燃料や新しい技術への移行が課題であるがそれまでの暫定目標としてWHOはいくつかの指標を提示している。

以下Lancet
水死:大幅に予防できる死因
Drowning: a largely preventable cause of death
Pages 1822

食品の安全は食糧と栄養の安全保証を伴わなければならない
Food safety must accompany food and nutrition security
Margaret Chan
Available online 19 November 2014
doi:10.1016/S0140-6736(14)62037-7
国際栄養会議にむけてのコメント
栄養不良対策に進歩はあったが地球人には多くの食品関連の課題がある。

  • ストレス管理はミツバチを救うのに役立つか?

Can stress management help save honeybees?
24-Nov-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-11/cp-csm111814.php
Trends in Parasitologyの11月24日号にイタリアのFrancesco Nazziと Francesco Pennacchioがミツバチの健康に影響する基本的科学の理解が必要であることを訴える。ミツバチにはVarroaダニや殺虫剤やその他多くのストレスがありミツバチの消失にたった一つの原因を指摘するのは難しい。ストレス管理とミツバチの栄養を改善することで状況を改善できる可能性がある。ダニや殺虫剤のミツバチへの影響は暴露されたミツバチ集団の健康状態に大きく依存する。

  • 米国と中国のベビーフードのハロゲン化難燃剤とその乳児の推定摂取量

Halogenated Flame Retardants in Baby Food from the United States and from China and the Estimated Dietary Intakes by Infants
Liang-Ying Liu et al.,
Environ. Sci. Technol., 2014, 48 (16), pp 9812–9818
http://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/es502743q
米国と中国で市販されている乳児用ミルクを含むベビーフードのポリ臭素化ジフェニルエーテル類やその関連物質を測定した。全体として米中で差はないが原材料の汚染によるとみられるデクロランプラスの高濃度検体が2件みつかった。いずれも推定メジアン摂取量は毒性の参照摂取量より低く安全上の懸念とはならない

  • 機能性食品開発における健康強調表示の立証のための統合的システムベースモデル

An integrated systems-based model for substantiation of health claims in functional food development
Erfan Younesi, Mehmet Turan Ayseli
Trends in Food Science & Technology
Available online 18 September 2014 In Press, Corrected Proof
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0924224414001976
健康強調表示の立証についての規制上の要求は増加している。食品企業は製薬業界の価値ある経験に学ぶべきだ。
(製薬業界に学ぶと意味がないことがばれるので示唆とごまかしで利益を得ようとしてきたのがいわゆる健康食品業界なので真正面から取り組むことについては歓迎。最終的にはそういう会社の製品だけが生き残る−といいのだが)