食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース等

  • ゲイツ財団が世界最強のオープンアクセス研究ポリシーを発表

Natureニュース
Gates Foundation announces world’s strongest policy on open access research
21 Nov 2014
http://blogs.nature.com/news/2014/11/gates-foundation-announces-worlds-strongest-policy-on-open-access-research.html
Bill & Melinda Gates Foundationが資金提供した研究はNature や Scienceのような有名雑誌に投稿することを禁止する。2015年1月15日から、資金提供を受けだ研究はその論文ともとになったデータを直ちに公表し商用でも再利用可能とする。必要な出版費用は払う。

Repealing the Ban on DDT is Bigger Than Bed Bugs!
By Rich Kozlovich
http://paradigmsanddemographics.blogspot.jp/2014/11/repealing-ban-on-ddt-is-bigger-than-bed.html
2014年11月20日CBCニュースのSamantha Craggsが「DDT撤回はトコジラミ対策にはならない」という記事を掲載した。トコジラミの流行にDDTは魔法の解決法にはならないと主張する。これは正しい。DDTの仕事はトコジラミ対策ではない。このSamantha Craggsの記事はMatthew Green議員がトコジラミ対策にDDTの禁止を撤回したいと題した記事に触発されたものである。Matthew Green議員はDDT禁止の40年間を「吟味」することを求めている。ハミルトン市では2006年以降トコジラミが流行していて約600パーセント増加しこの問題の対策に1年で100万ドルを費やしている。DDTの禁止を撤回すべきかどうかについての世論調査では、DDTトコジラミに有効かどうかはわからないものの禁止撤回賛成が50.96%、反対が42.4%、わからないが6.64%だった。農薬に反対する人たちが多いカナダでこの数字は考えさせられる。
1950年代にトコジラミDDT耐性になったが有機リンやカルバメートが効果があったためあまり問題はなく60年を過ごした。しかしトコジラミは今や有機リンやカルバメートに耐性を獲得した。
1972年にRachel Carsonの有名な「科学空想小説」により創り出された感情は多様な命を救う化合物の規制に使われた。DDTは「野生生物、特に鳥に影響し環境中に長く残り生物濃縮する」と言われるがこれは間違いあるいは誤解を招くものである。北米でDDTが盛んに使われた時代に白頭ワシを含む鳥の集団は増加していた。Carsonがコマドリがいなくなると書いたとき、彼女は間違っていただけではなく意図的に嘘を書いている。CarsonはU.S. Fish and Wildlife Serviceのライターだったので1960年には1941年に比べて「コマドリは12倍、コウウチョウは21倍、クロウタドリは38倍、クロムクドリモドキは131倍など」という報告を知っていた。
殺虫剤禁止の影響を再評価する場合には公衆衛生の専門家による評価が必要だ。
私がトコジラミに効果があるとは思わなくてもDDTの禁止撤回に賛成する理由は、DDTの禁止の影響とそのもとになったグリーンムーブメントを理解する必要があると考えるからである。
(いろいろ略。カナダの環境保護意識の高い市民は遠いアフリカでのマラリア被害には関心が無いがトコジラミには大変困っている)

  • グルテンフリーダイエットは本当にあなたを健康にするか?

Consumer Reports
Will a gluten-free diet really make you healthier?
Published: November 2014
http://www.consumerreports.org/cro/magazine/2015/01/will-a-gluten-free-diet-really-make-you-healthier/index.htm
食品業界の最大に流行は衰える兆しがない。その表示の背景にある6つの現実。
Consumer Reportsの研究センターによると1000人以上のアメリカ人の調査で63%がグルテンフリーによって身体的精神的健康状態が良くなると考えている。約1/3がグルテンフリー製品を購入したりグルテンを避けたりしている。メリットとして最も多く言われているのが消化を助ける、腸の機能を改善する、痩せる、エネルギーが強化される、コレステロールを下げる、免疫系を強化する、などである。しかしそのいずれも根拠はほとんどない。セリアック病患者や本当にグルテン過敏である人以外には避ける理由がない。グルテンを完全に避けようとすれば栄養のある多くの食品が食べられなくなる。流行に乗る前に考えたほうがいい。
1. グルテンフリーは栄養価が高いわけではない(逆に少ないかも)
2.ヒ素濃度が増える(コメのせい)
3.体重が増えるかも(痩せるはずと思いこんで)
4.お金がかかる
5.重大な病気を見逃すかも(グルテンのせいではないのにグルテンのせいにすることで)
6.結局グルテンは食べている(フリー表示の規制値が20ppmなので)

UNITED STATES DISTRICT COURT CENTRAL DISTRICT OF CALIFORNIA, WESTERN DIVISION
October 31, 2014
http://www.casewatch.org/civil/herbalife/bostick/settlement.pdf
カリフォルニアのもとディストリビューターがおこしていた裁判で、ハーバライフが1500万ドルを支払うことに合意
(ビジネスモデルとしては製品を売ることではなく会員を増やすことで利益を出す仕組み。そして製品は市販のものと同程度なのに3倍の値段なので普通は売れない)

  • コンビニから映画館まで、メニューにはカロリー表示が必要

From convenience stores to movie theaters, calorie count must be on menus
NOV 24, 2014
http://www.sltrib.com/home/1868987-155/from-convenience-stores-to-movie-theaters
FDAが発表する規則によると2015年11月から20店以上の事業者はカロリー表示をしなければならない
Calorie counts: Coming to a restaurant, movie theater, vending machine near you
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/calorie-counts-coming-to-a-restaurant-movie-theater-vending-machine-near-you/2014/11/24/e5bd25ae-7415-11e4-a5b2-e1217af6b33d_story.html

Vegetarians healthy but unhappy: study
November 25, 2014
http://www.9news.com.au/health/2014/11/25/11/23/vegetarians-healthy-but-unhappy-study
オーストラリアのベジタリアンは肉食の人より健康的だが不幸で精神疾患になりやすい。
Alere Wellness Indexによるとベジタリアンは肉を食べる人に比べると飲酒や喫煙が少なく良く運動する。しかし鬱や不安障害は多い。この指標を開発したDr John Langによるとしばしば精神疾患を発症してからベジタリアンになるので食事が原因ではなく、むしろ症状である。2012年のドイツでの研究でもベジタリアンは鬱や不安が多かった。
(特定の食生活にこだわる人という意味で強迫行動障害に近い人が多くなる)

  • 科学アドバイザー退出に激しい怒り

Scienceニュース
Exit of E.U. science adviser triggers furor
By Tania Rabesandratana 20 November 2014
Science 21 November 2014: Vol. 346 no. 6212 p. 904
http://news.sciencemag.org/europe/2014/11/exit-e-u-science-adviser-triggers-furor
新しい委員長Jean-Claude Junckerが欧州委員会に3年前に作られたばかりの主任科学アドバイザー(CSA)のポストを廃止したことに欧州の科学者は怒っている。まだ代わりの仕組みが発表されていないので怒りは時期尚早だという人もいる。